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公開番号
2025062345
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-14
出願番号
2023171347
出願日
2023-10-02
発明の名称
カムクラッチ
出願人
株式会社椿本チエイン
代理人
個人
,
個人
主分類
F16D
41/08 20060101AFI20250407BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】簡単な構造で、動作モードの切り替えを小さな力で容易に行うことが可能なカムクラッチを提供すること。
【解決手段】同軸に相対回転可能に配置された内輪110及び外輪120の間に配置された複数のカム136を噛み合い方向に回転させるように付勢する第1付勢手段150と第1付勢手段150による付勢力と異なる大きさの付勢力で噛み合い解除方向に回転させるように付勢する第2付勢手段155を備え、切り替え手段170によって、第1付勢手段150及び第2付勢手段155のうち同一のカムに対する付勢力の大きい一方の付勢手段による付勢力を他方の付勢手段による付勢力より相対的に小さく変更することで、動作モードが切り替え可能に構成される。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
同軸に相対回転可能に配置された内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された複数のカムと、前記カムを噛み合い方向に回転させるように付勢する第1付勢手段と、前記カムを強制的に回転させて動作モードを切り替え可能に構成された切り替え手段を備えたカムクラッチであって、
前記カムを前記第1付勢手段による付勢力と異なる大きさの付勢力で噛み合い解除方向に回転させるように付勢する第2付勢手段を備え、
前記切り替え手段は、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段のうち同一のカムに対する付勢力の大きい一方の付勢手段による付勢力を他方の付勢手段による付勢力より相対的に小さく変更させることが可能に構成されたカム姿勢変更部を有することを特徴とするカムクラッチ。
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【請求項2】
すべてのカムの回転動作を連動させるカム連動部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のカムクラッチ。
【請求項3】
前記カムは、互いに噛み合い方向の異なる第1カム及び第2カムを含み、
前記カム連動部材は、前記第1カム及び前記第2カムのうちの一方のカムが噛み合い方向に回転したとき、他方のカムを噛み合い解除方向に回転させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のカムクラッチ。
【請求項4】
前記切り替え手段は、前記カム姿勢変更部が隣接するカム間に位置された状態で、軸方向に移動可能に設けられ、
前記カム姿勢変更部は、前記切り替え手段の軸方向への移動により前記第1付勢手段の前記カムに対する付勢力が変更可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカムクラッチ。
【請求項5】
前記第1付勢手段の付勢力が、同一のカムに対する前記第2付勢手段の付勢力より小さく、
前記カム姿勢変更部は、前記第1付勢手段を前記第2付勢手段の付勢力より大きな付勢力で付勢可能な状態に変更させることが可能となるよう構成されている請求項4に記載のカムクラッチ。
【請求項6】
前記第1付勢手段の付勢力が、同一のカムに対する前記第2付勢手段の付勢力より大きく、
前記カム姿勢変更部は、前記第1付勢手段を前記第2付勢手段の付勢力より小さな付勢力で付勢可能な状態もしくは前記カムに対する付勢力を解除する状態に変更させることが可能となるよう構成されている請求項4に記載のカムクラッチ。
【請求項7】
前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段の少なくとも一方が前記複数のカムの各々に共通のものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカムクラッチ。
【請求項8】
前記切り替え手段は、前記第1カムに対する前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段のうちの一方の付勢手段の付勢力を変更させる第1切り替え手段と、前記第2カムに対する前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段のうちの一方の付勢手段の付勢力を変更させる第2切り替え手段を含むことを特徴とする請求項3に記載のカムクラッチ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムクラッチに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
回転力の伝達と遮断を制御するクラッチのある種のものは、内輪及び外輪と、内輪と外輪との間に配置された係合子としての複数のカムと、カムを噛み合い方向に付勢する付勢手段を備えた構成とされており、例えば、カムを強制的に傾倒させることでクラッチの動作モードを変更可能となるよう構成された切り替え手段を備えた構成のものも知られている。
【0003】
