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公開番号
2025102429
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2023219873
出願日
2023-12-26
発明の名称
ビール様発泡性飲料の製造方法
出願人
アサヒビール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12G
3/021 20190101AFI20250701BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ドライホッピングを行ったにもかかわらず、濁度が十分に低減されたビール様発泡性飲料を製造する方法を提供する。
【解決手段】発酵原料と水とを含む混合物を糖化処理し、得られた糖化液を煮沸処理して発酵原料液を調製する仕込工程と、前記発酵原料液に酵母を接種して発酵させる発酵工程と、前記発酵工程で得られた発酵液を、貯酒タンク内で熟成させる熟成工程と、前記熟成工程後に前記貯酒タンク内の貯酒液を、5℃以下で保持する低温安定化工程と、前記低温安定化工程後の貯酒液を濾過する濾過工程と、を有し、前記発酵工程から前記熟成工程終了までの間にホップを添加し、前記低温安定化工程において、前記貯酒液に、カラギーナンを含む清澄化剤を添加して混合した後、澱を除去する清澄化処理を行う、ビール様発泡性飲料の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
発酵原料と水とを含む混合物を糖化処理し、得られた糖化液を煮沸処理して発酵原料液を調製する仕込工程と、
前記発酵原料液に酵母を接種して発酵させる発酵工程と、
前記発酵工程で得られた発酵液を、貯酒タンク内で熟成させる熟成工程と、
前記熟成工程後に前記貯酒タンク内の貯酒液を、5℃以下で保持する低温安定化工程と、
前記低温安定化工程後の貯酒液を濾過する濾過工程と、
を有し、
前記発酵工程から前記熟成工程終了までの間にホップを添加し、
前記低温安定化工程において、前記貯酒液に、カラギーナンを含む清澄化剤を添加して混合した後、澱を除去する清澄化処理を行う、ビール様発泡性飲料の製造方法。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
前記清澄化剤が、さらに、ベントナイト、珪藻土、エンドウタンパク、及びアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
【請求項3】
前記清澄化剤を、2回以上に分けて前記貯酒液に混合する、請求項1又は2に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
【請求項4】
前記清澄化処理において、澱の除去を、前記貯酒タンクの底から澱を引き抜いて行う、請求項1に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
【請求項5】
前記貯酒タンクから引き抜かれた澱の660nmの吸光度が3.500Abs以上である、請求項4に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
【請求項6】
得られたビール様発泡性飲料の濁度が、5.0°EBC以下である、請求項1に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
【請求項7】
前記清澄化処理において、前記清澄化剤を添加した貯酒液を、ガスをバブリングして攪拌する、請求項1に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
【請求項8】
発酵原料と水とを含む混合物を糖化処理し、得られた糖化液を煮沸処理して発酵原料液を調製する仕込工程と、
前記発酵原料液に酵母を接種して発酵させる発酵工程と、
前記発酵工程で得られた発酵液を、貯酒タンク内で熟成させる熟成工程と、
前記熟成工程後に前記貯酒タンク内の貯酒液を、5℃以下で保持する低温安定化工程と、
前記低温安定化工程後の貯酒液を濾過する濾過工程と、
を有し、前記発酵工程から前記熟成工程終了までの間にホップを添加して製造されるビール様発泡性飲料の濁度を低減させる方法であって、
前記低温安定化工程において、前記貯酒液に、カラギーナンを含む清澄化剤を添加して混合した後、澱を除去して清澄化する、ビール様発泡性飲料の濁度低減方法。
【請求項9】
前記清澄化剤が、さらに、ベントナイト、珪藻土、エンドウタンパク、及びアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上を含む、請求項8に記載のビール様発泡性飲料の濁度低減方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール製造において、加熱を行う全ての工程が終了した後、例えば20℃以下に冷却された液にホップを添加する、いわゆるドライホッピングを行ってビール様発泡性飲料を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ホップは、ビールの特徴的な苦味や香味を付与する重要な原料である。通常のビールの製造においては、最終製品のビールに充分な苦味を付与するために、ホップは、仕込工程において煮沸中の麦汁に添加される(ケトルホッピング)。ホップ由来の香気をより強く付与する場合には、煮沸終了直前の麦汁や、煮沸終了後ワールプール中にホップを添加する場合もある(レイトホッピング)。また、ホップ由来の香気成分が豊富なビール様発泡性飲料を製造する方法として、麦汁冷却以降にホップを添加することもできる(ドライホッピング)。
