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公開番号2024167665
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023083892
出願日2023-05-22
発明の名称導電性高分子分散液の製造方法、及び固体電解コンデンサの製造方法
出願人日本ケミコン株式会社,国立大学法人山梨大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01G 9/00 20060101AFI20241127BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高耐電圧の固体電解コンデンサを製造するための導電性高分子分散液の製造方法、高耐電圧の固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】導電性高分子分散液の製造方法は、ポリスチレンスルホン酸が存在する液中で、2-エチル-3,4-エチレンジオキシチオフェンを重合させる重合工程を含む。この重合工程では、重合中の液温を30℃以上にする。固体電解コンデンサは、この製造方法により得られた導電性高分子分散液を用いて、陽極体と陰極体との間に固体電解質層を形成することで製造される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ポリスチレンスルホン酸が存在する液中で、2-エチル-3,4-エチレンジオキシチオフェンを重合させる重合工程を含み、
前記重合工程では、重合中の液温が30℃以上であること、
を特徴とする導電性高分子分散液の製造方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記重合工程では、重合中の液温が30℃以上50℃以下であること、
を特徴とする請求項1記載の導電性高分子分散液の製造方法。
【請求項3】
前記重合工程を経て得られ、導電性高分子が分散した分散液を、pHが3以上6以下に調整する調整工程を更に含むこと、
を特徴とする請求項1又は2記載の導電性高分子分散液の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の製造方法により得られた前記導電性高分子分散液を用いて、陽極体と陰極体との間に固体電解質層を形成すること、
を特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解コンデンサの固体電解質を形成するための導電性高分子分散液の製造方法、及び固体電解コンデンサの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
電解コンデンサは、タンタルあるいはアルミニウム等のような弁作用金属を陽極箔及び陰極箔として備えている。陽極箔は、弁作用金属を焼結体あるいはエッチング箔等の形状にすることで拡面化され、拡面化された表面に陽極酸化等の処理によって誘電体皮膜を有する。陽極箔と陰極箔との間には電解質が介在する。
【0003】
電解コンデンサは、陽極箔の拡面化により比表面積を大きくすることができ、他種のコンデンサと比べて大きな静電容量を得やすいメリットがある。電解コンデンサは、電解液の形態で電解質を備えている。電解液は、陽極箔の誘電体皮膜との接触面積が増える。そのため、電解コンデンサの静電容量は更に大きくし易い。
【0004】
近年では、導電性が電解液より高い固体電解質を電解質に用いた固体電解コンデンサも注目されている。固体電解コンデンサは、導電性が電解液より高い固体電解質を用いており、低等価直列抵抗(ESR)を実現できる。固体電解質としては、二酸化マンガンや7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られている。
【0005】
また誘電体皮膜との密着性に優れたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等の、π共役二重結合を有するモノマーから誘導された導電性高分子が固体電解質として急速に普及している。導電性高分子は、ポリアニオン等の酸化合物がドーパントとして用いられ、高い導電性が発現する。そのため、固体電解コンデンサは、等価直列抵抗(ESR)が低くなる利点を有する。
【0006】
導電性高分子を含む固体電解質は、導電性高分子分散液を陽極体と陰極体との間に塗布又は含浸し、分散媒を乾燥させることで形成される。導電性高分子分散液は、導電性高分子の分散液であり、例えば水を分散媒として用い、導電性高分子を水中に分散させる。導電性高分子は、導電性高分子の単量体ユニットになるモノマー、ドーパント及び酸化剤を混合し、化学酸化重合により生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2011-60980号公報
特開2014-152320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コンデンサは各種用途で用いられる。例えばパワーエレクトロニクスの分野において、交流電源の電力をコンバータ回路で直流電力に変換し、この直流電力をインバータ回路にて所望の交流電力に変換する電源回路には、コンバータ回路から出力される直流の脈動を抑制して平滑化してからインバータ回路に入力するために、平滑コンデンサが設けられている。また、窒化ガリウム等の半導体スイッチング素子の安定動作やノイズ除去のために、デカップリングコンデンサが当該半導体スイッチング素子の近傍に設けられる。
【0009】
パワーエレクトロニクスの分野の大電力化に伴い、この固体電解コンデンサにおいても、より高い耐電圧が要望されている。本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、固体電解コンデンサの耐電圧を高める導電性高分子分散液の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本実施形態の導電性高分子分散液の製造方法は、ポリスチレンスルホン酸が存在する液中で、2-エチル-3,4-エチレンジオキシチオフェンを重合させる重合工程を含み、前記重合工程では、重合中の液温が30℃以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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