例えば特許文献1または特許文献2には、係合子としての正転用スプラグ及び逆転用スプラグを、付勢手段によって噛み合い方向に付勢した状態で、内輪と外輪との間に配置し、切り替え手段を軸方向に移動させることで正転用スプラグ及び逆転用スプラグを噛み合い解除方向に傾倒させることが可能に構成されている。
これらの二方向クラッチにおいては、内輪または外輪に対するトルク入力により正転用スプラグ及び逆転用スプラグの一方が楔となって内輪及び外輪に食い込むことでトルク伝達を可能としている。一方、切り替え手段を軸方向に移動させて正転用スプラグ及び逆転をそれぞれ付勢手段による付勢力に抗って噛み合い解除方向に傾倒させることで、正逆両方向に空転させることが可能となっている。
また、一方向クラッチにおいても、切り替え手段を備えることで、正逆両方向に内輪及び外輪の相対回転を許容するフリーモードを実現することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-017851号公報
特開2008-121867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、切り替え手段を備えたクラッチにおいては、トルク伝達時においては、内輪及び外輪から受けるトルクにより、スプラグは強固に支持された状態となっている。そのため、切り替え手段によってスプラグを周方向に押圧して噛み合い解除方向に傾倒させるために、極めて大きな力が必要となり、トルク伝達中において切り替え手段を操作することは、スプラグや切り替え手段の破損につながるおそれがある。
【0006】
特に、正転方向及び逆転方向の両方向に駆動と空転が切り替え可能な二方向クラッチにおいては、トルクを内輪または外輪に負荷させてゆくと、スプラグと内輪及び外輪のそれぞれに弾性変形が生じ、結果として内輪と外輪に回転角度差(ワインドアップ)が生じ、負荷を除去するとワインドアップはゼロに戻ることになる。
正転用スプラグ及び逆転用スプラグの一方のスプラグが内輪及び外輪と噛み合うトルク伝達時にあっては、他方のスプラグは、外輪及び内輪と摺動しながら接触を続け、噛み合い待機の状態を維持している。このため、トルクが除荷されることで一方のスプラグが噛み合い解除方向に傾倒して空転状態に移行されることになるが、このとき、一方のスプラグの噛み合いが解除されるまでの間に、他方のスプラグが噛み合い方向に傾倒して外輪及び内輪に対し噛み合いを開始し、すべてのカムが同時に噛み合う「噛み込み」が生ずるおそれがある。
このように、上述の二方向クラッチにおいては、ワインドアップに伴う噛み込みが生ずることで、内輪または外輪の回転を止めてトルクを除去したとしても、すべてのスプラグが高い面圧をもって噛み合っているため、切り替え手段によってスプラグを周方向に押圧して噛み合い解除方向に傾倒させるためには、大きな力が必要となる、といった問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、簡単な構造で、動作モードの切り替えを小さな力で容易に行うことが可能なカムクラッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、同軸に相対回転可能に配置された内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された複数のカムと、前記カムを噛み合い方向に回転させるように付勢する第1付勢手段と、前記カムを強制的に回転させて動作モードを切り替え可能に構成された切り替え手段を備えたカムクラッチであって、前記カムを前記第1付勢手段による付勢力と異なる大きさの付勢力で噛み合い解除方向に回転させるように付勢する第2付勢手段を備え、前記切り替え手段は、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段のうち同一のカムに対する付勢力の大きい一方の付勢手段による付勢力を他方の付勢手段による付勢力より相対的に小さく変更させることが可能に構成されたカム姿勢変更部を有する構成とすることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本請求項1に係る発明によれば、カムを直接的に押圧して傾倒させるのではなく、同一のカムに対して作用させる第1付勢手段による噛み合い方向への付勢力と第2付勢手段による解除方向への付勢力の釣合状態を変更することで、ロックモードとフリーモードとの切り替えを行うことが可能である。このため、動作モードの切り替えに必要とされる力は、付勢手段を弾性的に変形させることが可能な程度の大きさでよく、簡単な構造で、動作モードの切り替えを小さな力で容易に行うことが可能である。また、動作モードの切り替えに際し内輪及び外輪の回転を停止させることなく、トルク伝達中であっても切り替え手段の操作を容易に行うことが可能となる。
【0010】
本請求項2に係る発明によれば、複数のカムの各々の回転動作にバラツキが生ずることがなく、安定した動作を実現することができる。
本請求項3に係る発明によれば、噛み合い方向の異なる第1カム及び第2カムの各々の回転動作を連動させることで、第1カム及び第2カムのうちのいずれか一方のカムの噛み方向への回転に伴って他方のカムを噛み合い解除方向に回転させることができるので、一方のカムが内輪及び外輪に対して噛み合っている時に、他方のカムは内輪または外輪から離間した状態を維持することができる。このため、噛み込みの発生を確実に防止することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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