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公開番号2025092858
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-23
出願番号2023208240
出願日2023-12-11
発明の名称車両用窓ガラス
出願人AGC株式会社
代理人個人
主分類B60J 1/16 20060101AFI20250616BHJP(車両一般)
要約【課題】1つのシール部材を用いて雨水等の車内への入り込みを抑制可能な車両用窓ガラスを提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る車両用窓ガラス100は、車両10に固定される固定ガラス110と、固定ガラス110の開口部111にはめ込み可能な可動ガラス120と、可動ガラス120を摺動可能に支持する支持部材130,140と、可動ガラス120と固定ガラス110との間をシールするシール部材160と、を備え、可動ガラス120の周縁には枠体121が設けられ、枠体121はシール部材160がはめ込まれる溝部121aを有し、シール部材160は、変形筒部161と、変形筒部161から溝部121aに向かって延びる嵌合部162と、を有し、嵌合部162は硬質弾性体であり、変形筒部161は軟質弾性体であり、溝部121aの入口の高さは嵌合部162の根元の厚さよりも大きい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
開口部を有し、車両に固定される固定ガラスと、前記固定ガラスの前記開口部にはめ込み可能に構成された可動ガラスと、前記可動ガラスを前記固定ガラスに対して摺動可能に支持する支持部材と、前記可動ガラスが前記固定ガラスの前記開口部にはめ込まれた際に、前記可動ガラスの周縁と前記固定ガラスの前記開口部の周縁との間をシールするシール部材と、を備える車両用窓ガラスであって、
前記可動ガラスの周縁には、枠体が設けられており、
前記枠体は、前記シール部材がはめ込まれる溝部を有し、
前記シール部材は、シール時に変形可能な変形筒部と、前記変形筒部から前記溝部の底面に向かって延びる嵌合部と、を有し、
前記嵌合部は、硬質弾性体を用いて構成され、前記変形筒部は、軟質弾性体を用いて構成され、
前記溝部の入口の高さは、前記嵌合部の根元の厚さよりも大きい、車両用窓ガラス。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記嵌合部を構成する硬質弾性体は、比重が0.7以上1.2以下であり、かつ、JIS K 6253(2012)に準拠して測定されたショアA硬度が50以上90以下であり、
前記変形筒部を構成する軟質弾性体は、比重が0.2以上0.7以下であり、かつ、JIS K 6253(2012)に準拠して測定されたショアA硬度が20以上50以下である、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
【請求項3】
前記嵌合部の延びる方向の先端には、前記嵌合部が前記溝部に嵌合される前において、前記嵌合部が延びる方向に対して60°以上120°以下の方向に延びる突起部が設けられており、
前記突起部は、前記嵌合部を構成する硬質弾性体よりも柔らかい弾性体を用いて構成される、請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス。
【請求項4】
前記変形筒部と前記嵌合部との境界部分の前記可動ガラス側には、前記嵌合部が延びる方向に対して20°以上110°以下の方向に延びる壁状部が設けられており、
前記壁状部は、前記嵌合部を構成する前記硬質弾性体を用いて構成される、請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス。
【請求項5】
前記嵌合部の延びる方向の先端には、前記嵌合部が前記溝部に嵌合される前において、前記嵌合部が延びる方向に対して60°以上120°以下の方向に延びる突起部が設けられており、
前記突起部は、前記嵌合部を構成する硬質弾性体よりも柔らかい弾性体を用いて構成され、
前記嵌合部が前記溝部に嵌合される前において、前記壁状部と前記突起部との距離は、1.5mm以上である、請求項4に記載の車両用窓ガラス。
【請求項6】
前記枠体は、前記固定ガラスに向かって突出し、前記溝部の側壁の一部を形成する突出部を有し、
前記嵌合部が前記溝部にはめ込まれた際に、前記壁状部の先端と前記突出部との距離が0.3mm以上である、請求項4に記載の車両用窓ガラス。
【請求項7】
前記シール部材は、前記可動ガラスを前記固定ガラスの前記開口部にはめ込む際に、前記固定ガラスに最初に接触する箇所である接触箇所を有し、
前記接触箇所は、前記溝部の中心線の延長線上に位置する、請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス。
【請求項8】
前記車両用窓ガラスは、前記支持部材の下部に取り付けられるドレインカバーをさらに備え、
前記可動ガラスが前記固定ガラスの前記開口部にはめ込まれた状態で前記シール部材に溜まった水分は、前記可動ガラスを前記固定ガラスの前記開口部から外した際に、前記枠体及び前記ドレインカバーを介して車両の外に排出される、請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用窓ガラスに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
車両に固定された固定ガラスの一部をくり抜いて開口部を設け、当該開口部に可動ガラスをはめ込む技術が知られている。雨水等が車内に入り込むことを抑制するため、固定ガラスと可動ガラスとの間をシールするシール部材を設けることがある。
【0003】
特許文献1には、ワンボックスカーの側面窓ガラス(固定ガラス)に設けられた開口部に可動ガラスをはめ込み、2種類のシール部材、すなわちメインシール部材及びサブシール部材を用いて固定ガラスと可動ガラスとの間をシールする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2017/018189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、2種類のシール部材を用いることによって、可動ガラスと固定ガラスとの間から雨水等が車内に入り込むことを抑制している。しかしながら、2種類のシール部材を用いると、構造が複雑になり、製造コストが上昇するという問題がある。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、雨水等の車内への入り込みを抑制するシール部材の製造コストを削減可能な車両用窓ガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る車両用窓ガラスは、開口部を有し、車両に固定される固定ガラスと、前記固定ガラスの前記開口部にはめ込み可能に構成された可動ガラスと、前記可動ガラスを前記固定ガラスに対して摺動可能に支持する支持部材と、前記可動ガラスが前記固定ガラスの前記開口部にはめ込まれた際に、前記可動ガラスの周縁と前記固定ガラスの前記開口部の周縁との間をシールするシール部材と、を備える車両用窓ガラスであって、
前記可動ガラスの周縁には、枠体が設けられており、
前記枠体は、前記シール部材がはめ込まれる溝部を有し、
前記シール部材は、シール時に変形可能な変形筒部と、前記変形筒部から前記溝部の底面に向かって延びる嵌合部と、を有し、
前記嵌合部は、硬質弾性体を用いて構成され、前記変形筒部は、軟質弾性体を用いて構成され、
前記溝部の入口の高さは、前記嵌合部の根元の厚さよりも大きい、車両用窓ガラス。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、雨水等の車内への入り込みを抑制するシール部材の製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施の形態に係る車両用窓ガラスを備える車両の一例を示す図である。
実施の形態に係る車両用窓ガラスの構成を示す図である。
実施の形態に係る車両用窓ガラスの一部拡大断面図である。
枠体にはめ込まれる前におけるシール部材の断面図である。
枠体にはめ込まれた状態におけるシール部材の断面図である。
ドレインカバーの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右等の方向には、実施の形態の効果を損なわない程度のズレが許容される。角部の形状は直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直には、略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。本明細書において、「周縁」とは、外縁から中央部、又は内縁から外側に向かってある一定の幅を有する領域をいう。また、本明細書において、「略」とは、人が見て同じ形状、同じ寸法を有するとみなされる状態をいう。
(【0011】以降は省略されています)

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