【0003】
ドライホッピングで添加されたホップには、熱処理が施されないため、レイトホッピングとは異なった香気を付与することができる。このため、ドライホッピングは、ホップ由来の特徴的な香気を持つビール様発泡性飲料の製造に用いられており、各種の改良方法も開発されている。例えば、特許文献1には、ドライホッピングしたビールの香味を、強調されたホップ香気を維持しつつ、刺激感と荒々しさを低減させるために、ドライホッピングに用いるホップを予め適度に加熱処理させておく方法が開示されている。
【0004】
ドライホッピングを用いて製造されたビールには、ドライホッピングで添加されたホップ由来のポリフェノールが多く含まれるため、一般的に濁度が高くなり、目視で視認できるほどの濁りが生じる場合も多い。そこで、ドライホッピングをした場合でもより清澄なビール様発泡性飲料を製造する方法が望まれている。製品ビールの濁度を低減させる方法としては、例えば、煮沸処理後ワールプール中の麦汁に、清澄化剤としてカラギーナンを添加する方法が知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-004720号公報
【非特許文献】
【0006】
Poreda et al., Czech Journal of Food Sciences, 2015, vol.33(4), p.392-397.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドライホッピングを行う場合に、煮沸処理後ワールプール中の麦汁にカラギーナンを添加することによって、製品ビールの濁度はやや低減されるものの、濁度の低減は不十分であり、清澄ビール様発泡性飲料を得ることは困難である。
【0008】
本発明は、ドライホッピングを行ったにもかかわらず、濁度が十分に低減されたビール様発泡性飲料を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ドライホッピング後の貯酒液に、カラギーナンを含む清澄化剤を混合させることにより、不溶成分を十分に沈殿させることができ、その後に澱を除去することによって清澄なビール様発泡性飲料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明は、下記の通りである。
[1] 発酵原料と水とを含む混合物を糖化処理し、得られた糖化液を煮沸処理して発酵原料液を調製する仕込工程と、
前記発酵原料液に酵母を接種して発酵させる発酵工程と、
前記発酵工程で得られた発酵液を、貯酒タンク内で熟成させる熟成工程と、
前記熟成工程後に前記貯酒タンク内の貯酒液を、5℃以下で保持する低温安定化工程と、
前記低温安定化工程後の貯酒液を濾過する濾過工程と、
を有し、
前記発酵工程から前記熟成工程終了までの間にホップを添加し、
前記低温安定化工程において、前記貯酒液に、カラギーナンを含む清澄化剤を添加して混合した後、澱を除去する清澄化処理を行う、ビール様発泡性飲料の製造方法。
[2] 前記清澄化剤が、さらに、ベントナイト、珪藻土、エンドウタンパク、及びアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上を含む、前記[1]のビール様発泡性飲料の製造方法。
[3] 前記清澄化剤を、2回以上に分けて前記貯酒液に混合する、前記[1]又は[2]のビール様発泡性飲料の製造方法。
[4] 前記清澄化処理において、澱の除去を、前記貯酒タンクの底から澱を引き抜いて行う、前記[1]~[3]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[5] 前記貯酒タンクから引き抜かれた澱の660nmの吸光度が3.500Abs以上である、前記[4]のビール様発泡性飲料の製造方法。
[6] 得られたビール様発泡性飲料の濁度が、5.0°EBC以下である、前記[1]~[5]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[7] 前記清澄化処理において、前記清澄化剤を添加した貯酒液を、ガスをバブリングして攪拌する、前記[1]~[6]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[8] 発酵原料と水とを含む混合物を糖化処理し、得られた糖化液を煮沸処理して発酵原料液を調製する仕込工程と、
前記発酵原料液に酵母を接種して発酵させる発酵工程と、
前記発酵工程で得られた発酵液を、貯酒タンク内で熟成させる熟成工程と、
前記熟成工程後に前記貯酒タンク内の貯酒液を、5℃以下で保持する低温安定化工程と、
前記低温安定化工程後の貯酒液を濾過する濾過工程と、
を有し、前記発酵工程から前記熟成工程終了までの間にホップを添加して製造されるビール様発泡性飲料の濁度を低減させる方法であって、
前記低温安定化工程において、前記貯酒液に、カラギーナンを含む清澄化剤を添加して混合した後、澱を除去して清澄化する、ビール様発泡性飲料の濁度低減方法。
[9] 前記清澄化剤が、さらに、ベントナイト、珪藻土、エンドウタンパク、及びアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上を含む、前記[8]のビール様発泡性飲料の濁度低減方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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