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公開番号
2025101305
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2023218067
出願日
2023-12-25
発明の名称
絶縁転がり軸受
出願人
NTN株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16C
33/62 20060101AFI20250630BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】樹脂の成形収縮によりモールド樹脂がモールド凹部の内面から浮き上がるのを防止することが可能な絶縁転がり軸受を提供する。
【解決手段】モールド樹脂5は、外輪1の外周を覆う外周絶縁部5aと、外輪1の軸方向端面6を覆う端面絶縁部5bと、端面絶縁部5bの径方向内端から軸方向内方に延びてモールド凹部8内に入り込む端部内周絶縁部5cとを有し、モールド凹部8の凹部側面13のうちの端部内周絶縁部5cで覆われる部分が、径方向内方に向かって軸方向外側に変位する傾斜をもつ傾斜面とされている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外輪(1)と、
前記外輪(1)の径方向内側に配置される内輪(2)と、
前記外輪(1)と前記内輪(2)の間に組み込まれる複数の転動体(3)と、
前記外輪(1)の外周と前記外輪(1)の両側の軸方向端面(6)とを覆う絶縁性のモールド樹脂(5)とを有し、
前記外輪(1)の内周の軸方向両端に、前記外輪(1)の軸方向端面(6)に開放して周方向に延びる環状のモールド凹部(8)が形成され、
前記モールド樹脂(5)は、前記外輪(1)の外周を覆う外周絶縁部(5a)と、前記外輪(1)の軸方向端面(6)を覆う端面絶縁部(5b)と、前記端面絶縁部(5b)の径方向内端から軸方向内方に延びて前記モールド凹部(8)内に入り込む端部内周絶縁部(5c)とを有し、前記モールド凹部(8)の軸方向外側を向く凹部側面(13)の少なくとも一部が、前記端部内周絶縁部(5c)で覆われている絶縁転がり軸受において、
前記凹部側面(13)のうちの前記端部内周絶縁部(5c)で覆われる部分が、径方向内方に向かって軸方向外側に変位する傾斜をもつ傾斜面とされていることを特徴とする絶縁転がり軸受。
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【請求項2】
前記傾斜面は、軸方向に対して87°以下の角度(θ)をなす環状の円錐台面である請求項1に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項3】
前記凹部側面(13)は、前記端部内周絶縁部(5c)で覆われるモールド部分(15)と、前記端部内周絶縁部(5c)で覆われずに前記外輪(1)の表面が露出する非モールド部分(16)とを有し、
前記非モールド部分(16)の径方向の高さ寸法(H)が1.0mm以上に設定されている請求項1または2に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項4】
前記非モールド部分(16)が、軸方向に垂直な環状の平面とされている請求項3に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項5】
前記凹部側面(13)から前記端面絶縁部(5b)の表面までの軸方向距離(W)が2.25mm以上に設定されている請求項1または2に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項6】
前記モールド凹部(8)の径方向内側を向く凹部底面(14)に、径方向外側に窪んだ断面形状で周方向に延びるぬすみ溝(18)が形成されている請求項1または2に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項7】
外輪(1)と、
前記外輪(1)の径方向内側に配置される内輪(2)と、
前記外輪(1)と前記内輪(2)の間に組み込まれる複数の転動体(3)と、
前記内輪(2)の内周と前記内輪(2)の両側の軸方向端面(10)とを覆う絶縁性のモールド樹脂(5)とを有し、
前記内輪(2)の外周の軸方向両端に、前記内輪(2)の軸方向端面(10)に開放して周方向に延びる環状のモールド凹部(8)が形成され、
