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公開番号2025075497
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186713
出願日2023-10-31
発明の名称POPs含有水の処理方法
出願人前田建設工業株式会社
代理人弁理士法人はるか国際特許事務所
主分類C02F 1/24 20230101AFI20250508BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】泥粒子を含む要処理水から難分解性、低反応性、界面活性を有するPOPsを分離し除去する実用的かつ簡便な方法を提供すること。
【解決手段】マイクロバブル、ナノバブル又はその両方を添加された、POPs及び泥粒を含有する要処理水を分離槽に貯留する工程と、前記分離槽の下部より気泡を導入し、前記POPsを、前記マイクロバブル、ナノバブル又はその両方の表面(気液界面)に吸着させて気泡を浮上させ、前記泥粒と分離する工程と、前記分離槽中の前記要処理水の水面に浮上した泡を回収する工程と、前記分離槽中の前記泥粒を回収する工程と、を有するPOPs含有水の処理方法。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
マイクロバブル、ナノバブル又はその両方を添加された、POPs及び泥粒を含有する要処理水を分離槽に貯留する工程と、
前記分離槽の下部より気泡を導入し、前記POPsを、前記マイクロバブル、ナノバブル又はその両方の表面(気液界面)に吸着させて気泡を浮上させ、前記泥粒と分離する工程と、
前記分離槽中の前記要処理水の水面に浮上した泡を回収する工程と、
前記分離槽中の前記泥粒を回収する工程と、
を有するPOPs含有水の処理方法。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
要処理土を解泥し礫を分離する工程と、
礫分離後の前記要処理土に含まれる砂に付着した泥粒を剥離する工程と、
前記要処理土から前記砂を分離して前記要処理水を得る工程と、
前記泥粒を剥離する工程において使用される水にナノバブルを添加する工程と、
を有する請求項1に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項3】
要処理土を解泥し礫を分離する工程と、
礫分離後の前記要処理土に含まれる砂に付着した泥粒を剥離する工程と、
前記要処理土から前記砂を分離して前記要処理水を得る工程と、
前記要処理水にマイクロバブル、ナノバブル又はその両方を添加する工程と、
を有する請求項1に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項4】
前記泥粒と分離する工程において、前記分離槽内の前記要処理水に超音波を作用させる、
請求項1~3のいずれか1項に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項5】
前記泥粒と分離する工程において、前記分離槽内の前記要処理水にpH調整剤を添加し、前記要処理水を酸性とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項6】
前記泥粒と分離する工程において、前記分離槽内の前記要処理水にゼータ電位が正となるバブル吸着物質を添加する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項7】
前記要処理水中の前記泥粒に含まれる有機物を分解する工程を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項8】
前記要処理水に塩を添加する工程を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項9】
前記塩は、塩化物、炭酸塩、硫酸塩及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1以上の物質である、
請求項8に記載のPOPs含有水の処理方法。
【請求項10】
前記要処理水に界面活性剤を添加する工程を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のPOPs含有水の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、POPs含有水の処理方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
環境中に放出されたPOPs(残留性有機汚染物質)と称される化合物群が土壌や地下水に残留することによる汚染の問題が関心を集めている。多くの化合物がPOPsとしてふるまう可能性が指摘されているが、その中で近年特に注目されているものとして、PFAS(ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物)と称される一群の有機フッ素化合物がある。
【0003】
PFASは、難分解性であり長期にわたり残留するため環境問題を引き起こす原因物質であると指摘されており、環境中に放出され、土壌中或いは地下水中に残留するものを除去する要請がある。しかしながら、PFASは難分解性であるため、微生物や、物理・化学反応を利用した分解処理が適用できないこと、物質の界面に吸着する性質を有することから、土壌或いは地下水から効率よく除去することが困難である。また、粒径の細かい泥粒子は、粒径の大きな礫や砂に比較して表面積が大きいため、PFASが吸着する量が多くなり、泥粒子を含む要処理水からPFASを分離し除くことは難しい。
【0004】
特許文献1には、有機フッ素化合物を含有する被処理水を導入した処理水槽内に複数台のナノバブル発生機を設け、オゾンナノバブルを発生させることにより、被処理水中の有機フッ素化合物を分解処理する水処理装置及び水処理方法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、汚染土壌Gに原位置浄化井戸である貯留手段10を設置し、井戸内に流入する被処理水Wに送気管により空気を送り込み、気泡を発生させ、界面活性剤である被処理水W中のPFASを上昇する泡沫の界面に濃縮して回収する泡沫分離処理装置が記載されている。
【0006】
特許文献3には、PFOS及びPFOA類縁化合物の少なくともいずれかを含む汚染物質による汚染土壌を清浄砂礫と汚染泥に分離した後、汚染泥に吸着剤を混合し、その後汚染泥中の細粒と吸着剤を分離する汚染泥の湿式清浄方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2009-255011号公報
特開2023-50657号公報
特開2021-146326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、泥粒子を含む要処理水からPFASを含む、PFAS類似の化学的性質、すなわち、難分解性、低反応性、界面活性を有するPOPsを分離し除去する実用的かつ簡便な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下のとおりである。
【0010】
(1)マイクロバブル、ナノバブル又はその両方を添加された、POPs及び泥粒を含有する要処理水を分離槽に貯留する工程と、前記分離槽の下部より気泡を導入し、前記POPsを、前記マイクロバブル、ナノバブル又はその両方の表面(気液界面)に吸着させて気泡を浮上させ、前記泥粒と分離する工程と、前記分離槽中の前記要処理水の水面に浮上した泡を回収する工程と、前記分離槽中に沈降した前記泥粒を回収する工程と、を有するPOPs含有水の処理方法。
(【0011】以降は省略されています)

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