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公開番号2025070871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181460
出願日2023-10-20
発明の名称藻場増殖礁構造体及び藻場造成方法
出願人住友大阪セメント株式会社
代理人個人,個人
主分類A01K 61/73 20170101AFI20250424BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】藻類の成長に必要な栄養塩を有効に供給して藻類の成長を有効に促進することができるとともに、ブルーカーボンを有効に貯留してカーボンニュートラルの実現に寄与可能な藻場増殖礁構造体及び該増殖礁構造体を用いた藻場造成方法を提供する。
【解決手段】モルタル又はコンクリートと、人工炭酸カルシウムと、藻類の栄養塩を含有する粒子を含んで構成されるプレート台座体であって、粒子が、少なくとも台座体表面に散在しているプレート台座体と、プレート台座体上に積載されている、海水生分解性樹脂及び人工炭酸カルシウムから構成される種子取付プレート体と、プレート台座体上に積載されている、モルタル又はコンクリートと、人工炭酸カルシウムと、藻類の栄養塩を含有する粒子を含んで構成される藻類着生プレート体とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
モルタル又はコンクリートと、人工炭酸カルシウムと、藻類の栄養塩を含有する粒子を含んで構成されるプレート台座体であって、前記粒子が、少なくとも該台座体表面に散在しているプレート台座体と、
該プレート台座体上に積載されている、海水生分解性樹脂及び人工炭酸カルシウムから構成される種子取付プレート体と、
前記プレート台座体上に積載されている、モルタル又はコンクリートと、人工炭酸カルシウムと、藻類の栄養塩を含有する粒子を含んで構成される藻類着生プレート体であって、該着生プレート体は、少なくとも前記プレート台座体と面していない面の表面が凹凸状表面を呈しており、前記粒子が、少なくとも前記プレート台座体と面していない面の表面に散在している藻類着生プレート体と、
を備えることを特徴とする、藻場増殖礁構造体。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1記載の藻場増殖礁構造体において、該種子取付プレート体は、藻類の種子を含む種糸を取り付けるための突起を複数有することを特徴とする、藻場増殖礁構造体。
【請求項3】
請求項1又は2記載の藻場増殖礁構造体において、人工炭酸カルシウムは、廃棄物中のカルシウムと排ガス中の二酸化炭素の合成由来であることを特徴とする、藻場増殖礁構造体。
【請求項4】
請求項1又は2記載の藻場増殖礁構造体において、更に、上記プレート台座体上であって且つ上記種子取付プレート体との間に、モルタル又はコンクリートと、人工炭酸カルシウムと、藻類の栄養塩を含有する粒子とを含んで構成されるベースプレート体を備え、前記粒子は、少なくとも該ベースプレート体表面に散在していることを特徴とする、藻場増殖礁構造体。
【請求項5】
請求項4記載の藻場増殖礁構造体において、ベースプレート体と種子取付プレート体との間に間隙が設けられていることを特徴とする、藻場増殖礁構造体。
【請求項6】
請求項1又は2記載の藻場増殖礁構造体を海水中に設置し、プレート台座体及び藻類着生プレート体に含有される、藻類の栄養塩を含む粒子より溶出する藻類の栄養塩を利用して、種子取付プレート体に設置した、海藻の種子を含む種糸から海藻を発芽生育させ、
該生育した藻類から種子が放出されて、少なくとも藻類着生プレート体の凹凸表面に該種子が着生し、
前記プレート台座体及び藻類着生プレート体に含有される前記粒子より溶出する藻類の栄養塩を利用して、藻類着生プレート体上で海藻が生育するとともに、前記種子取付プレート体である海水生分解性樹脂は、経時的に海水中で生分解され、
藻類着生プレート体上で生育した海藻から放出される種子が、前記プレート台座体及び/又は藻場増殖礁構造体の周囲の海底に着種して、プレート台座体及び藻類着生プレート体に含有される前記粒子より溶出する、藻類の栄養塩を利用して藻類が生育する藻場を造成することを特徴とする、藻場造成方法。
【請求項7】
請求項4記載の藻場増殖礁構造体を海水中に設置し、前記プレート台座体、藻類着生プレート体及びベースプレート体に含有される、藻類の栄養塩を含む粒子より溶出する藻類の栄養塩を利用して、種子取付プレート体に設置した、海藻の種子を備える種糸から海藻を発芽生育させ、
該生育した海藻から種子が放出されて、少なくとも藻類着生プレート体の凹凸表面に該種子が着生し、
前記プレート台座体、ベースプレート体及び藻類着生プレート体に含有される前記粒子より溶出する藻類の栄養塩を利用して、藻類着生プレート体上で藻類が生育するとともに、前記種子取付プレート体である海水生分解性樹脂は、経時的に海水中で生分解され、