前記モールド樹脂(5)は、前記内輪(2)の内周を覆う内周絶縁部(5d)と、前記内輪(2)の軸方向端面(10)を覆う端面絶縁部(5e)と、前記端面絶縁部(5e)の径方向外端から軸方向内方に延びて前記モールド凹部(8)内に入り込む端部外周絶縁部(5f)とを有し、前記モールド凹部(8)の軸方向外側を向く凹部側面の少なくとも一部が、前記端部外周絶縁部(5f)で覆われている絶縁転がり軸受において、
前記凹部側面のうちの前記端部外周絶縁部(5f)で覆われる部分が、径方向外方に向かって軸方向外側に変位する傾斜をもつ傾斜面とされていることを特徴とする絶縁転がり軸受。
【請求項8】
前記傾斜面は、軸方向に対して87°以下の角度をなす環状の円錐台面である請求項7に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項9】
前記凹部側面は、前記端部外周絶縁部(5f)で覆われるモールド部分と、前記端部外周絶縁部(5f)で覆われずに前記内輪(2)の表面が露出する非モールド部分とを有し、
前記非モールド部分の径方向の高さ寸法が1.0mm以上に設定されている請求項7または8に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項10】
前記非モールド部分が、軸方向に垂直な環状の平面とされている請求項9に記載の絶縁転がり軸受。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、絶縁転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
電気自動車の走行用の電動モータの回転軸を支持する転がり軸受や、電気自動車の走行用の電動モータとインバータと減速機とが一体となったe-Axleの回転軸を支持する転がり軸受などの電気を使用する装置用の転がり軸受では、軸受内部を電流が流れることで、外輪または内輪と転動体との間にスパークが発生し、そのスパークによって外輪や内輪や転動体の表面が局所的に溶融する現象(電食)が生じることがある。
【0003】
この電食を防止することが可能な転がり軸受として、外輪および内輪の表面をモールド樹脂で覆った絶縁転がり軸受が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1の絶縁転がり軸受は、外輪と、外輪の径方向内側に配置される内輪と、外輪と内輪の間に組み込まれる複数の転動体と、外輪の外周と外輪の両側の軸方向端面とを覆う外輪側のモールド樹脂と、内輪の内周と内輪の軸方向両側の端面とを覆う内輪側のモールド樹脂とを有する。
【0005】
外輪側のモールド樹脂は、樹脂のインサート成形により形成されている。すなわち、外輪を金型にセットし、その金型を閉じて樹脂を射出成形することにより、外輪の表面にモールド樹脂が形成されている。同様に、内輪側のモールド樹脂も、樹脂のインサート成形により形成されている。
【0006】
ここで、外輪側のモールド樹脂は、外輪の外周と外輪の軸方向端面だけでなく、外輪の端部内周も覆うように形成されている。すなわち、外輪の内周の軸方向両端に、外輪の軸方向端面に開放して周方向に延びる環状のモールド凹部が形成され、そのモールド凹部に樹脂が入り込むように外輪の表面のモールド樹脂が形成されている。
【0007】
同様に、内輪側のモールド樹脂も、内輪の内周と内輪の軸方向端面だけでなく、内輪の端部外周を覆うように形成されている。すなわち、内輪の外周の軸方向両端に、内輪の軸方向端面に開放して周方向に延びる環状のモールド凹部が形成され、そのモールド凹部に樹脂が入り込むように内輪の表面のモールド樹脂が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第3068311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、外輪の表面のモールド樹脂を形成するとき、インサート成形後の冷却時にモールド樹脂が成形収縮し、外輪も温度低下に応じて収縮する。このとき、モールド樹脂の成形収縮による寸法変化量が、外輪の温度低下に伴う寸法変化量よりも大きいことから、モールド樹脂のうち、外輪の内周の軸方向両端のモールド凹部に入り込ませた部分が、モールド凹部の内面から浮き上がるおそれがあった。
【0010】
例えば、図7に示す比較例を想定する。この比較例において、外輪30の表面のモールド樹脂31は、外輪30の外周を覆う外周絶縁部32と、外輪30の両側の軸方向端面33を覆う端面絶縁部34と、その端面絶縁部34の径方向内端から軸方向内方に延びてモールド凹部35内に入り込む端部内周絶縁部36とを有する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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