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公開番号
2025096013
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2023212452
出願日
2023-12-15
発明の名称
焦げ目付与組成物
出願人
正田醤油株式会社
代理人
個人
主分類
A23L
27/00 20160101AFI20250619BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】電子レンジ調理食品に用いる焦げ目付与剤組成物として、焦げ目付与効果が高く、かつ、常温で保存しても色調の変化を生じにくい焦げ目付与組成物を提供すること。
【解決手段】焦げ目付与成分としての還元糖の粒子とアミノ酸の粒子とを非含水性可塑性油脂中に分散した構成の組成物とした。当該構成の組成物は、常温保存中は還元糖とアミノ酸の粒子は非含水性可塑性油脂中に互いに接触することなく分散しているのでメイラード反応が抑えられ、電子レンジによる含水食材の発熱とともに油脂が溶解して、はじめて上記反応が開始する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
非含水性可塑性油脂中に、還元糖の粒子及びアミノ酸の粒子が分散してなる、ペースト状焦げ目付与組成物。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
還元糖がキシロースである、請求項1に記載のペースト状焦げ目付与組成物。
【請求項3】
非含水性可塑性油脂中に、さらに、食塩または粉末しょうゆの粒子が分散してなる、請求項1または2に記載のペースト状焦げ目付与組成物。
【請求項4】
可撓性容器に充填され密封されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のペースト状焦げ目付与組成物。
【請求項5】
個包装の、袋または容器に充填され密封されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のペースト状焦げ目付与組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦げ目付与組成物に関する。さらに詳しくは、電子レンジ調理食品に焦げ目を効率よく付与できるペースト状焦げ目付与組成物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
電子レンジにより、手軽に調理できる食品が多く出回っている。これらの食品の例として、カレー、シチュー、スープ、ハンバーグ、グラタン、どんぶりの素、などに代表されるレトルト食品や冷凍食品がある。これらの食品はあらかじめ調理されているので、電子レンジで加温すれば、調理したての風味を味わうことができる。
しかしながら、電子レンジでは、食品があまりにも短時間で加温されてしまうため、通常の調理法ではごく自然に形成される食品独特の焦げ目が付きにくいという問題が認識されていた。例えば、冷凍グラタンを電子レンジ加熱すると、チーズ独特の焦げ目が付きにくい難点があった。
このため、電子レンジによる加熱によっても、容易に焦げ目のつく電子レンジ食品や焦げ目を促進する調味料の開発が検討されてきた。
なお、食品の加熱調理中に焦げ目が付き、食品独特の香ばしさが増す機構は、食品に含まれる還元糖とアミノ酸が反応し(該反応はメイラード反応と称される。)、褐色物質(メイラード物質と称されることもある。)を生成するためであることが知られている。
上記の知見に基づき、たとえば、特開平8-131092号公報(特許文献1)には、乳化油脂、還元糖およびアミノ酸を表面に有する電子レンジ食品が開示されている。
特開2001-218568号公報(特許文献2)には、乳製品および食用油脂のうちの少なくとも一種と、単糖類および二糖類から選ばれた糖類の少なくとも一種と、パプリカ、カラメル、β-カロチン、ビート粉末、カルミン、食用染料、水溶性アンナット、ウコンおよびサフランから選ばれた着色剤の少なくとも一種、とを含有してなる食品用着色剤が開示されている。特許文献2の発明によれば、上記着色剤が乳製品または食用油脂で溶融し、糖類等の褐変が促進されるという。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-131092号公報
特開2001-218568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明者らが特許文献1の発明を各種の食品に適用したところ、いずれも、ピザ、グラタン等には、その表面に焦げ目をつけられるものの、野菜に適用すると、炒め感のない、蒸し料理に近いものとなってしまうことが判明した。
上記の問題に加え、特許文献1に従い、乳化油脂、還元糖およびアミノ酸を配合して調製した焦げ目付与組成物を常温で保存すると変色してしまうことが判明した。したがい、当該焦げ目付与組成物を商品として製造後、最終消費者に行き渡るまでの期間中、さらには消費者側での保存期間中に、当該商品の変質が懸念される。
他方、特許文献2の発明は、着色剤を含んでいるため、必然的に、使用できる食品の種類が限られる。
そこで、本発明者らは、常温で保管しても色変化が抑制され、特に野菜に適用の場合、香ばしさと炒め感を付与できる焦げ目付与剤の開発を課題として鋭意検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その結果、本発明者らは、還元糖の粒子とアミノ酸の粒子とが非含水性可塑性油脂中に分散したペースト状組成物が上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、還元糖の粒子とアミノ酸の粒子とが非含水性可塑性油脂中に分散したペースト状焦げ目付与組成物である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のペースト状焦げ目付与組成物は、還元糖とアミノ酸の両成分が粒子状に非含水性可塑性油脂中に分散しているため、常温ではメイラード反応が進まないので、保存安定性に優れる。また、ペースト状であるため、可撓性容器に充填すれば、容器開口部より絞り出して、食材表面に万遍なくかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明のペースト状焦げ目付与組成物の作用機序の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のペースト状焦げ目付与組成物は、液状でもなく固形状でもなく、文字通りペースト状であることを最大の特徴とし、この特性により、従来の焦げ目付与組成物に対し、多くの優位性を備える(以後、本発明のペースト状焦げ目付与組成物について、単に「焦げ目付与組成物」と略記することがある。)。
本発明において、ペースト状とは、外部から力が加えられていない状態では流動せず形状を保持し、外部から力が加えられると容易に変形し、かつ変形後の形状を保つ性状をいう。
【0009】
本発明の焦げ目付与組成物において、還元糖とアミノ酸とはメイラード反応による褐変物質の生成に関わる必須成分である。また、組成物中の非含水性可塑性油脂は、還元糖とアミノ酸の分散媒としての役割を果たす。
【0010】
還元糖としては、キシロース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、グルコース、アラビノース、リボース等の単糖類、ラクトース、マルトース等の二糖類が挙げられる。これらの糖類のうち、単糖類がメイラード物質(焦げ目成分)の生成効率が高いため、好ましい。また、単糖類のうち、キシロース等の五炭糖はメイラード物質の生成効率がさらに高いため、一層好ましい。
これらの糖類は、いずれも粉末状の原料として入手できる。
なお、香味を増すため、非還元糖の白糖(ショ糖)を任意成分として加えても良い。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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