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公開番号2025105845
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2025074308,2022553899
出願日2025-04-28,2021-09-24
発明の名称酸化セリウム及び研磨剤
出願人AGC株式会社
代理人個人
主分類C01F 17/241 20200101AFI20250703BHJP(無機化学)
要約【課題】窒化ケイ素膜を高速研磨可能な酸化セリウム及び研磨剤を提供すること。
【解決手段】酸素と一酸化炭素を用いたCO2の昇温脱離測定により得られたCO2脱離量が、下記(A)~(D)より選択される1種以上を満たす酸化セリウムである。
(A):前記CO-TPDにおいて、700℃以上の範囲でCO2脱離量のピークを少なくも1つを有する。
(B):前記CO-TPDにおいて、CO2の総脱離量が35μmol/g以上である。
(C):前記CO-TPDにおいて、CO2の総脱離量(T)に対する600℃以上の温度領域でのCO2の総脱離量(S)の比(S/T)が0.3以上である。
(D):真密度が5.0~6.8g/cm3の粒子である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
真密度が5.0~6.8g/cm

の粒子である、酸化セリウム。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
アルカリ土類金属及びランタノイド(セリウムを除く)よりなる群から選択される1種以上の金属を含む、請求項1に記載の酸化セリウム。
【請求項3】
前記金属を1~20モル%含む、請求項2に記載の酸化セリウム。
【請求項4】
前記ランタノイドが、ランタンを含む、請求項2又は3に記載の酸化セリウム。
【請求項5】
前記アルカリ土類金属が、バリウム及びストロンチウムよりなる群から選択される1種以上を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の酸化セリウム。
【請求項6】
前記金属を含む酸化セリウムの格子定数から、前記金属を含まない酸化セリウムの格子定数を差し引くことにより得られる値が0.001Å~0.05Åである、請求項2~5のいずれか一項に記載の酸化セリウム。
【請求項7】
酸化セリウムと水を含む研磨剤であって、前記酸化セリウムは真密度が5.0~6.8g/cm

の粒子である、研磨剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化セリウム及び研磨剤に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の高集積化や高機能化に伴い、半導体素子の微細化および高密度化のための微細加工技術の開発が進められている。従来から、半導体集積回路装置(以下、半導体デバイスともいう。)の製造においては、層表面の凹凸(段差)がリソグラフィの焦点深度を越えて十分な解像度が得られなくなるなどの問題を防ぐため、化学的機械的平坦化法(Chemical Mechanical Polishing:以下、CMPという。)を用いて、層間絶縁膜や埋め込み配線等を平坦化することが行われている。素子の高精細化や微細化の要求が厳しくなるにしたがって、CMPによる高平坦化の重要性はますます増大している。
【0003】
また近年、半導体デバイスの製造において、半導体素子のより高度な微細化を進めるために、素子分離幅の小さいシャロートレンチによる分離法(Shallow Trench Isolation:以下、STIという。)が導入されている。
STIは、シリコン基板にトレンチ(溝)を形成し、トレンチ内に絶縁膜を埋め込むことで、電気的に絶縁された素子領域を形成する手法である。図1A及び図1Bを参照して、STIの一例を説明する。図1Aに示すように、シリコン基板1の素子領域を窒化ケイ素膜2等でマスクした後、シリコン基板1にトレンチ3を形成し、トレンチ3を埋めるように二酸化ケイ素膜4等の絶縁膜を堆積する。次いで、CMPによって、凹部であるトレンチ3内の二酸化ケイ素膜4を残しながら、凸部である窒化ケイ素膜2上の二酸化ケイ素膜4を研磨し除去することで、図1Bに示すように、トレンチ3内に二酸化ケイ素膜4が埋め込まれた素子分離構造が得られる。
【0004】
CMPの研磨剤の一つとして、酸化セリウム粒子を含む研磨剤が知られている。
例えば、特許文献1には、特定の水溶性ポリマーと、酸化セリウム粒子と、水を含有し、pHが4~9の研磨剤が開示されている。当該特許文献1の研磨剤によれば、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度を維持しながら、窒化ケイ素膜に対する研磨速度を低く抑えることができる。図1A及び図1Bの例では、窒化ケイ素膜2が研磨のストッパー膜となることで、良好な平坦面が得られる。
【0005】
これとは別に、特許文献2には、排ガスを処理するための触媒などに用いられる熱安定性に優れた金属ドープセリウム組成物を調製する方法として、硝酸イオンの存在下で、セリウム(III)塩、セリウム(IV)および金属の塩を含む溶液を準備し、この溶液を塩基と接触させて沈殿物を形成し、当該沈殿物を熱処理する特定の方法が開示されている。
【0006】
非特許文献1には、水熱合成法によって100面が露出した6面体の酸化セリウムを合成する方法が開示されている。
【0007】
また、非特許文献2には、酸化セリウム結晶表面における触媒のレドックス特性を調べる手法として、CO-TPD(Temperature Programmed Desorption:昇温脱離)測定法が示されている。CO-TPDは、酸化セリウム表面の酸素(O)と、当該表面に吸着する一酸化炭素(CO)により形成される二酸化炭素(CO

)が酸化物表面から脱離するときの脱離温度、およびその脱離量を評価する手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2019-87660号公報
特開2017-529296号公報
【非特許文献】
【0009】
Zili Wu et al., Langmuir 2010, 26(21), 16595-16606
Wu, Z., Li, M., & Overbury, S.H.(2012). On the structure dependence of CO oxidation over CeO2 nanocrystals with well-defined surface planes. Journal of catalysis, 285(1), 61-73.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図2A及び図2Bを参照して、STIの図1A及び図1Bとは別の一例を説明する。図2Aに示すように、シリコン基板1の素子領域上に窒化チタン膜5及び窒化ケイ素膜2がこの順に積層している点が図1Aと異なる。図2Aの例では、図2Bのように酸化ケイ素膜4と共に窒化ケイ素膜2も研磨し除去することが求められることがある。
これに対し、従来の酸化セリウム粒子を含む研磨剤は、酸化ケイ素膜を高速に研磨し、窒化ケイ素膜で研磨速度を抑える用途が一般的で、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜とを同時に高速研磨するものではなかった。
一つの方法として、研磨速度の速い酸化ケイ素膜に作用する添加剤を添加することで、酸化ケイ素膜の研磨を抑制して等速化を図ることが考えられる。しかしながら当該手法は、研磨プロセスの高速化を妨げるという問題があった。
CMPにおいて、十分に高い研磨速度を維持しながら、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素とを等速研磨するために、窒化ケイ素膜を高速研磨できる研磨剤が求められていた。
(【0011】以降は省略されています)

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