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公開番号
2025086647
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-09
出願番号
2023200767
出願日
2023-11-28
発明の名称
プライマー層形成用組成物
出願人
堺化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C09D
175/04 20060101AFI20250602BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】透明性が高く、かつ、高屈折率であるプライマー層を形成することができる組成物を提供する。
【解決手段】 ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)と水系ウレタン樹脂(B)とを含むプライマー層形成用組成物であって、該ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1~20nmであり、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の30質量%水分散液のpHが8~11であり、ケイ素元素の含有量が(A)におけるジルコニウム元素100mol%に対して20mol%以下である、プライマー層形成用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)と水系ウレタン樹脂(B)とを含むプライマー層形成用組成物であって、
該ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1~20nmであり、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の30質量%水分散液のpHが8~11であり、
ケイ素元素の含有量が(A)におけるジルコニウム元素100mol%に対して20mol%以下である、プライマー層形成用組成物。
続きを表示(約 530 文字)
【請求項2】
前記ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の含有割合が、プライマー層形成用組成物中の固形分100質量%に対して、40~80質量%である、請求項1に記載のプライマー層形成用組成物。
【請求項3】
前記水系ウレタン樹脂(B)中の固形分の含有割合が、プライマー層形成用組成物中の固形分100質量%に対して、20~60質量%である、請求項1に記載のプライマー層形成用組成物。
【請求項4】
前記プライマー層形成用組成物は、レンズ用途に用いられる、請求項1~3のいずれかに記載のプライマー層形成用組成物。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載のプライマー層形成用組成物がコーティングされたレンズ。
【請求項6】
プライマー層形成用組成物を製造する方法であって、
該製造方法は、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)と水系ウレタン樹脂(B)とを混合する工程を含み、
該ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1~20nmであり、30質量%の水分散液としたときのpHが8~11である、プライマー層形成用組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プライマー層形成用組成物に関する。より詳しくは、眼鏡等のレンズ用途に有用なプライマー層形成用組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、眼鏡レンズは軽量性、耐衝撃性や加工性等に優れるプラスチックレンズが主流となっている。プラスチックレンズは、傷付きやすいという欠点があり、レンズ基材の表面にはハードコート層が形成される。レンズ基材とハードコート層の密着性が悪いと、クラックや耐衝撃性の低下の要因となるため、レンズ基材とハードコート層の間にプライマー層を設けることで、密着性や耐衝撃性の向上が図られている。しかし、プライマー層の屈折率がレンズ基材の屈折率と一致しない場合、光の干渉により干渉縞が発生し、外観を損なうことになる。そこで、プライマー層の屈折率をレンズ基材の屈折率に合わせる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、プライマー層に使用される塗布液として無機複合酸化物微粒子を、所定の式で表される有機ケイ素化合物Aまたはその部分加水分解物と、所定の式で表され、1気圧状態での沸点が120℃以下である有機ケイ素化合物Bまたはその部分加水分解物で表面改質して得られ、炭素原子の含有量が2~10重量%である表面改質無機複合酸化物微粒子を含む塗布液が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-152226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、レンズにプライマー層を形成する技術が開発されているものの、レンズの薄型化・軽量化のニーズの高まりによるプラスチックレンズ基材の高屈折率化が進んでおり、特許文献1のようにケイ素等の他の元素で無機複合酸化物微粒子の表面を被覆すると、無機複合酸化物微粒子の屈折率が低下してしまい、高屈折率のプラスチックレンズ基材への対応が難しいという課題があり、高い屈折率、かつ、高い透明性を有するプライマー層形成用組成物が求められていた。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、透明性が高く、かつ、高屈折率であるプライマー層を形成することができる組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、レンズ等のプライマー層形成用組成物について種々検討したところ、ジルコニウム元素含有金属酸化物と水系ウレタン樹脂とを含む組成物において、ケイ素元素の含有量が(A)におけるジルコニウム元素100mol%に対して20mol%以下であって、平均粒子径が所定の範囲であり、かつ、30質量%水分散液のpHが8~11であるジルコニウム元素含有金属酸化物を用いることにより、透明性が高く、かつ、高屈折率であるプライマー層をレンズ上に形成することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0007】
本発明は、以下のプライマー層形成用組成物等を包含する。
〔1〕ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)と水系ウレタン樹脂(B)とを含むプライマー層形成用組成物であって、該ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1~20nmであり、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の30質量%水分散液のpHが8~11であり、ケイ素元素の含有量が(A)におけるジルコニウム元素100mol%に対して20mol%以下である、プライマー層形成用組成物。
〔2〕上記ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の含有割合が、プライマー層形成用組成物中の固形分100質量%に対して、40~80質量%である、上記〔1〕に記載のプライマー層形成用組成物。
〔3〕上記水系ウレタン樹脂(B)中の固形分の含有割合が、プライマー層形成用組成物中の固形分100質量%に対して、20~60質量%である、上記〔1〕又は〔2〕に記載のプライマー層形成用組成物。
〔4〕上記プライマー層形成用組成物は、レンズ用途に用いられる、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のプライマー層形成用組成物。
〔5〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のプライマー層形成用組成物がコーティングされたレンズ。
〔6〕プライマー層形成用組成物を製造する方法であって、該製造方法は、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)と水系ウレタン樹脂(B)とを混合する工程を含み、該ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1~20nmであり、30質量%の水分散液としたときのpHが8~11である、プライマー層形成用組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のプライマー層形成用組成物は、上述の構成よりなり、透明性が高く、かつ、高屈折率であるプライマー層を形成することができるため、レンズ等のプライマー層等に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
【0010】
〔プライマー層形成用組成物〕
本発明のプライマー層形成用組成物は、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)と水系ウレタン樹脂(B)とを含む プライマー層形成用組成物であって、該ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が1~20nmであり、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の30質量%水分散液のpHが8~11であり、ケイ素元素の含有量が(A)におけるジルコニウム元素100mol%に対して20mol%以下である。
本発明のプライマー層形成用組成物は、組成物に添加する前の原料であるジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の30質量%水分散液のpHが上記範囲であって、ジルコニウム元素含有金属酸化物(A)の平均粒子径が上記範囲であることにより、透明性に優れ、ケイ素元素の含有量が上記範囲であることにより、高い屈折率を有することとなる。
本発明のプライマー層形成用組成物は、上記の構成であることにより、これによりレンズ等の上に形成されるプライマー層は、耐溶剤性、密着性、耐候性、耐衝撃性にも優れる。
(【0011】以降は省略されています)
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