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公開番号
2025113716
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-04
出願番号
2024008008
出願日
2024-01-23
発明の名称
バインダー成分、エマルジョン、顔料分散液、及び水性インクジェットインク
出願人
大日精化工業株式会社
代理人
個人
主分類
C09D
11/30 20140101AFI20250728BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】顔料の分散性及び保存安定性に優れているとともに、定着性、密着性、耐水性に優れた画像を記録しうる、吐出安定性及び目詰まり回復性に優れた紙媒体印刷用の水性インクジェットインクを調製することが可能なバインダー成分を提供する。
【解決手段】紙媒体に印刷するために用いられる水性インクジェットインクに配合されるバインダー成分であり、以下の(1)~(3)を満たすメタクリレート系ポリマーである。
(1)ポリマーブロックBの数平均分子量に対する、ポリマーブロックAの数平均分子量の比が5.0~15.0であるABブロックコポリマーである。
(2)ポリマーブロックAが、アルキルメタクリレートに由来する構成単位(A-1)を含む水不溶性のポリメタクリレートである。
(3)ポリマーブロックBが、メタクリル酸に由来する構成単位(B-1)を含む、アルカリで中和されて水溶解性となるポリメタクリレートである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
紙媒体に印刷するために用いられる水性インクジェットインクに配合されるバインダー成分であって、
以下の(1)~(3)を満たすメタクリレート系ポリマーであるバインダー成分。
(1)ポリマーブロックA及びポリマーブロックBを有し、
前記ポリマーブロックBの数平均分子量(MnB)に対する、前記ポリマーブロックAの数平均分子量(MnA)の比(MnA/MnB)が、5.0~15.0であり、
分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1~1.6であるABブロックコポリマーである。
(2)前記ポリマーブロックAが、炭素数8~18のアルキル基を有するアルキルメタクリレートに由来する構成単位(A-1)40~70質量%と、
炭素数1~6の直鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレート、分岐アルキルメタクリレート、炭素数6~18のシクロアルキル基を有するシクロアルキルメタクリレート、炭素数6~18のアルキルシクロアルキル基を有するアルキルシクロアルキルメタクリレート、芳香環含有メタクリレート、及び環状エーテル基含有メタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(A-2)と、を含み、
前記構成単位(A-1)と前記構成単位(A-2)の合計の含有量が90質量%以上であり、数平均分子量が5,000~20,000であり、分子量分布が1.05~1.5であり、ガラス転移温度が0℃以下である、水不溶性のポリメタクリレートである。
(3)前記ポリマーブロックBが、メタクリル酸に由来する構成単位(B-1)30~60質量%を含み、
数平均分子量が500~3,000であり、ガラス転移温度が50℃以上であり、アルカリで中和されて水溶解性となるポリメタクリレートである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記ポリマーブロックAが、ラウリルメタクリレートに由来する構成単位(A-1)と、エチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリート、及びイソボルニルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(A-2)と、を含み、
前記ポリマーブロックBが、エチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びイソボルニルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(B-2)をさらに含む請求項1に記載のバインダー成分。
【請求項3】
前記アルカリが、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載のバインダー成分。
【請求項4】
液媒体と、前記液媒体中に分散又は乳化した、ポリマーで形成されたエマルジョン粒子と、を含有するエマルジョンであって、
前記ポリマーが、請求項1~3のいずれか一項に記載のバインダー成分であるメタクリレート系ポリマーであり、
前記液媒体が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、及びテトラエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性溶剤と、水とを含有する水性液媒体であり、
前記メタクリレート系ポリマー100質量部に対する、前記水溶性溶剤の含有量が、5~100質量部であり、
動的光散乱法により測定される前記エマルジョン粒子の数平均粒子径が、20~150nmであるエマルジョン。
【請求項5】
25℃であり、かつ、前記メタクリレート系ポリマーの含有量が25質量%である場合における粘度が、10~100mPa・sである請求項4に記載のエマルジョン。
【請求項6】
請求項4に記載のエマルジョンの製造方法であって、
前記水溶性溶剤20~40質量%、及び前記メタクリレート系ポリマーを構成するモノマー類60~75質量%を含有する反応系でリビングラジカル重合した後、前記アルカリを含有する水溶液を添加して中和し、生成した前記メタクリレート系ポリマーを自己乳化させて前記エマルジョン粒子を形成させることを含むエマルジョンの製造方法。
【請求項7】
顔料、及び前記顔料を分散させる顔料分散剤を含有する顔料分散液であって、
前記顔料分散剤が、以下の(4)~(6)を満たすポリマーである顔料分散液。
(4)ポリマー鎖A及びポリマー鎖Bを有し、
前記ポリマー鎖Aの数平均分子量(MnA)に対する、前記ポリマー鎖Bの数平均分子量(MnB)の比(MnB/MnA)が、1.0~3.0であり、
数平均分子量が6,000~15,000であり、分子量分布が1.2~2.0であるABブロックコポリマーである。
(5)前記ポリマー鎖Aが、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びイソボルニルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(a-1)80質量%以上を含み、
数平均分子量が500~6,000であり、分子量分布が1.1~1.8である、水不溶性のポリメタクリレートである。
(6)前記ポリマー鎖Bが、メタクリル酸に由来する構成単位(b-1)10~40質量%と、
ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びイソボルニルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(b-2)と、を含み、
前記構成単位(b-1)と前記構成単位(b-2)の合計の含有量が90質量%以上であり、数平均分子量が3,000~10,000であり、アルカリで中和されて水溶解性となるポリメタクリレートである。
