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公開番号2025105330
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023223801
出願日2023-12-29
発明の名称ダンプ車両の荷箱の後部扉開閉装置
出願人個人
代理人個人
主分類B60P 1/273 20060101AFI20250703BHJP(車両一般)
要約【課題】ダンプ車両の積載物を荷下ろしするために荷箱を傾斜させる際に、積載物の排出性を高めるとともに荷箱の後部開口部を開放させた後部扉が破損するのを防ぎ得るダンプ車両の荷箱の後部扉開閉装置を提供する。
【解決手段】車台2に対して傾動自在な荷箱5の後部開口部5aを開閉する後部扉7と、後部扉7の開閉機構8と、を備える。後部扉7は、上部扉71と下部扉72とを有する。上部扉71の上端部は、後部開口部5aに対して車幅方向軸心まわりに回動自在に取り付けられる。下部扉72の上端部は、上部扉71の下端部に対して車幅方向軸心まわりに回動自在に取り付けられる。開閉機構8は、後部開口部5aに対する上部扉71の開き角度の増大に伴って、上部扉71に対する下部扉72の開き角度を増大させるように構成されている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
車台に対して傾動自在な荷箱の後部開口部を開閉する後部扉と、前記後部扉の開閉機構と、を備え、
前記後部扉は、上部扉と下部扉とを有し、
前記上部扉の上端部は、前記後部開口部に対して車幅方向軸心まわりに回動自在に取り付けられ、
前記下部扉の上端部は、前記上部扉の下端部に対して車幅方向軸心まわりに回動自在に取り付けられ、
前記開閉機構は、前記後部開口部に対する前記上部扉の開き角度の増大に伴って、前記上部扉に対する前記下部扉の開き角度を増大させるように構成され、
さらに、前記開閉機構は、前記後部開口部に対する前記上部扉の動きと前記上部扉に対する前記下部扉の動きとを連動させるための連動用ワイヤと、前記連動用ワイヤを屈曲させるための滑車と、を備え、
前記滑車は、前記上部扉に設けられる第1滑車と、前記第1滑車よりも下方位置となるように前記上部扉に設けられる第2滑車と、を有し、
前記連動用ワイヤの両端は、前記荷箱の上端固定部と前記下部扉の下端固定部に取り付けられ、
前記連動用ワイヤは、前記上端固定部から出発して前記第1滑車、前記第2滑車の順に掛け渡されて前記下端固定部に到達するように構成されている、
ことを特徴とするダンプ車両の荷箱の後部扉開閉装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車台に対して傾動自在な荷箱の後部開口部を開閉する後部扉と後部扉の開閉機構とを備えたダンプ車両の荷箱の後部扉開閉装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、車台に対して傾動自在な荷箱(荷台)と荷箱の後部開口部を開閉する後部扉(ゲート)とを備えたダンプ車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来のダンプ車両では、後部扉は一枚物で形成されている。後部扉は、荷箱の後端部に上部ヒンジによって取り付けられている。荷箱が水平状態のとき、後部扉は後部開口部を塞ぐ位置にある。一方、荷箱が傾斜状態のとき、後部扉は重力の作用により上部ヒンジを中心にして下開きされる。これにより、後部開口部が開放される。積載物が積載された荷箱を傾斜状態にさせた場合には、後部開口部から地面へ積載物が荷下ろしされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-15418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来のダンプ車両では、荷下ろし中に積載物が地面に積み上げられていって積載物の塊になると、開いた後部扉がこの積載物の塊に接触しやすかった。そして、この接触が生じると、全ての積載物が荷箱から排出できなくなったり後部扉が壊れたりするという問題点があった。そのため従来は、荷下ろし中、先に荷下ろしされた地面上の積載物の塊に接触しないように、ダンプ角度を制限したり、時間をかけたりして荷下ろしすることが求められてきた。特に、高さ方向の寸法が大きい荷箱と後部扉とを備えたダンプ車両において積載物を荷下ろしする場合には、できるだけ早く荷下ろしを終えるために荷箱を大きく傾斜させる必要があり、より顕著に上記問題点が生じた。
【0005】
