TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025089740
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204557
出願日2023-12-04
発明の名称共振器、発振器、および共振器の製造方法
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人
主分類H10N 60/12 20230101AFI20250609BHJP()
要約【課題】超伝導回路においてフットプリントを小さくする共振器、発振器及び共振器の製造方法を提供する。
【解決手段】共振器1は、ジョセフソン接合からなる接合素子2と、接合素子によって結合されるフィッシュボーン型導波路31、32と、を備える。共振器1は、制御ラインに交流電流を流すことで共振器を発振させることにより、フィッシュボーン型導波路を用いることに基づき前記共振器に必要となる導波路長を短くすることができ、超伝導回路においてフットプリントを小さくできる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ジョセフソン接合からなる接合素子と、
前記接合素子によって結合されるフィッシュボーン型導波路と、
を備える共振器。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
2つの前記フィッシュボーン型導波路が前記接合素子によって結合される
請求項1に記載の共振器。
【請求項3】
前記接合素子に磁気結合し、制御信号が入力される制御ラインをさらに備え、
前記共振器の動作時に当該共振器に生成される定在波である電場の節付近に前記制御ラインの先端が配置される
請求項2に記載の共振器。
【請求項4】
前記接合素子の付近に前記制御ラインの先端が配置され、
前記制御ラインは、前記先端において第1分岐ラインと第2分岐ラインに分岐し、
前記第1分岐ラインの長さは前記第2分岐ラインの長さよりも短い
請求項3に記載の共振器。
【請求項5】
前記2つの前記フィッシュボーン型導波路はそれぞれコプレーナ導波路を介して前記接合素子に結合され、
前記接合素子の付近に前記制御ラインの先端が配置されている
請求項3に記載の共振器。
【請求項6】
前記コプレーナ導波路は、第1コプレーナ導波路と第2コプレーナ導波路とからなり、
前記第2コプレーナ導波路の長さは前記第1コプレーナ導波路の長さよりも短い
請求項5に記載の共振器。
【請求項7】
2つの導波路が前記接合素子によって結合され、
前記2つの前記導波路はそれぞれ、前記フィッシュボーン型導波路と、直線、または曲線形状のコプレーナ導波路との組み合わせである
請求項2に記載の共振器。
【請求項8】
前記フィッシュボーン型導波路は、集中定数型の共振エレメントである
請求項1に記載の共振器。
【請求項9】
前記制御ラインに交流電流を流すことで、請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の前記共振器を発振させる、発振器。
【請求項10】
ジョセフソン接合からなる接合素子にフィッシュボーン型導波路を結合させる
共振器の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、共振器、発振器、および共振器の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
量子ビット等を含む超伝導回路では、高周波の伝送線路として、コプレーナ導波路(Coplanar Waveguide:CPW)が広く用いられている。CPWは、基板の表面に蒸着された超伝導体に線状の空隙部を設け、その空隙部の中央に線状の信号伝送用の超伝導体を配置した二次元構造を有する。CPWは、導波路の長さに比例したインダクタンスとキャパシタンスを有する。導波路の長さを波長から適切に設計し、CPWを用いて分布定数型の共振器を構成することが可能である。もしくは、キャビティインダクタンス及びまたはキャパシタンスを調整することで、CPWを用いて集中定数型の共振器を構成することが可能である。CPWに非線形のインダクタンスを組み合わせ、量子ビットとして応用することもできる(例えば、特許文献1)。非線形のインダクタンスとしては、単体のジョセフソン接合、または2個以上のジョセフソン接合が閉経路を形成するSQUID(Super Conducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉デバイス)が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-115740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように応用範囲の広いCPWだが、共振器を構成する際は共振周波数の波長と同程度、当該波長の2分の1、または当該波長の4分の1といった長さのCPWが必要となるため、チップ形状は長大なものが要求される。共振器を含む超伝導回路のチップ形状とパターン設計それぞれの自由度を高めるために、CPWの一部に曲率をもたせて折り曲げた形状(メアンダ型形状)にすることが広く行われている。しかしながら、折り曲げた形状にすると、多重に折れ曲がっている場合、または隣り合う伝送線路が長く平行に並べられた場合に、本来設計した共振とは異なる共振モードを生んでしまうことがあり、設計が難しくなってしまう。
超伝導回路においてフットプリントを小さくすることが求められている。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する共振器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、共振器は、ジョセフソン接合からなる接合素子と、前記接合素子によって結合されるフィッシュボーン型導波路と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様にかかる発振器は、前記制御ラインに交流電流を流すことで、前記共振器を発振させる。
【0008】
本発明の第3の態様にかかる共振器の製造方法は、ジョセフソン接合からなる接合素子にフィッシュボーン型導波路を結合させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フィッシュボーン型導波路を用いることによって共振器に必要となる導波路長を短くすることができる。これにより、超伝導回路においてフットプリントを小さくできるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1の実施形態に係る共振器のチップレイアウトの一例を示す図である。
本発明の第1の実施形態に係る共振器の接合素子付近の拡大図である。
本発明の第1の実施形態に係る接合素子がSQUIDである場合の接合素子付近の拡大図である。
本発明の第1の実施形態に係る接合素子が1つのジョセフソン接合からなる場合の接合素子付近の拡大図である。
本発明の第2の実施形態に係る共振器のチップレイアウトの一例を示す図である。
本発明の第2の実施形態に係る共振器の接合素子付近の拡大図である。
本発明の第2の実施形態に係る第1分岐ライン及び第2分岐ラインの配置の一例を示す図である。
本発明の第2の実施形態に係る第1分岐ライン及び第2分岐ラインの配置の一例を示す図である。
本発明の第2の実施形態に係るCPWの配置の一例を示す図である。
本発明の第3の実施形態に係る共振器のチップレイアウトの一例を示す図である。
フィッシュボーン型導波路の一例を示す図である。
関連する技術に係る量子ビットのチップレイアウトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許