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公開番号
2025116895
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-12
出願番号
2024011403
出願日
2024-01-30
発明の名称
作業監視システム
出願人
中国電力株式会社
代理人
弁理士法人光陽国際特許事務所
主分類
G08B
21/02 20060101AFI20250804BHJP(信号)
要約
【課題】電線路の作業において、作業許容エリアの逸脱や充電部への接近を効果的に監視することが可能な作業監視システムを提供する。また、作業対象となる電線路を誤認することなく特定可能とする。
【解決手段】作業者3の各部位にGPS内蔵の身体センサ4を取り付け、身体センサ4と連携する作業者用端末5を作業者3に装着させる。作業者用端末5に、作業対象回線および作業許容エリアを記憶させ、身体センサ4が作業許容エリアを逸脱した場合に、作業許容エリアを逸脱した身体センサ4が取り付けられている部位(逸脱部位)を表示させると共に警報を発出させる。また、身体センサ4が充電部に所定距離より接近した場合に、充電部に接近した身体センサ4が取り付けられている部位(接近部位)を表示させると共に警報を発出させる。回線名が記録されたコードを表示するコード標識を設け、作業者用端末でこれを読み取ることで、作業対象回線と照合可能とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
作業者の各部位に取り付けられたGPS内蔵の身体センサと、
前記身体センサと連携する前記作業者が装着する作業者用端末と、を備え
前記作業者用端末は、
設定された作業対象回線および作業許容エリアを記憶する作業関連情報記憶手段と、
前記身体センサが前記作業許容エリアを逸脱した場合に、前記作業許容エリアを逸脱した身体センサが取り付けられている部位を表示すると共に警報を発出させる逸脱警報発出手段と、
前記身体センサが充電部に所定距離より接近した場合に、前記充電部に接近した身体センサが取り付けられている部位を表示すると共に警報を発出させる接近警報発出手段と、
を具備することを特徴とする作業監視システム。
続きを表示(約 470 文字)
【請求項2】
前記作業対象回線を支持する鋼構造物に設置されて回線名が記録されたコードが表示されているコード標識を備え、
前記作業者用端末は、前記コード標識を読み取ることで、前記作業関連情報記憶手段に記憶された前記作業対象回線と照合する照合手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の作業監視システム。
【請求項3】
前記身体センサが取り付けられた各部位は、少なくとも頭部、腕部、脚部であることを特徴とする請求項1又は2記載の作業監視システム。
【請求項4】
前記作業者用端末と通信可能な監視用端末を備え、前記作業対象回線および作業許容エリアは、前記監視用端末によって設定され、前記監視用端末には前記作業者用端末と同じ内容が表示可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の作業監視システム。
【請求項5】
前記作業者用端末は、前記監視用端末からの昇塔指示を得る前に前記作業者が昇塔していることを判定した場合に、警報を発出することを特徴とする請求項4記載の作業監視システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、変電所の鉄構上等で電線路の作業を行う場合等に有効な作業監視システムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
発変電所や開閉所内の主母線、送電線および変圧器への分岐線を支持するための鋼構造物である鉄構(屋外鉄構)は、停電部分と充電部分が複雑に混在した状態となっているため、鉄構上での停電作業においては、充電部分には近づかないようにする必要がある。
そこで、従来においては、鉄構上で電線路の停電作業を行う場合、制御所から聞き取った操作情報と現地の開閉器状態を目視で確認し、鉄構に取り付けられた「母線・回線方向標識板」により停電している電線路を判断している。
【0003】
図8(a)に示す例では、A線1LとA線2Lの2つの回線が並設され、これに直交して甲母線と乙母線が並設されている鉄構の例が示されている。鉄構の夫々の支柱に対して、同図(b)に示されるように、回線(A線)の延設方向で支柱を前後から見た方向をa及びcとし、母線の延設方向で支柱を前後から見た方向をb及びdとすると、鉄構の(1)~(3)で示す箇所において、支柱をa方向、b方向、c方向、d方向から見た場合に母線・回線方向標識板の見え方は、図8(c)に示されるようになる。
【0004】
例えば、電線路の停電作業を行う場合、停電作業の対象となっている電線路が、例えば、甲母線、A線2Lの部分だとすると、作業者が(1)の付近にいると、a側から見て右側がA線2Lであり、d側から見て右側が甲母線であるから、図8(a)中の右上のエリアが甲母線、A線2Lのエリアだと特定できる。
このように制御所から聞いた情報を基に、現地に設置されている「母線・回線方向標識板」を頼りに慎重に作業場所を特定するようにしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電線路の作業は、停電作業のみではなく、充電している回線に対して、活線近接作業を行ったり、活線近接作業距離内に入る恐れがない作業を行ったりする場合もあり、それぞれに応じて安全離隔距離の設定(作業許容エリアの設定)が異なってくる。このため、作業の形態に応じて(停電作業、活線近接作業、活線近接作業なしに合せて)、適切な離隔距離の確保が必要となるが、作業者自身でこれを管理することは必ずしも容易ではない。この点、監視者による監視によって対応することも可能であるが、監視者による人的な判断ミスも懸念されるため、より確実な安全対策が望まれる。
【0006】
また、作業対象の特定においても、従来においては、制御所から聞いた情報を基に、現地に設置されている「母線・回線方向標識板」を頼りに人的に特定しているため、標識板を誤認した場合には、感電災害等の重大な事故につながる虞がある。特に、標識板は、見る方向が異なれば表示されている情報も異なるため、人為的な判断ミスが生じやすい。
【0007】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、電線路の作業において、作業許容エリアの逸脱や充電部への接近監視を効果的に行うことが可能な作業監視システムを提供することを主たる課題としている。また、作業対象となる電線路を誤認することなく容易に特定することをも課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明に係る作業監視システムは、
作業者の各部位に取り付けられたGPS内蔵の身体センサと、
前記身体センサと連携する前記作業者が装着する作業者用端末と、を備え
前記作業者用端末は、
設定された作業対象回線および作業許容エリアを記憶する作業関連情報記憶手段と、
前記身体センサが前記作業許容エリアを逸脱した場合に、前記作業許容エリアを逸脱した身体センサが取り付けられている部位(逸脱部位)を表示すると共に警報を発出させる逸脱警報発出手段と、
前記身体センサが充電部に所定距離より接近した場合に、前記充電部に接近した身体センサが取り付けられている部位(接近部位)を表示すると共に警報を発出させる接近警報発出手段と、
を具備することを特徴としている。
【0009】
したがって、作業者は、設定された作業対象回線に対して、設定された作業許容エリア内で作業をすればよいが、作業中に何らかの事情で身体センサが作業許容エリアから逸脱した場合には、逸脱警報発出手段により、作業者用端末に逸脱部位が表示されると共に、警報が発出される。また、作業中に何らかの事情で身体センサが充電部に所定の距離より接近した場合には、接近警報発出手段により、作業者用端末に接近部位が表示されると共に、警報が発出される。このため、作業者の安全な作業が確保される。
【0010】
ここで、身体センサは、少なくとも頭部、腕部、脚部に設けられることが望ましい。頭部、腕部、脚部のいずれか1つだけを取り付けた場合でも、作業の安全性を向上させることはできるが、安全な作業を担保するためには、考えられる動きをカバーするために、身体の各部位に設けることが好ましい。このため、身体センサは、上記3箇所に限定されず背中や腰等にも取り付けてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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