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公開番号2025098582
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214811
出願日2023-12-20
発明の名称排水集合管
出願人株式会社クボタケミックス
代理人安田岡本弁理士法人
主分類E03C 1/12 20060101AFI20250625BHJP(上水;下水)
要約【課題】最大3つの横枝管接続部を備えた排水集合管において三方向のうちの少なくとも一方向からの横枝管からの排水能力が高い。
【解決手段】樹脂製の中高層用排水集合管1000は、床スラブの上方に突出する上部管1100と、下階へ排水を流出させる下立管に接続される下部管1500とを含み、上部管1100は、上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部1110と、横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部1120とを含み、下部管1500は、縮径部と、排水の流れを変化させる下方偏流板である旋回羽根1600とを含み、横枝管を三方向に接続した場合において一方向ずつ確認した排水能力が、特定の二方向(ここでは旋回羽根1600が存在する0時に対向しない0時方向および3時方向)が他の一方向(ここでは旋回羽根1600が存在する0時に対向する6時方向)よりも高い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、
前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、下階へ排水を流出させる下立管に接続される下部管とを含み、前記上部管の縦管軸と前記下部管の縦管軸とは一致して前記排水集合管の軸芯を形成し、
前記上部管は、上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部とを含み、
前記下部管は、前記下立管を接続する下立管接続部と、前記下立管接続部の上流側に設けられた縮径部と、前記下部管に設けられて排水の流れを変化させる下方偏流板とを含み、
前記横枝管を三方向に接続した前記排水集合管において一方向ずつ確認した排水能力が、特定の一方向が他の二方向よりも高いこと、または、特定の二方向が他の一方向よりも高いことを特徴とする、排水集合管。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記上部管は、前記横枝管接続部の高さ位置において前記横枝管接続部が存在しない内壁から内周に突出して設けられて排水の流れを変化させる上方偏流板をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の排水集合管。
【請求項3】
前記排水能力が高い方向は、前記排水能力が低い方向に対して10%以上高いことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項4】
前記排水能力が高い方向にのみ、前記横枝管を接続することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。
【請求項5】
前記排水能力が低い方向には、前記横枝管を接続しないことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水集合管。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方に突出する上部管と、下階へ排水を流出させる下立管に接続される下部管とを含み、上部管は、上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部と、床スラブの上方において横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部とを含み、下部管は、下立管を接続する下立管接続部と、下立管接続部の上流側に設けられた縮径部と、下部管に設けられて排水の流れを変化させる下方偏流板(旋回羽根を偏流板に含めて記載する場合がある、以下においてこの括弧書きは繰り返さない)とを含み、横枝管を三方向に接続した場合において一方向ずつ確認した排水能力が、特定の一方向が他の二方向よりも高い、または、特定の二方向が他の一方向よりも高い(特定の条件下で高い排水能力を発現する)排水集合管に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅やオフィスビルなどには、給水設備および排水設備が設けられる。このうちの排水設備は、建物の各階層を上下に貫く縦管(立て管、上立て管、下立て管)と、各階層内に設置される横管(横枝管、枝管)と、これらを接続する排水配管継手(排水集合管、排水管継手、排水集合継手とも称される)とを備えた排水配管構造が代表的なものとして広く知られている。
【0003】
そして、このような排水配管継手は、建築物に施工された際に、床スラブの貫通孔に配置される管本体(本体部、上部管)を備え、本体部は、上流側の上立て管に接続可能な上方立て管接続部を上端に、横枝管に接続可能な横枝管接続部を側面に、下流側の配管部材に接続可能な下方配管接続部を下端に、それぞれ有する。このような排水配管継手においては、排水配管継手内の排水の流れを変化させる部分(たとえば旋回羽根、整流羽根、羽根部材、偏流板等の内周面への突起物)を備えるものが多い。また、このような排水配管継手として、ひとつまたは複数の樹脂製の射出成形品で形成されたものが広く知られている。
【0004】
このような排水配管継手として、特開2021-046715号公報(特許文献1)に開示された管継手がある。この特許文献1に開示された管継手は、筒状に形成された継手本体と、端部が前記継手本体の側面に接続され、前記端部に形成された開口が前記継手本体内に連通し、横管路部が接続される側方継手部と、前記継手本体の内部に挿入された環状体から延出されて前記継手本体の内周面から張り出すように設けられ、前記継手本体の軸線方向に延在し、前記側方継手部に望む位置に形成された逆流防止部と、を備え、好ましくは、前記環状体から前記軸線方向に突出するように延在され、前記継手本体内を通過する水の流れを旋回させる旋回羽根が設けられたことを特徴とする(特許文献1の請求項1、5)。
【0005】
そして、この特許文献1に開示された管継手には、特許文献1の図2に示されるように、旋回羽根として、本体上部34内に第一旋回羽根45が、本体中間部35内に第二旋回羽根47が、本体下部36の下端部の内周面には本体下部36の径方向内側に向かって突出した第三旋回羽根49が、それぞれ設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-046715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示された管継手においては、本体下部(縮径部)の下端部に設けられた下部管旋回羽根(特許文献1の第三旋回羽根49)と対向する横枝管からの排水時は、排水能力が低下することがある。その理由は、下部管においては胴体径から立て管径へ縮径しているものの(排水管径が小さくなるために流れにくくなるものの)スムーズに排水を流したいが、下部管旋回羽根(第三旋回羽根49)に対向する横枝管(6時方
向)から排水される場合には、その6時方向からの排水が下部管旋回羽根に当たり、排水の流れが乱れてしまい、空気の通り道が塞がれて排水能力の低下に繋がる場合がある。これは、排水集合管の構造(特に下部管の構造)に起因して、横枝管の方向によって排水能力の高い方向を備える排水集合管を実現することができることに繋がる。
【0008】
本発明は、上述した特定の横枝管からの排水能力の低下に鑑みたものであり、その目的とするところは、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、床スラブの上方において横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部が設けられ、下部管に排水の流れを変化させる下方偏流板が設けられた排水集合管において横枝管を三方向に接続した場合において一方向ずつ確認した排水能力が、特定の一方向が他の二方向よりも高い、または、特定の二方向が他の一方向よりも高い(特定の条件下で高い排水能力を発現する)排水集合管を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る排水集合管は以下の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明に係る排水集合管は、建築物の床スラブの貫通孔に配置される樹脂製の排水集合管であって、前記排水集合管は、前記床スラブの上方に突出する上部管と、下階へ排水を流出させる下立管に接続される下部管とを含み、前記上部管の縦管軸と前記下部管の縦管軸とは一致して前記排水集合管の軸芯を形成し、前記上部管は、上階から排水を流入させる上立管を接続する上立管接続部と、前記床スラブの上方において横枝管を接続する最大3つの横枝管接続部とを含み、前記下部管は、前記下立管を接続する下立管接続部と、前記下立管接続部の上流側に設けられた縮径部と、前記下部管に設けられて排水の流れを変化させる下方偏流板とを含み、前記横枝管を三方向に接続した前記排水集合管において一方向ずつ確認した排水能力が、特定の一方向が他の二方向よりも高いこと、または、特定の二方向が他の一方向よりも高いことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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