TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025115911
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2024010629
出願日
2024-01-28
発明の名称
フロントフォーク内蔵油圧緩衝器
出願人
株式会社オリジナルボックス
代理人
個人
主分類
F16F
9/20 20060101AFI20250731BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】自動二輪車などのフロントフォークに内蔵され、内部で発生するキャビテーションを抑制し、伸縮作動に応じた所要な減衰力を発生するフロントフォーク内蔵油圧緩衝器を提供することにある。
【解決手段】車体側に連結されるインナーチューブ80と車輪側に連結されるアウターチューブ90とで閉塞された自動二輪車のフロントフォークに内設される油圧緩衝器100であって、インナーチューブ80に吊設されたピストンロッド10と、アウターチューブ90に垂設固定されるワーキングシリンダ20と、ピストンロッド10に貫設され減衰力を発生させるメインピストン部70と、ピストンロッド10の先端部に貫設された加圧ピストン部71とを有し、ピストンロッド10の両端がメインシリンダ領域20Aから其々突出するスルーロッド形式の油圧緩衝器。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
車体側に連結されるインナーチューブと車輪側に連結されるアウターチューブとで閉塞された自動二輪車のフロントフォークに内設される油圧緩衝器であって、前記油圧緩衝器は前記インナーチューブの中心位置に吊設されたピストンロッドと、前記アウターチューブの中心位置に垂設固定されるワーキングシリンダと、前記ピストンロッドに貫設され減衰力を発生させるメインピストン部と、同じく前記ピストンロッドの先端部近傍に貫設され作動油を加圧する加圧ピストン部とを有し、前記ピストンロッドの両端が前記ワーキングシリンダ内に画成され前記メインピストン部の作動領域であるメインシリンダ領域から其々突出するスルーロッド形式の油圧緩衝器であることを特徴とするフロントフォーク内臓油圧緩衝器。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記フロントフォークの内部には、作動油が所要高さまで満たされたリザーバータンク部の油室と、大気圧の空気が満たされた空気室とを有し、前記ワーキングシリンダは前記メインシリンダ領域の下方に延設された加圧シリンダ領域と、前記加圧シリンダ領域と前記リザーバータンク部との間に作動油の流通が可能となる連通孔とを有し、前記メインピストン部はメインピストンと圧側減衰バルブと、伸び側減衰バルブとを有し、前記加圧ピストン部は加圧ピストンと、前記リザーバータンク部から前記加圧シリンダ領域へ作動油が流入を許容すると共にその逆流を阻止するチェックバルブと、作動油の加圧用の加圧バルブとを有することを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク内臓油圧緩衝器。
【請求項3】
前記ワーキングシリンダの上端部に嵌合され前記ピストンロッドを摺動自在に貫通させるトップキャップと、前記ワーキングシリンダの所要位置に配設され前記メインシリンダ領域と前記加圧シリンダ領域とを区画すると共に、前記ピストンロッドを貫通させるボトムキャップとを有し、前記トップキャップは前記ピストンロッドを摺動自在とするための軸受部材と、作動油や気泡の流出も可能となる摺動隙間とを有し、前記ボトムキャップは前記ピストンロッドを摺動自在とするための軸受部材と、液密性を得るためのシール部材と、前記加圧シリンダ領域から前記メインシリンダ領域への作動油の流入を許容し逆流は阻止するチェックバルブとを有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフロントフォーク内臓油圧緩衝器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車などのフロントフォークに内蔵される油圧緩衝器に関し、詳しくは、シリンダ内やリザーバータンク内で発生するキャビテーションを抑制し、伸縮作動に応じた所要な減衰力を発生するフロントフォークに内蔵される油圧緩衝器に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動二輪車などのフロントフォークに内蔵される油圧緩衝器としてアウターチューブ内にインナーチューブを摺動自在に挿入し、インナーチューブの下端部にボトムピースを嵌装し、このボトムピースからインナーチューブ内にダンパシリンダ(ワーキングシリンダ)を立設し、このダンパシリンダ(ワーキングシリンダ)の下端部には内外を連通する油孔(連通孔)を形成した油圧緩衝器が公開されている。