図8は、従来のダンプ車両100において荷下ろし中に後部扉700が変形したイメージを示す側面図である。図8に示すように、従来のダンプ車両100は、車台200に対して傾動自在な荷箱500と、荷箱500の後部開口部500aを開閉する後部扉700と、を備えている。荷箱500は高さ方向の寸法が通常の土砂運搬用のダンプ車両と比較して大きい。後部扉700は、一枚物で形成されている。後部扉700は、荷箱500の後端部に上部ヒンジ700aによって取り付けられている。後部扉700は、荷箱500の高さ寸法に合わせて形成されているので、高さ方向の寸法が大きい。このような後部扉700を備えた従来のダンプ車両100では、積載物Lの荷下ろし中、先に荷下ろしされた地面G上の積載物Lの塊に後部扉700の下部が埋まってしまう。こうなると、積載物Lによって後部扉700に大きな負荷が加わり、後部扉700が大きく湾曲してしまうことになる。荷箱500の内部に残っている積載物Lもスムーズに排出されない。最悪の場合、後部扉700が座屈して後部扉700が破損するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、その目的は、ダンプ車両の積載物を荷下ろしするために荷箱を傾斜させる際に、積載物の排出性を高めるとともに、荷箱の後部開口部を開放させた後部扉が破損するのを防ぎ得るダンプ車両の荷箱の後部扉開閉装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために本明細書に開示する発明は、以下のように構成されている。すなわち、第1の発明は、車台に対して傾動自在な荷箱の後部開口部を開閉する後部扉と、前記後部扉の開閉機構と、を備え、前記後部扉は、上部扉と下部扉とを有し、前記上部扉の上端部は、前記後部開口部に対して車幅方向軸心まわりに回動自在に取り付けられ、前記下部扉の上端部は、前記上部扉の下端部に対して車幅方向軸心まわりに回動自在に取り付けられ、前記開閉機構は、前記後部開口部に対する前記上部扉の開き角度の増大に伴って、前記上部扉に対する前記下部扉の開き角度を増大させるように構成され、さらに、前記開閉機構は、前記後部開口部に対する前記上部扉の動きと前記上部扉に対する前記下部扉の動きとを連動させるための連動用ワイヤと、前記連動用ワイヤを屈曲させるための滑車と、を備え、前記滑車は、前記上部扉に設けられる第1滑車と、前記第1滑車よりも下方位置となるように前記上部扉に設けられる第2滑車と、を有し、前記連動用ワイヤの両端は、前記荷箱の上端固定部と前記下部扉の下端固定部に取り付けられ、前記連動用ワイヤは、前記上端固定部から出発して前記第1滑車、前記第2滑車の順に掛け渡されて前記下端固定部に到達するように構成されている、ことを特徴とする。
【0008】
第1の発明によれば、後部扉は、上部扉と下部扉とを有している。また、開閉機構は、荷箱の後部開口部に対する上部扉の開き角度の増大に伴って、上部扉に対する前記下部扉の開き角度を増大させるように構成されている。これにより、上部扉荷箱を傾斜させて積載物を荷下ろしする際、上部扉に対して下部扉を後方へ跳ね上げることができる。すなわち、従来の一枚物の後部扉と比較して、後部扉の下部の位置をより後方かつ上方へ移動させることができる。これにより、荷下ろし中、先に荷下ろしされた地面上の積載物の塊に後部扉が接触しないようにできる。その結果、全ての積載物を荷箱から短時間で排出することができる。また、地面上の積載物の塊に後部扉が接触することにより後部扉が破損することを防ぐことができる。また、高さ方向の寸法が大きい荷箱を備えたダンプ車両であってもダンプ角度を十分に確保することができる。
【0009】
また、開閉機構は、後部開口部に対する上部扉の動きと上部扉に対する下部扉の動きとを連動させるための連動用ワイヤと、連動用ワイヤを屈曲させるための滑車と、を備えているので、上部扉と下部扉とを連動させる構成を簡単な構成かつ低コストで実現することができる。
【0010】
また、滑車は、第1滑車と第2滑車とを有し、連動用ワイヤは、上端固定部から出発して第1滑車、第2滑車の順に掛け渡されて前記下端固定部に到達するように構成されている。これにより、後部扉に加わる重力の作用によって上部扉が後部開口部に対して開くと、その動きが下部扉に伝達されることによって下部扉を上部扉に対して後方へ跳ね上げることができる。これにより、重力を上部扉の動作だけでなく下部扉の動作にも有効活用することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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