藻類着生プレート体上で生育した海藻から放出される種子が、前記プレート台座体及び/又はベースプレート体及び/又は藻場増殖礁構造体の周囲の海底に着種して、プレート台座体、藻類着生プレート体及びベースプレート体に含有される前記粒子より溶出する藻類の栄養塩を利用して、藻類が生育する藻場を造成することを特徴とする、藻場造成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、藻場増殖礁構造体及び藻場造成方法に関し、特に、藻類の生育が有効に促進され、二酸化炭素吸収源(ブルーカーボン)として貢献できる藻場を構築する、藻場増殖礁構造体及び藻場造成方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、気候変動に伴う海水温の上昇等の影響により、従来の海藻類の藻場が縮小するとともに、ウニ等の食害によるいわゆる「磯焼け」海域が拡大している。
かかる「磯焼け」が拡大することにより、維持されてきた生物多様性が喪失されるほか、生態系へのダメージによる漁獲高の減少等、漁業への影響が問題となっている。
また、海水温上昇による藻場縮小の原因としては、主に、藻類の栄養塩の濃度の低下や、魚類等食害活動の活発化が例示される。
【0003】
このような現状に鑑み、周辺海域の藻場再生のための核藻場の形成をするために、藻場増殖礁が使用されて、藻場の形成に利用されてきた。
従来の藻場増殖礁の基本的な構成は、コンクリート等の台座に、海藻類の種子(遊走子、受精卵)を発芽、着生、生育させる増殖プレートを配置し、魚類等による食害対策としてネットで囲ったものが適用されている。
【0004】
従来の藻場造成礁として、例えば特開2015-167524号公報(特許文献1)には、海藻の着生を促す複数の着生ブロックを有する着生部と、前記着生部を囲繞するようにして収容するかご部とを備え、前記着生部は、直方体形状に形成され、好ましくはポーラスコンクリートブロックであり、前記かご部は、前記着生部と相補的形状の内法形状を有する直方体形状に形成され、更にかご部の少なくとも1の面に、海底に定着させるための複数の突起を有している、藻場造成礁が開示されている。
【0005】
また、特開2016-19469号公報(特許文献2)には、藻類の種苗を板状の取付部材の一面側に配置し、線条体を、前記種苗が前記取付部材と前記線条体との間に配置されるべく前記取付部材に取り付けて前記種苗を前記取付部材に固定し、前記取付部材は、一面側から突出する複数の突出部を備えており、前記線条体を、複数の前記突出部の間に掛け渡して前記取付部材に取り付けられ、前記種苗が固定された前記取付部材を、コンクリートブロックに取り付けて、藻場を形成すべき所定位置に設置する藻場の形成方法が開示されている。具体的には、種子を発芽させるプレートは着脱式となっており、プレート上の突起に海藻類の種子を植え付けた種糸を巻き付けられる構造となっており、種糸を巻き付けたプレートを海面より吊り下げて発芽させた後に、増殖礁に移設して核藻場を形成させるものであり、核藻場は藻場再生の基点として、藻場増殖礁の周りの海域に種子が供給され、着脱式プレートの材質は吊り下げや移設の利便性を考慮して、軽量なプラスチックと無機粉末を混合したものとなっている。
【0006】
特開2022-110170号公報(特許文献3)には、海底に沈設されて魚礁又は藻場礁を形成するための海洋沈設構造体の製造方法であって、魚貝類の繁殖及び生育を促進する機能を有する本体部を製作し、該本体部を底型枠上に載置し、載置された前記本体部を囲むように円筒状に金網を立設し、前記本体部の下部を埋め込むように、前記金網内に未硬化のコンクリートを打設してコンクリートからなる基版を形成するものとし、打設した前記コンクリートは、金網の網目から未硬化のコンクリートに含まれる骨材粒の一部が突き出した状態、又は未硬化のコンクリートのモルタル成分が前記金網の網目から流れ出した状態で硬化させることを特徴とする海洋沈設構造体の製造方法が開示されている。
【0007】
また近年は、二酸化炭素等の温室効果ガスを低減させたカーボンニュートラルへの取組みが注目され、温室効果ガス排出量の削減や吸収作用の強化が必要とされており、特に藻場は光合成による二酸化炭素吸収源(ブルーカーボン)として位置づけられ、藻場の再生は気候変動対策上も重要な課題として捉えられている。
【0008】
かかる環境保護の点に鑑みて、特開2023-110190号公報(特許文献4)には、浚渫土と固化材とを混合し、500kN/m

以上、9800kN/m

以下の材令28日強度を発現する基盤材料が水中に投入されて設置され、次式から求められる空隙率が最大で20%である海藻の着生基盤である海藻の着生基盤が開示されている。
空隙率%=(1-前記基盤材料の投入量m

/前記基盤材料による体積m

)×100
【0009】
しかし、気候変動による海水温上昇により、植物プランクトンの増殖や海水表層の栄養塩欠乏に加えて、温度の高い表層海水と低い深層海水の対流抑制のため、栄養塩濃度の高い、深層から表層への栄養塩循環も減少することが影響しているとみられているが、従来の藻場用増殖礁では、環境負荷を低減しつつ、藻類の生育に必要な栄養塩を効率よく補給して藻類の成長を促進することは十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2015-167524号公報
特開2016-19469号公報
特開2022-110170号公報
特開2023-110190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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