【0003】
この特許文献1に記載の従来の油圧緩衝器は、図2に示すように、圧縮工程でピストンロッド1がワーキングシリンダ2に進入すると、油室3B内の作動油の一部がピストン部圧側流路7Dを通過し、ピストン部チェックバルブ7Cを開弁して油室3Aに移動する。さらに、ピストンロッド1の進入による体積増加分で、ワーキングシリンダ2の油室3A,3B内の油圧が上昇する。そして、油圧が上昇し所要圧力に達した作動油は、ボトム部圧側流路4Aを通過し、ボトム部バルブ4Bを押し広げ、ワーキングシリンダ2の外部である油室3Cに流出し、圧側の減衰力を発生させる構成となっている。
【0004】
また、特許文献1に記載の従来の油圧緩衝器は、図3に示す伸び工程では、ピストンロッド1がワーキングシリンダ2から退出し、ピストン7より上方の油室3Aの作動油が、ピストン部伸側流路7Aを通過しピストン部バルブ7Bを押し広げ、ピストン7より下方の油室3Bへ流入し伸び側の減衰力を発生させ、退出したピストンロッド1の体積減少分を補給するための作動油を、リザーバータンクの油室3Cからワーキングシリンダ2内の油室3Bへ補給通路4Dを経由し、ボトム部チェックバルブ4Cを開弁して流入させる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
実開平3-35337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の油圧緩衝器200は、図2に示す圧縮工程で圧側の減衰力をボトム部バルブ4Bだけで発生させるために、ワーキングシリンダ2の油室3A,3Bが高圧となる。一方、リザーバータンクの油室3Cは略大気圧であるために、ボトム部圧側流路4Aを通過し、ボトム部バルブ4Bを押し広げ流出した作動油は、一気に、高圧から大気圧に減圧されることで、リザーバータンクの作動油中に気泡6が発生するキャビテーションが引き起こされることがある。
【0007】
さらに、キャビテーションでリザーバータンクの作動油中に気泡6が発生した、従来の油圧緩衝器200は、図3に示す伸び工程に移行すると、作動油が油室3Cから油室3Bへ流入すると同時に気泡6も油室3Bに流入する問題がある。
【0008】
また、キャビテーションが発生すると、伸び工程で油室3Bへ補給される作動油の量が、油室3Bへ流入する気泡6の体積分だけ不足する。また、油室3B内に気泡6が流入した状態で、さらに圧縮工程に移行すると、ピストンロッド1がワーキングシリンダ2に進入しても、気泡6が圧縮されるだけで、作動油がリザーバータンクの油室3Cへ流出せず、圧側の減衰力が発生しない遊びのストローク域が発生する問題もある。
【0009】
この圧縮工程終了時点で、ピストン7より下方の油室3Bの作動油量が不足していたことに伴い、ピストン7より上方の油室3Aの作動油量も不足している状態になっている。次に、伸び工程に移行して、ピストンロッド1がワーキングシリンダ2から退出し、油室3Aの作動油がピストン7で圧縮されても、油室3Aの作動油の圧力が直ぐに上昇せず、伸び側の減衰力も発生しない遊びのストローク域が発生すると同時に、ピストン7より下方の油室3Bでは気泡6がふくらみボトム部チェックバルブ4Cが開くタイミングが遅れることで、作動油の補給量はさらに不足し、不足する度合いは増幅する。
【0010】
上述のように、従来の油圧緩衝器200は、作動油の圧力差を利用してボトム部チェックバルブ4Cの開閉を行うために、一度キャビテーションが発生すると作動油の移動遅れが発生して、作動油の補給が上手くできない問題があり、さらに、キャビテーションによって発生する気泡6の影響によって、ピストンロッド1の伸縮作動に対応した所要の減衰力が発生しない遊びのストローク域が発生する問題もある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る