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公開番号2025075773
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187172
出願日2023-10-31
発明の名称圧電性酸化物単結晶基板の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/30 20060101AFI20250508BHJP(結晶成長)
要約【課題】ラッピング加工に替えて、平面研削加工により実施することが可能であり、かつ、単結晶基板の反りを従来法よりも低減かつ安定させることができる圧電性酸化物単結晶基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】圧電性酸化物単結晶基板の製造方法は、圧電性酸化物単結晶のインゴットをスライス加工して薄板状の単結晶薄板にするスライス工程と、前記スライス工程で作製された前記単結晶薄板の表裏面を平面研削加工する平面研削工程と、前記平面研削加工が施された前記単結晶薄板の表面の片面または両面を鏡面加工するポリッシュ工程とを含み、前記平面研削工程は、前記単結晶薄板の反りの方向を確認し、該単結晶薄板の凸側面を平面研削する第1の平面研削工程と、前記第1の平面研削工程の後に、該単結晶薄板の前記凸側面と反対の面を平面研削する第2の平面研削工程を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
圧電性酸化物単結晶基板の製造方法であって、
圧電性酸化物単結晶のインゴットをスライス加工して薄板状の単結晶薄板にするスライス工程と、
前記スライス工程で作製された前記単結晶薄板の表裏面を平面研削加工する平面研削工程と、
前記平面研削加工が施された前記単結晶薄板の表面の片面または両面を鏡面加工するポリッシュ工程とを含み、
前記平面研削工程は、前記単結晶薄板の反りの方向を確認し、該単結晶薄板の凸側面を平面研削する第1の平面研削工程と、前記第1の平面研削工程の後に、該単結晶薄板の前記凸側面と反対の面を平面研削する第2の平面研削工程を備える、圧電性酸化物単結晶基板の製造方法。
続きを表示(約 81 文字)【請求項2】
前記圧電性酸化物単結晶は、タンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶である請求項1記載の圧電性酸化物単結晶基板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電性酸化物単結晶基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
強誘電体であり圧電性を有するタンタル酸リチウム(LiTaO

:以下、LTと略称する)やニオブ酸リチウム(LiNbO

:以下、LNと略称する)単結晶を用いて製造された圧電性酸化物単結晶基板(単に単結晶基板と呼ぶこともある)は、主に携帯電話等の通信機器の送受信用デバイスに用いられる表面弾性波(SAW;弾性表面波ともいう)フィルタの材料として使用されている。
【0003】
上記LT単結晶又はLN単結晶は、産業的には、主にチョクラルスキー法によって、育成される。例えば、LT単結晶は、酸素濃度が数%~20%の窒素-酸素混合ガス雰囲気の電気炉中で育成されており、通常、高融点のイリジウム坩堝が用いられ、育成されたLT単結晶は電気炉内で所定の冷却速度で冷却された後、電気炉から取り出して得られている。
【0004】
育成されたLT単結晶は、無色透明若しくは透明度の高い淡黄色を呈している。育成後の単結晶は、結晶の熱応力による残留歪を取り除くため、融点に近い均熱下で熱処理を行い、更に単一分極とするためのポーリング処理、すなわち、LT結晶を室温からキュリー温度以上の所定温度まで昇温し、結晶に電圧を印加し、電圧を印加したままキュリー温度以下の所定温度まで降温した後、電圧印加を停止して室温まで冷却する一連の処理を行う。ポーリング処理後、結晶の外径を整えるために外周研削されたLT単結晶(インゴットと称する)は、例えば、スライス加工、ラッピング加工、平面研削加工、ポリッシュ加工などの機械加工を経て単結晶基板となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平9-115864公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したLT単結晶インゴットから単結晶基板を製造する製造工程のうち、ラッピング工程(ラッピング加工)は、ラッピング装置を用い、上定盤と下定盤との間に挟まれたキャリアに単結晶基板を装着し、上定盤及び下定盤の回転及び加圧により、上定盤と下定盤との間において遊離砥粒により研磨する加工である。ラッピング加工は、複数の単結晶基板を両面同時に加工することが可能で生産性は良い。しかしながら、ラッピング加工は基本的にはバッチ式での加工であるため、単結晶基板の取り付け、取り外しに多くの人員を要する工程である。また、ラッピング加工では、品質的には、単結晶基板は薄板であり、加圧して加工を行うため単結晶基板への負荷が大きく、ラッピング加工時に単結晶基板が割れてしまう問題がある。更に、ラッピング加工による加工面は、梨地状態の加工面しか得られないため、その後のポリッシング加工量が多くなり作業効率が悪い。梨地状態の加工面を除去するため、ラッピング加工後に平面研削加工を実施することも可能であるが、この場合は2重で研削をするためウエハの加工による取り代が大きくなる問題がある。
【0007】
そこで、上記特許文献1には、GaAsウエハの研磨方法ではあるが、ラッピング加工に替えて、平面研削機による研削加工を片面づつ両面加工する方法が記載されている。
【0008】
しかしながら、ラッピング工程に替えて、平面研削機による研削加工を片面づつ研削した単結晶基板を作製したところ、基板の反りが安定しないことが判った。
【0009】
そこで、本発明は、ラッピング加工に替えて、平面研削加工により実施することが可能であり、かつ、単結晶基板の反りを従来法よりも低減かつ安定させることができる圧電性酸化物単結晶基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様によれば、圧電性酸化物単結晶のインゴットをスライス加工して薄板状の単結晶薄板にするスライス工程と、前記スライス工程で作製された前記単結晶薄板の表裏面を平面研削加工する平面研削工程と、前記平面研削加工が施された前記単結晶薄板の表面の片面または両面を鏡面加工するポリッシュ工程とを含み、前記平面研削工程は、前記単結晶薄板の反りの方向を確認し、該単結晶薄板の凸側面を平面研削する第1の平面研削工程と、前記第1の平面研削工程の後に、該単結晶薄板の前記凸側面と反対の面を平面研削する第2の平面研削工程を備える、圧電性酸化物単結晶基板の製造方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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