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公開番号2025094481
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-25
出願番号2023210043
出願日2023-12-13
発明の名称ガス処理装置及びガス処理方法
出願人住友重機械工業株式会社
代理人弁理士法人雄渾
主分類C25B 9/00 20210101AFI20250618BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】本発明の課題は、硫化水素を電子供与体とした電極反応を行うことにより、硫化水素を含有するガスを処理するガス処理装置及びガス処理方法において、継続処理に係るコストを増大させることなく、ガス中の硫化水素濃度を要求値よりも低濃度化させることが容易となるガス処理装置及びガス処理方法の提供である。
【解決手段】上記課題を解決するために、硫化水素を含有するガスの処理において、それぞれ一対の電極を有する第1反応部及び第2反応部と、第1反応部のアノード側に硫化水素を含有するガスを導入する第1ガス導入部と、第2反応部のアノード側に第1反応部で処理されたガスを導入する第2ガス導入部と、を備え、第1反応部及び第2反応部は、発電処理及び/又は電解処理を行うガス処理装置及びこの装置を用いたガス処理方法を提供する。これによれば、低コストでガス中の硫化水素濃度を極めて低減することができる。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
硫化水素を含有するガスの処理を行うガス処理装置であって、
一対の電極を有する第1反応部と、
一対の電極を有する第2反応部と、
前記第1反応部のアノード側に、硫化水素を含有するガスを導入する第1ガス導入部と、
前記第2反応部のアノード側に、前記第1反応部で処理されたガスを導入する第2ガス導入部と、を備え、
前記第1反応部及び前記第2反応部は、発電処理及び/又は電解処理を行うことを特徴とする、ガス処理装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1反応部において発電処理を行い、前記第2反応部において電解処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載のガス処理装置。
【請求項3】
前記第1反応部及び前記第2反応部のうち、少なくとも一つの反応部で電解処理を行い、前記電解処理後のアノード側の電解液を、カソード側あるいは他の反応部における電解液として利用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のガス処理装置。
【請求項4】
前記硫化水素を含有するガス、前記第1反応部で処理されたガス及び前記第2反応部で処理されたガスのうち、少なくとも一つのガス中の硫化水素濃度に基づいて、前記第1反応部及び/又は前記第2反応部の処理に係る制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部における制御には、前記第1反応部及び/又は前記第2反応部における発電処理と電解処理の切替え、あるいは、前記第1反応部及び/又は前記第2反応部における電解処理に係る電圧制御が含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガス処理装置。
【請求項5】
前記第1反応部及び/又は前記第2反応部のうち、少なくとも一つの反応部で発電処理を行い、前記発電処理で得られた電気エネルギーを装置運転に係るエネルギー源として利用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のガス処理装置。
【請求項6】
硫化水素を含有するガスの処理を行うガス処理方法であって、
一対の電極を有する第1反応部のアノード側に、硫化水素を含有するガスを導入する第1ガス導入工程と、
前記第1反応部で発電処理又は電解処理を行う第1反応工程と、
一対の電極を有する第2反応部のアノード側に、前記第1反応工程で処理されたガスを導入する第2ガス導入工程と、
前記第2反応部で発電処理又は電解処理を行う第2反応工程と、を備えることを特徴とする、ガス処理方法。
【請求項7】
前記第1ガス導入工程と前記第2ガス導入工程におけるガス流路を切り替えるガス流路切替工程と、を備え、
所定時間経過後、前記ガス流路切替工程によって、硫化水素を含有するガスは前記第2ガス導入工程を介して前記第2反応部に導入され、前記第2反応部で処理されたガスは前記第1ガス導入工程を介して前記第1反応部に導入されることを特徴とする、請求項6に記載のガス処理方法。
【請求項8】
所定時間経過後、前記第1反応部及び前記第2反応部のうち、一方の反応部における電極を新しい電極と交換し、交換後の使用済電極は、他方の反応部における電極として使用する電極交換工程と、を備えることを特徴とする、請求項6に記載のガス処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化水素を含有するガスの処理に係るガス処理装置及びガス処理方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自然発生したガスや、各種処理工程で発生するガスに対し、ガスの有効活用や環境への影響を鑑み、ガス中の成分に応じた各種ガス処理が広く行われている。特に、硫化水素を含有するガスについては、硫化水素が強い腐食性を有するなど、環境等への影響が大きいことから、脱硫処理を行うことが一般的である。
【0003】
脱硫処理としては、物理化学的な反応を利用した乾式脱硫や湿式脱硫と呼ばれるものが知られている。乾式脱硫や湿式脱硫は、高い脱硫性能を有する一方で、鉄剤のような脱硫剤やアルカリなどの薬品を必要とする処理であり、脱硫剤の定期的な交換や多量の薬品使用によるランニングコストが高く、かつ処理後に発生する多量の廃棄物処理にもコストがかかるという問題がある。
【0004】
近年、脱硫処理の一つとして、微生物を用いた生物脱硫と呼ばれるものが注目されている。生物脱硫とは、微生物を担持した充填層に対し、処理対象となるガス(硫化水素を含有するガス)を通して微生物と接触させ、ガス中の硫化水素を酸化させるものである。そのため、生物脱硫による処理は、乾式脱硫や湿式脱硫と比べて、脱硫剤や薬品等の使用に係るコストや、処理後に発生する廃棄物処理に係るコストが少なく、低ランニングコストでの処理が可能となるものとして期待されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、硫化水素を酸化分解する微生物が付着した充填材層を有する生物脱硫塔と、該塔に消化ガスを導入する手段と、該塔から処理ガスを排出する手段と、該塔に空気または酸素を供給する手段とを備えた消化ガスの脱硫装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平2-26615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されるような生物脱硫を用いた脱硫処理は、低コストでの運用が期待できる一方、微生物を用いた処理は温度変化に弱く、処理が一度停止すると、安定した処理条件の制御が困難になることや、乾式脱硫や湿式脱硫と比べ、処理効率が低いことが大きな課題となっている。
【0008】
また、特許文献1に記載されるように、生物脱硫を用いた脱硫処理は、空気や酸素を供給し、好気条件下とする必要がある。このため、脱硫処理後のガスに空気あるいは酸素が混入し、脱硫処理後のガスを有効利用しようとする際の大きな課題となっている。
【0009】
さらに、脱硫処理後のガスを有効利用するにあたっては、ガス中の硫化水素濃度を所定の数値(以下、「要求値」とも呼ぶ)よりも低濃度化することが求められるが、この要求値を満たすために複数の処理設備(例えば、生物脱硫と乾式脱硫の組み合わせ)を用いると、それぞれの処理設備のイニシャルコストやランニングコスト、さらにそれぞれの処理設備に応じたメンテナンスが必要となるため、継続処理に係る負荷が大きくなるという問題がある。
【0010】
一方、本発明者は、硫化水素を電子供与体とした電極反応を行うことにより、低コストかつ効率よく硫化水素を含有するガスを処理することができるガス処理装置及びガス処理方法を既に検討している。そして、硫化水素を電子供与体とした電極反応によるガス処理においても、ガス中の硫化水素濃度を要求値よりも確実に低濃度化することと併せ、低濃度化状態の維持(継続処理)を低コストで行うための技術が求められている。
(【0011】以降は省略されています)

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