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公開番号2025070586
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181030
出願日2023-10-20
発明の名称超電導回転電機用回転子および超電導回転電機
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類H02K 55/04 20060101AFI20250424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】超電導特性の劣化防止と磁場発生効率の向上を図り、超電導回転電機の信頼性を高める。
【解決手段】超電導回転電機用回転子1は、回転電機の回転子1の軸となるコイルシャフト2と、コイルシャフト2の外周面に保持され、テープ形状の超電導線材を巻回した界磁巻線用のパンケーキコイル3と、パンケーキコイル3とコイルシャフト2との間に配置され、それぞれに接着されているスペーサ4とを備え、スペーサ4の、パンケーキコイル3の巻回軸方向の寸法T1～T4が、パンケーキコイル3の巻線内周側よりもパンケーキコイル3の巻線外周側のほうが大きくなるように構成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
回転電機の回転子の軸となるコイルシャフトと、
前記コイルシャフトの外周面に保持され、テープ形状の超電導線材を巻回した界磁巻線用のパンケーキコイルと、
前記パンケーキコイルと前記コイルシャフトとの間に配置され、それぞれに接着されているスペーサと、
を備え、
前記スペーサの、前記パンケーキコイルの巻回軸方向の寸法が、前記パンケーキコイルの巻線内周側よりも前記パンケーキコイルの巻線外周側のほうが大きくなるように構成されている、
超電導回転電機用回転子。
続きを表示（約 1,100 文字）【請求項２】
冷却されて熱収縮した前記スペーサが、前記コイルシャフトを軸とした回転により生じる遠心力に抗する応力を前記パンケーキコイルに付与する、
請求項１に記載の超電導回転電機用回転子。
【請求項３】
前記コイルシャフトの前記外周面から前記パンケーキコイルの裏面までの離間幅が、前記パンケーキコイルの前記巻線内周側よりも前記巻線外周側のほうが大きくなるように、前記コイルシャフトの前記外周面の少なくとも一部の形状が湾曲または傾斜されている、
請求項１または請求項２に記載の超電導回転電機用回転子。
【請求項４】
前記スペーサが、線膨張率の異方性を有する材料で形成され、かつ回転子周方向および回転子軸方向の線膨張率よりも前記巻回軸方向の線膨張率のほうが高くなるように構成されている、
請求項１または請求項２に記載の超電導回転電機用回転子。
【請求項５】
前記パンケーキコイルが、直線部と円弧部とを含む長円形を成し、
前記パンケーキコイルの前記直線部における前記スペーサの前記巻回軸方向の寸法が、前記パンケーキコイルの前記巻線内周側よりも前記巻線外周側のほうが大きくなるように構成されている、
請求項１または請求項２に記載の超電導回転電機用回転子。
【請求項６】
前記パンケーキコイルが、直線部と円弧部とを含む長円形を成し、
前記パンケーキコイルの前記円弧部における前記スペーサの前記巻回軸方向の寸法が、前記パンケーキコイルの前記巻線内周側よりも前記巻線外周側のほうが大きくなるように構成されている、
請求項１または請求項２に記載の超電導回転電機用回転子。
【請求項７】
前記パンケーキコイルが、直線部と円弧部とを含む長円形を成し、
前記スペーサの前記巻回軸方向の寸法が、前記パンケーキコイルの前記直線部の少なくとも一部よりも前記円弧部の少なくとも一部のほうが大きくなるように構成されている、
請求項１または請求項２に記載の超電導回転電機用回転子。
【請求項８】
前記パンケーキコイルが、直線部と円弧部とを含む長円形を成し、
前記円弧部における前記パンケーキコイルの表面に接触し、前記コイルシャフトに固定され、かつ前記パンケーキコイルを固定する固定部材を備える、
請求項１または請求項２に記載の超電導回転電機用回転子。
【請求項９】
請求項１または請求項２に記載の超電導回転電機用回転子を用いて構成される、
超電導回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明の実施形態は、超電導回転電機用回転子および超電導回転電機に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
テープ形状のＲＥ系高温超電導線材を長円形（直線部とこの直線部に繋がる円弧部とから成る形状）に巻き回して界磁巻線用のコイルとした回転電機がある。この回転電機の運転時において、コイルは遠心力を受ける。コイルは回転子の軸となるコイルシャフトに固定されているが、このときにコイルの巻線内周側をコイルシャフトのポールピースとの取り合いに使う場合、遠心力によってコイルの巻線外周側が径方向外側に変形しようとする。これによりコイルの巻線部のターン間には、せん断方向の応力が加わり、超電導線材における超電導層の剥離、それによる超電導特性の劣化のリスクがある。一方で、界磁子断面の径方向外側に、コイルの変形を抑制するための部品を配置すると、コイルとその外側の電機子との距離が広がってしまい、磁場発生効率を低下させてしまう。そこで、超電導特性の劣化の回避および磁場発生効率の観点で、界磁子断面の径方向外側に何らかの部品を配置せずに、遠心力によるコイルの変形を抑制することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特許第５４７１２８５号公報
米国特許第１１３０３１９４号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前述のように、回転電機の回転子の巻線にＲＥ系高温超電導線材を使用するとき、運転時の遠心力によってコイルの巻線内周側よりも巻線外周側が、回転子径方向の外側に大きく変形することで超電導特性の劣化を生じ易いという課題がある。また、遠心力によるコイルの変形を抑制するための何らかの部品をコイルよりも外側に配置してしまうと、磁場発生効率が低下してしまうという課題がある。
【０００５】
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、超電導特性の劣化防止と磁場発生効率の向上を図り、超電導回転電機の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の実施形態に係る超電導回転電機用回転子は、回転電機の回転子の軸となるコイルシャフトと、前記コイルシャフトの外周面に保持され、テープ形状の超電導線材を巻回した界磁巻線用のパンケーキコイルと、前記パンケーキコイルと前記コイルシャフトとの間に配置され、それぞれに接着されているスペーサと、を備え、前記スペーサの、前記パンケーキコイルの巻回軸方向の寸法が、前記パンケーキコイルの巻線内周側よりも前記パンケーキコイルの巻線外周側のほうが大きくなるように構成されている。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の実施形態により、超電導特性の劣化防止と磁場発生効率の向上を図り、超電導回転電機の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
第１実施形態の回転子を示す斜視図。
図１の回転子を回転軸に垂直な面で輪切りにした状態を示す斜視断面図。
回転軸に垂直な面で輪切りにした回転子を示す断面図。
図３の一部を拡大したスペーサを示す拡大断面図。
回転軸に沿って切断した回転子を示す側面視の断面図。
図５の一部を拡大したスペーサを示す拡大断面図。
スペーサを示す平面図。
図７のVIII－VIII断面に対応するスペーサを示す断面図。
第２実施形態の回転子を示す斜視図。
第３実施形態の回転子を回転軸に沿って切断した状態を示す斜視断面図。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
（第１実施形態）
以下、図面を参照しながら、超電導回転電機用回転子および超電導回転電機の実施形態について詳細に説明する。まず、第１実施形態について図１から図８を用いて説明する。
【００１０】
図１の符号１は、第１実施形態の超電導回転電機用回転子である。この回転子１は、超電導回転電機（図示略）に用いられる。回転子１を用いて構成される超電導回転電機は、例えば、超電導状態となる運転温度に冷却され、かつ動作する電動機（モータ）および発電機などの機器を含む。
（【００１１】以降は省略されています）

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