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公開番号2025098125
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2025047366,2021029292
出願日2025-03-21,2021-02-25
発明の名称積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類B29B 17/02 20060101AFI20250624BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
ポリエステルフィルムの表面に機能層を備える積層ポリエステルフィルムから、機能層を除去する積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法を提案することを課題とする。
【解決手段】
ポリエステルフィルムの表面に機能層を備える積層ポリエステルフィルムFから、搬送式研磨機11で機能層を除去する研磨工程を備える、積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルフィルムの表面に機能層を備える積層ポリエステルフィルムから、搬送式研磨機で機能層を除去する研磨工程を備える、積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記研磨工程が、湿式方式で行われる、請求項1に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項3】
前記研磨工程における研磨材が、バフロールである、請求項1又は2に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項4】
前記バフロール自体が横振動する、請求項3に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項5】
前記バフロールの回転方向が、積層ポリエステルフィルムの搬送方向に対して逆方向である、請求項3又は4に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項6】
前記機能層が、シリコーン離型層である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項7】
さらに、(a)アルカリ性化剤を含有する洗浄剤で洗浄する洗浄工程を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項8】
前記洗浄剤が、さらに、(b)少なくとも一つの水酸基を有する化合物を含有する、請求項7に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項9】
前記ポリエステルフィルムに付着した、前記研磨工程で発生した粉塵、及び前記洗浄剤の少なくともいずれかを、洗い流すリンス工程をさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法により再生したポリエステルフィルム原料を少なくとも一部に含むリサイクルポリエステル製品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、廃プラスチックは、埋め立て、海洋投棄、焼却等の処理がなされていたが、埋め立て場所の確保が困難になりつつあり、海洋投棄はプラスチックが分解しないために環境面で問題になっている。また、焼却によって熱として利用することはできるが、炭酸ガスの排出により、地球温暖化につながるという問題がある。
【0003】
そこで、昨今の環境問題の高まりから、廃プラスチックの再利用、再生等のリサイクルが必要とされており、そのための研究開発が盛んに行われている。また、プラスチックはその多くが化石燃料により生産されており、資源の有効利用の点からも、リサイクル方法の構築が求められている。
【0004】
ところで、プラスチックフィルムの一種であるポリエステルフィルムは、基材フィルムとして有用であり、片面又は両面に種々の機能層が積層された、積層ポリエステルフィルムとして使用されることが多い。機能層としては、ハードコート層、粘接着層、離型層、加飾層、遮光層、紫外線遮蔽層、易接着層など、様々な機能層があり、機能層に応じた材料をポリエステルフィルムに積層した積層ポリエステルフィルムが使用されている。
【0005】
このような積層ポリエステルフィルムは、使用後にほとんど再利用されておらず、廃棄、焼却等がなされている。
【0006】
機能層が積層された積層ポリエステルフィルムをそのまま再溶融してリサイクルしようとしても、機能層を構成する材料が溶融ポリマー中に混入するため、押し出し時に異臭を発生したり、ポリマーの溶融粘度が低下したりしてフィルム製膜時の破断の原因となる。
また、仮に製膜できたとしても得られたフィルムの着色や、異物混入などによる品質の劣化が避けられない。
【0007】
積層ポリエステルフィルムのリサイクル方法として、例えば、特許文献1に開示される技術がある。この技術は、基材フィルムの少なくとも片面に易溶解性樹脂層と表面機能層をこの順に積層してなる積層ポリエステルフィルムである。このような構成としたうえで、使用後に、易溶解性樹脂層のみ溶解可能であって、基材フィルムを溶解しない溶媒で洗浄することにより、積層ポリエステルフィルムから基材フィルムを分離回収しようというものである。分離回収したものは再溶融され、基材フィルムを構成していた樹脂組成物を再生することを可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-169005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示される方法は、上述のように、基材フィルムの表面に易溶解性樹脂層と表面機能層とをこの順に積層してなる積層ポリエステルフィルムを前提としており、易溶解性樹脂層を溶解させることによって、機能層を除去しようとするものである。
すなわち、易溶解性樹脂層を有さない、大部分の積層ポリエステルフィルムに用いることはできず、汎用性のない技術である。
本発明は、上記実情に鑑みて、易溶解性樹脂層を有さない積層ポリエステルフィルムであっても、機能層を剥離できる積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討の結果、搬送式研磨機を用いることで、ポリエステルフィルムの表面に機能層を備える積層ポリエステルフィルムから機能層を容易に除去できることを見出した。本発明は係る知見に基づき完成したものである。すなわち、本発明は、以下の態様を有するものである。
[1]ポリエステルフィルムの表面に機能層を備える積層ポリエステルフィルムから、搬送式研磨機で機能層を除去する研磨工程を備える、積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[2]前記研磨工程が、湿式方式で行われる、上記[1]に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[3]前記研磨工程における研磨材が、バフロールである、上記[1]又は[2]に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[4]前記バフロール自体が横振動する、上記[3]に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[5]前記バフロールの回転方向が、積層ポリエステルフィルムの搬送方向に対して逆方向である、上記[3]又は[4]に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[6]前記機能層が、シリコーン離型層である、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[7]さらに、(a)アルカリ性化剤を含有する洗浄剤で洗浄する洗浄工程を含む、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[8]前記洗浄剤が、さらに、(b)少なくとも一つの水酸基を有する化合物を含有する、上記[7]に記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[9]前記ポリエステルフィルムに付着した、前記研磨工程で発生した粉塵、及び前記洗浄剤の少なくともいずれかを、洗い流すリンス工程をさらに備える、上記[1]~[8]の少なくともいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法。
[10]上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルムの機能層除去方法により再生したポリエステルフィルム原料を少なくとも一部に含むリサイクルポリエステル製品。
[11]上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の機能層除去方法によって、前記機能層を除去したポリエステルフィルムを回収する回収工程と、
前記回収されたポリエステルフィルムを原料としてリサイクルポリエステル製品を製造する製造工程を備える、リサイクルポリエステル製品の製造方法。
[12]ポリエステルフィルムの表面に機能層を備える積層ポリエステルフィルムから、機能層を除去する搬送式研磨機を備えることを特徴とする、積層ポリエステルフィルムの機能層除去装置。
[13](a)アルカリ性化剤を含有する洗浄剤を備え、前記洗浄剤により前記積層ポリエステルフィルムを洗浄する洗浄装置を備える、上記[12]に記載の機能層除去装置。
[14]前記機能層を除去したポリエステルフィルムに付着した粉塵及び洗浄剤の少なくともいずれかを洗い流すリンス装置を備える、上記[12]又は[13]の機能層除去装置。
[15]上記[12]~[14]のいずれか1つに記載の前記機能層除去装置と、前記機能層除去装置によって機能層が除去されたポリエステルフィルムを回収する回収装置と、回収されたポリエステルフィルムを原料として、リサイクルポリエステル製品を製造する製造装置とを備える、リサイクル装置。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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