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公開番号2025110852
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024013661
出願日2024-01-16
発明の名称三層構造の保護潤滑膜を形成する潤滑油組成物
出願人アルゴット株式会社
代理人個人
主分類C10M 125/10 20060101AFI20250722BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】優れた潤滑性を有し、補償摩耗痕径設定領域において金属表面に摩耗痕を付けない潤滑油組成物の提供。
【解決手段】基油に表面処理を施したナノ粒子酸化チタンを混合し、金属表面に三層からなる多重層潤滑膜を形成することを特徴とする、潤滑油組成物。
特許請求の範囲【請求項1】
基油とナノ粒子酸化チタンからなり、潤滑面(金属同士の接触面)に三層構造の保護潤滑膜を形成する潤滑油組成物。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
ナノ粒子酸化チタンが金属表面に吸着し保護潤滑膜を形成する潤滑油組成物。
【請求項3】
金属表面の凹凸部を埋め平滑性を確保する潤滑油組成物。
【請求項4】
金属同士の摩擦による荷重に対するクッション性を確保する被膜を形成する潤滑油組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
機械システム等における摺動部は、摩擦を繰り返すことにより摩耗が避けられず、摺動部に潤滑不良が生じると、金属部品の使用寿命が短期化するなどの不都合が発生するため、一般に、潤滑剤が使用されている。
既存の潤滑剤には、大別して、極圧添加剤を配合して化学反応により潤滑膜を形成するタイプ(以下、「従来品1」という。)と、固体潤滑剤を配合して物理的によって潤滑膜を形成するタイプ(以下「従来品2」という。)がある。
【0003】
添付資料(株式会社モレスコテクノ作成の2022年12月9日付「分析・試験結果報告書」)は、本発明に係る潤滑油組成物(試料名▲1▼(別紙1))、従来品1(試料名▲3▼(別紙3))及び従来品2(試料名▲2▼(別紙2))の機能を耐荷重能試験(シェル四球試験(ASTM D2783)(株式会社モレスコテクノ実施))により調査した結果であるところ、従来品1及び従来品2は、比較的早い段階から摺動部に摩耗痕を発生させていることが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-45229
【0005】
特許文献1によると、同文献に係る潤滑油組成物によって摺動部の摩擦係数を低減することが可能とされているが、金属部品の使用寿命の長期化や省エネルギーの観点から、更に高い潤滑性が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記を踏まえ、本発明は、実務においてもっとも多用される荷重領域(補償摩耗痕径設定領域)において金属同士の接触面(以下「潤滑面」という。)に摩耗痕を付けない優れた潤滑性を有する潤滑油組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来品1は、熱によって金属と反応し粘着物質(脂肪酸金属塩)を形成するものであり、強力なものほど強い反応を伴い、潤滑面に対し、摩耗のほか、変色等の影響を及ぼすこともある。
また、熱による反応であるため、潤滑面が反応温度に達するまで高い潤滑性能は期待できない。
従来品2は、多くの場合、基油にミクロン径の固体粒子を配合し、粒子の転がり及び崩壊により潤滑性能を発揮するが、強力な粒子ほど硬度が高く、やすりで削っているのと同様になり、潤滑面を摩耗させる可能性が大きくなる。
そこで、潤滑面の直接接触を防止できる強固な被膜を形成する要請が生じる。
【0008】
従来品1は、化学反応で形成された粘着物質が平滑な面を形成するが、物質が消耗していく過程で発生する無潤滑状態が摩耗痕を発生させ、平滑面を長期維持することは困難である。
従来品2は、平滑面の形成よりも粒子の転がりによる動作維持を主眼としており、特に硬度の高い粒子の場合には潤滑面に食い込み摩耗させる弊害がある。粒子の崩壊により凹凸を埋めるとも考えられるが、堆積した崩壊物は平滑を確保する程の強度がなく、結局粒子の転がりを抑制してしまう。
そこで、効率の良い動作を得るため潤滑面の平滑性を確保する要請が生じる。
【0009】
従来品1は、粘着物質によりクッション性を確保するが、同物質は化学反応により発生するため、極圧添加剤の配合量によって寿命が決定されるところ、潤滑面への影響を考えると多く配合することは困難で、長寿命は望めない。
従来品2は、配合された固体潤滑粒子が潤滑面においてクッション性を保つが、潤滑面の表面粗さの関係で粒子が引っ掛かり抵抗を生じさせる。この場合、粒子が崩壊することで応力を逃がすが、崩壊が続くと性能が低下する。粒子の硬度を上げればよいとも考えられるが、硬度を上げると金属面を削り摩耗させる可能性が大きくなってしまう。
そこで、動作による荷重を受け流す程度のクッション性を確保する要請が生じる。
【0010】
上記から、化学的反応を起こさず、粒子により潤滑面を削ることもなく、また、クッション性を十分に確保できる潤滑油組成物が要請される。
本発明者らは、特定の基油に表面処理を施した特定の粒子を配合した潤滑油組成物が潤滑面に三層構造の保護潤滑膜を形成し、これにより上記要請を満たし、補償摩耗痕径設定領域において摩耗痕を付けない非常に優れた潤滑性が得られることを見出し、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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