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公開番号
2025085965
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-06
出願番号
2023199693
出願日
2023-11-27
発明の名称
歯科医療用部材とその製造方法
出願人
国立大学法人東京科学大学
,
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
A61K
6/818 20200101AFI20250530BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】接着力に優れた歯科医療用部材とその製造方法を提供すること。
【解決手段】ジルコニア(Zr)材料を基体とし、前記基体が、シリコン(Si)イオンまたはリン(P)イオンが注入されたイオン注入領域を有し、表面から深さ20nm以内のイオン注入量が、2×10
12
個/cm
2
以上である歯科医療用部材、および、ジルコニア(Zr)材料からなる基体に対して、シリコン(Si)イオンまたはリン(P)イオンを注入してイオン注入領域を形成する工程を有し、表面から深さ20nm以内のイオン注入量が、2×10
12
個/cm
2
以上である歯科医療用部材の製造方法。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
ジルコニア(Zr)材料を基体とし、
前記基体が、シリコン(Si)イオンまたはリン(P)イオンが注入されたイオン注入領域を有し、
表面から深さ20nm以内のイオン注入量が、2×10
12
個/cm
2
以上であることを特徴とする歯科医療用部材。
続きを表示(約 160 文字)
【請求項2】
ジルコニア(Zr)材料からなる基体に対して、シリコン(Si)イオンまたはリン(P)イオンを注入してイオン注入領域を形成する工程を有し、
表面から深さ20nm以内のイオン注入量が、2×10
12
個/cm
2
以上であることを特徴とする歯科医療用部材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科医療用部材とその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
歯科のう蝕(むし歯)治療において、う蝕部分を除去(切削)した後に人工材料を用いて歯冠修復を行い、咬合機能を回復させることが行われている。従来、いわゆる銀歯と呼ばれる銀を主体とする合金の金属材料が用いられているが、金属アレルギーのリスクがあること、審美的に劣ることから、メタルフリー部材への転換が図られている。
メタルフリー部材としては、コンポジットレジンとジルコニアが実用化されている。コンポジットレジンは、接着強度は十分であるが機械的強度はジルコニアに劣り、また着色しやすいという問題がある。一方、ジルコニアは、機械的特性に優れ、着色しにくく審美性にも優れているが、接着強度に劣るという問題がある。
【0003】
歯科医療に用いるジルコニア材料は、歯科病院または歯科技工所で製造される。ジルコニア材料からなる歯科医療用部材は、接着力向上のために表面を粗面化してアンカー効果を高めるブラスト法などが行われているが、これは歯科医師の指示内容や歯科技工士の技量等によるバラツキが大きいという問題がある。
歯科医療用ではないが、医療用材料の研究として、人工股関節全置換術における表面処理に関する報告にて、イオン注入も含めていくつかの手法が報告されている(非特許文献1)。
また、歯科領域においては、インプラント体のチタン表面に対するイオン注入に関する報告がいくつか挙げられている(非特許文献2~4等)。国内からはセラミックス材へのフッ素イオン注入による表面改質の報告などが報告されている(非特許文献5)。一方ジルコニアに対する研究として、Arイオン照射によるジルコニア多形体の構造的特性に関する報告があるものの、臨床と結びつく報告は未だ少ない(非特許文献6)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Lappalainen R et al.,“Potential of Coatings in Total Hip Replacement.”,Clinical Orthopaedics and Related Research,430:p72-79,2005.
Nayab S N et al.,“Effects of calcium ion-implantation of titanium on bone cell function in vitro”,Journal of Biomedical Materrials Reserch PartA.,2007,83(2):296-302
Jin G et al.,“Synergistic effects of dual Zn/Ag ion implantation in osteogenic activity and antibacterial ability of titanium”,Biomaterials.35,27,2014,7699-7713
Lampe I et al.,“Investigation of silver nanoparticles on titanium surface created by ion implantation technology”,International Journal of Nanomedicine,2019;14:4709-4721.
Y. Teranishi et al.,“Glass carbon surface modified by the fluorine ion irradiation”,Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B,No.272,p.458-461(2012)
Kurpaska L et al.,“Influence of Ar-ion implantation on the structural and mechanical properties of zirconia as studied by Raman spectroscopy and nanoindentation techniques”,Spectrochim Acta Part A:Molecular and Biomolecular Spectrosc,195,15,184-190,2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接着力に優れた歯科医療用部材とその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は以下のとおりである。
1.ジルコニア(Zr)材料を基体とし、
前記基体が、シリコン(Si)イオンまたはリン(P)イオンが注入されたイオン注入領域を有し、
表面から深さ20nm以内のイオン注入量が、2×10
12
個/cm
2
以上であることを特徴とする歯科医療用部材。
2.ジルコニア(Zr)材料からなる基体に対して、シリコン(Si)イオンまたはリン(P)イオンを注入してイオン注入領域を形成する工程を有し、
表面から深さ20nm以内のイオン注入量が、2×10
12
個/cm
2
以上であることを特徴とする歯科医療用部材の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の歯科医療用部材は、接着力に優れている。本発明の歯科医療用部材は、イオン注入法という再現性に優れた手法を用いるため、作業者の手腕に依るところが小さく、所望の接着力を安定して発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
加速電圧100keVである実験1におけるシリコンイオン注入後のジルコニア基体の外観を示す画像。
実験1におけるシリコンイオン注入面の引張強度のイオン注入量の依存性を示すグラフ。
実験1におけるシリコンイオン注入面の表面粗さのイオン注入量の依存性を示すグラフ。
実験1におけるシリコンイオン注入面の接触角のイオン注入量の依存性を示すグラフ。
実験1で調製したサンプルのイオン注入なし(blank)とSiイオン注入量1×10
15
個/cm
2
の領域(c)との境界部分における、TOF-SIMS測定による水酸基の存在比を示す画像。
実験1と、加速電圧50keVである実験2におけるシリコンイオン注入面の引張強度のイオン注入量の依存性を示すグラフ。
加速電圧50keVと100keVとにおけるSiイオンの深さ方向分布のシミュレーション結果を示すグラフ。
実験1、2のSiイオン注入量1×10
13
個/cm
2
、1×10
14
個/cm
2
、1×10
15
個/cm
2
における、表面から深さ20nmまでのSiイオン存在量(累積存在量)を示すグラフ。
実験3におけるリンイオン注入後のジルコニア基体の外観を示す画像。
【発明を実施するための形態】
【0009】
・歯科医療用部材
本発明の歯科医療用部材は、ジルコニア(Zr)材料を基体とし、
この基体が、シリコン(Si)イオンまたはリン(P)イオンが注入されたイオン注入領域を有し、
表面から深さ20nm以内のイオン注入量が、2×10
12
個/cm
2
以上である。
【0010】
・基体
本発明の歯科医療用部材で用いる基体は、ジルコニア材料からなる。ジルコニア材料は、ジルコニアを主体とするものであればよく、酸化シリコン(SiO
2
)、酸化アルミニウム(Al
2
O
3
)、酸化イットリウム(Y
2
O
3
)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO
2
)、酸化ランタン(La
2
O
3
)等を含むこともでき、また、Y、3Y-HA、4Y、5Y、6Yと呼ばれる歯科用ジルコニア材料を用いることもできる。ジルコニア材料は、ジルコニア(ZrO
2
)を、例えば80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上含むことができる。
(【0011】以降は省略されています)
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