【請求項8】
紙媒体に印刷するために用いられる水性インクジェットインクであって、
顔料又は前記顔料を顔料分散剤で分散させた顔料分散液、水、水溶性有機溶剤、及びバインダー成分を含有し、
前記バインダー成分が、請求項1~3のいずれか一項に記載のバインダー成分である水性インクジェットインク。
【請求項9】
前記顔料分散液が、請求項7に記載の顔料分散液である請求項8に記載の水性インクジェットインク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バインダー成分、エマルジョン、エマルジョンの製造方法、顔料分散液、及び水性インクジェットインクに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
紙媒体への筆記や印刷には、耐水性等の観点から、有機溶剤系及び水性の顔料インクが使用されている。なかでも、臭気等の不具合や環境対応への観点から、水性インクが用いられる機会が多い。紙媒体への定着性、耐水性、耐擦過性、及びグロス性等の観点から、皮膜を形成するためのバインダー成分がインクに配合されている。そして、紙媒体に画像等を印刷するための水性インクとしては、意匠性を有するとともに、色彩豊かでアピール度の高い印刷物を得ることが可能な水性インクジェットインクが用いられている
【0003】
水性インクジェットインク(以下、単に「インク」とも記す)を搭載したプリンター等の記録装置の用途は、記録装置の高機能化により、個人用、事務用、業務用、記録用、カラー表示用、産業用、パッケージング用、及びカラー写真用と多岐にわたっている。個人用及び事務用の記録装置は、紙媒体への印刷が主体であり、水性インクジェット記録装置として従来使用されている。そして、現在、高速化、高鮮明性、高発色性、及び高微細化に対応すべく、印刷方法、記録ヘッド、及びインク等が盛んに開発されている。
【0004】
インクには、皮膜形成成分であるバインダー成分としてポリマーが配合されている。バインダー成分としてのポリマーをインクに配合することで、定着性、乾燥性、グロス性、高発色性、耐水性、耐薬品性、及び耐マーカー性等の印画物(画像)の特性を発揮させることができる。また、記録ヘッドからの吐出安定性、目詰まり回復性、及び再溶解性等の観点から、低粘度のインクが必要とされており、インクの低粘度化を阻害しないバインダー成分用のポリマーの開発が要求されている。
【0005】
インク用のバインダー成分として、様々なポリマーが開発されている。例えば、スチレン(メタ)アクリレート系、(メタ)アクリレート系、及びウレタン系等のポリマーのエマルジョンや水分散体知られている。そして、スチレン(メタ)アクリレート系及び(メタ)アクリレート系のポリマーとしては、乳化剤を用いたエマルジョン、反応性を有する乳化剤を用いたエマルジョン、及び水溶性ポリマーの存在下でモノマーを重合して得られるエマルジョン等が提案されている(特許文献1~5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4157868号公報
特表2009-515007号公報
特開2018-131548号公報
特開2012-201729号公報
国際公開第2020/213413号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、乳化剤を用いてエマルジョンを調製すると、気泡が発生しやすくなるといった課題が生じやすい。また、乳化剤を用いて調製した従来のエマルジョンを用いて調製したインクの場合、乾燥によって記録ヘッドが目詰まりしやすくなる場合があるとともに、生じた目詰まりを再溶解させることが困難であった。さらに、インクの吐出安定性が低下しやすくなり、得られる画像にムラや筋が生じやすくなることがあった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、顔料の分散性及び保存安定性に優れているとともに、定着性、密着性、耐水性に優れた画像を記録しうる、吐出安定性及び目詰まり回復性に優れた紙媒体印刷用の水性インクジェットインクを調製することが可能なバインダー成分を提供することにある。
【0009】
また、本発明の課題とするところは、このバインダー成分を用いたエマルジョン及びその製造方法、水性インクジェットインク、並びにこの水性インクジェットインクに好適に用いられる顔料分散液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明によれば、以下に示すバインダー成分が提供される。
[1]紙媒体に印刷するために用いられる水性インクジェットインクに配合されるバインダー成分であって、以下の(1)~(3)を満たすメタクリレート系ポリマーであるバインダー成分。
(1)ポリマーブロックA及びポリマーブロックBを有し、
前記ポリマーブロックBの数平均分子量(MnB)に対する、前記ポリマーブロックAの数平均分子量(MnA)の比(MnA/MnB)が、5.0~15.0であり、
分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1~1.6であるABブロックコポリマーである。
(2)前記ポリマーブロックAが、炭素数8~18のアルキル基を有するアルキルメタクリレートに由来する構成単位(A-1)40~70質量%と、
炭素数1~6の直鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレート、分岐アルキルメタクリレート、炭素数6~18のシクロアルキル基を有するシクロアルキルメタクリレート、炭素数6~18のアルキルシクロアルキル基を有するアルキルシクロアルキルメタクリレート、芳香環含有メタクリレート、及び環状エーテル基含有メタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(A-2)と、を含み、
前記構成単位(A-1)と前記構成単位(A-2)の合計の含有量が90質量%以上であり、数平均分子量が5,000~20,000であり、分子量分布が1.05~1.5であり、ガラス転移温度が0℃以下である、水不溶性のポリメタクリレートである。
(3)前記ポリマーブロックBが、メタクリル酸に由来する構成単位(B-1)30~60質量%を含み、
数平均分子量が500~3,000であり、ガラス転移温度が50℃以上であり、アルカリで中和されて水溶解性となるポリメタクリレートである。
[2]前記ポリマーブロックAが、ラウリルメタクリレートに由来する構成単位(A-1)と、エチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリート、及びイソボルニルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(A-2)と、を含み、前記ポリマーブロックBが、エチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びイソボルニルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(B-2)をさらに含む前記[1]に記載のバインダー成分。
[3]前記アルカリが、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]又は[2]に記載のバインダー成分。
(【0011】以降は省略されています)
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