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公開番号
2025054807
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2023163962
出願日
2023-09-26
発明の名称
冷凍工程を有するパン類用製パン改良材、パン生地、及びパン類
出願人
株式会社ADEKA
代理人
弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類
A21D
2/18 20060101AFI20250331BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約
【課題】冷凍パン生地に用いた場合においては、ボリュームがあり、ソフトでパサつきのない良好な食感を有し、口どけが良好なパン類を得ることができる冷凍パン生地が得られ、また冷凍パン類に用いた場合においては、解凍や再加熱処理しても、ソフトでパサつきのない良好な食感を有し、口どけが良好な冷凍パン類が得られる、冷凍工程を有するパン類用製パン改良材を提供すること。
【解決手段】増粘剤と糖分解酵素とを含み、前記増粘剤として、下記増粘剤(A)及び増粘剤(B)を含む、冷凍工程を有するパン類用製パン改良材。製パン改良材に含まれる増粘剤中の増粘剤(A)の含有量が5.0~60.0質量%であり、増粘剤(B)の含有量が40.0~95.0質量%であることが好ましい。
増粘剤(A):キサンタンガム
増粘剤(B):タラガムとグアーガムとから選ばれる1種以上
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
増粘剤と糖分解酵素とを含み、
前記増粘剤が下記増粘剤(A)及び下記増粘剤(B)を含む、冷凍工程を有するパン類用製パン改良材。
増粘剤(A):キサンタンガム
増粘剤(B):タラガムとグアーガムとから選ばれる1種以上
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
製パン改良材に含まれる増粘剤中の増粘剤(A)の含有量が5.0~60.0質量%であり、増粘剤(B)の含有量が40.0~95.0質量%である、請求項1に記載の製パン改良材。
【請求項3】
増粘剤(B)がタラガムを含む、請求項1又は2に記載の製パン改良材。
【請求項4】
さらに油脂を30.0~99.9質量%含有する、請求項1又は2に記載の製パン改良材。
【請求項5】
水分が20質量%以下の油脂組成物である、請求項4に記載の製パン改良材。
【請求項6】
製パン改良材中の増粘剤の含有量が0.1~69.99質量%である、請求項5に記載の製パン改良材。
【請求項7】
増粘剤と糖分解酵素とを含み、
増粘剤が下記増粘剤(A)及び下記増粘剤(B)を含む、パン生地。
増粘剤(A):キサンタンガム
増粘剤(B):タラガムとグアーガムとから選ばれる1種以上
【請求項8】
増粘剤(A)、増粘剤(B)及び糖分解酵素を含む製パン改良材を含有する、請求項7に記載のパン生地。
【請求項9】
請求項7又は8記載のパン生地の加熱処理品であるパン類。
【請求項10】
下記増粘剤(A)及び下記増粘剤(B)を含む増粘剤と、糖分解酵素とをパン生地に添加する工程を含む、冷凍工程を有するパン類の改良方法。
増粘剤(A):キサンタンガム
増粘剤(B):タラガムとグアーガムとから選ばれる1種以上
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、製パン改良材、パン生地、及びパン類に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
パン類の製造においては、製造したパン生地を冷凍したり、成形後のパン生地を冷凍したりした、冷凍パン生地が用いられることがある。冷凍パン生地は、必要に応じて、解凍及び最終発酵(ホイロ工程)を行って得られたパン生地を加熱処理するのみでパン類を製造することができるため、省力化や製造時間の短縮などが可能であるという利点がある。
【0003】
しかし他方で、パン生地を冷凍すると、パン生地中のイーストやグルテン構造に障害が起こり、冷凍された冷凍パン生地を解凍・加熱処理することによって得られたパン類の品質が悪化する、特に体積に顕著な低下傾向や食感の悪化がみられるという課題があった。そしてこの課題はパン生地の冷凍期間が長くなるにつれて強まるため、安定した品質のパン類を得るためには、冷凍期間を一定範囲に抑制するなどの管理が必要であった。
【0004】
そこで、パン類の製造に冷凍パン生地を用いる代わりに、あるいはそれと並行して、パン生地を加熱処理して得られたパン類を冷凍したパン類(以下、単に「冷凍パン類」と記載する。)を用いることも行われている。冷凍パン類は、パン生地を加熱処理し、膨化させた後に冷凍しているため、冷凍パン生地を用いた場合と比較して、解凍・再加熱処理後のパン類の体積の低下は生じにくい。しかし、冷凍パン類は、冷凍前のパン類と比較すると、水分の減少や老化の進行などにより、パサついたりソフトさが失われて食感が低下したり、口どけが悪化したりするという課題があった。
【0005】
このような課題を解決するために、従前より乳化剤・増粘剤・酵素などを用いた様々な製パン改良材や組成物が検討されてきた。
例えば、乳化剤を用いた改良材として特許文献1には、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを上昇融点が特定温度範囲である固形油脂に包括した形で付着させたグルテンを配合することを特徴とする冷凍生地改良材が開示されている。
【0006】
増粘剤を用いた組成物を含むパン類として特許文献2には、α化澱粉と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ガム質から選ばれる1種以上の増粘剤とが用いられた焼成後冷凍パン類が開示されている。
【0007】
酵素を用いた改良材として特許文献3には、ヘミセルラーゼと、α-アミラーゼと、特定の乳化剤とを含有することを特徴とする冷凍積層パン生地用品質向上剤が開示されている。また、増粘剤と酵素とを含有する改良材として特許文献4には、特定の増粘多糖類の群から選択される1種以上の増粘多糖類と、グルコシルトランスフェラーゼと、穀粉発酵物とを含有することを特徴とする焼成冷凍パン類用品質改良材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平8-196199号公報
特開2019-198273号公報
特開2021-029118号公報
特開2022-068461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従前より検討されてきた特許文献1~4の発明には以下の課題があった。
特許文献1に記載の発明は、乳化剤を用いているために、得られるパン類の風味が悪化してしまうほか、冷凍パン類のパサつきなど、食感の低下を改善することはできなかった。
【0010】
特許文献2に記載の発明は、確かに冷凍パン類の食感の低下を改善することはできているが、増粘剤に加えてα化澱粉を用いているため、口どけが悪くなってしまうという課題があった。また、特許文献2に記載の発明は、冷凍パン類の食感が硬くなりやすく、食感の低下の改善効果にはまだ検討の余地があった。さらに、特許文献2には、同文献に記載の発明を冷凍パン生地に使用することは記載されておらず、冷凍パン生地を用いた場合に生じる、解凍・加熱処理時の体積低下という課題を改善することはできなかった。
(【0011】以降は省略されています)
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