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公開番号2025117545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2025004325
出願日2025-01-10
発明の名称ガスタービンエンジン用の自己加圧式アンモニア燃料供給システムおよび方法
出願人ジーイー・ベルノバ・テクノロジー・ゲーエムベーハー,GE Vernova Technology GmbH
代理人個人,弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
主分類F02C 7/224 20060101AFI20250804BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ガスタービンエンジン用の自己加圧式アンモニア燃料供給システムおよび方法を提供する。
【解決手段】発電システム(100)は、燃焼器(106)を含む回転機械(102)と、燃焼器(106)に液体アンモニア燃料を供給するように構成された燃料供給システム(114)とを含む。燃料供給システム(114)は、燃焼器(106)に結合された燃料供給ライン(116)、燃焼器(106)の上流側で燃料供給ライン(116)上に配置された供給タンク(118)、液体アンモニア燃料を収容するサイズの供給タンク(118)、供給タンク(118)内のアンモニア蒸気圧が、液体アンモニア燃料を供給タンク(118)から燃焼器(106)に向かって駆動させるのに十分であるように、供給タンク(118)内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成された熱交換器(128)を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
発電システム(100)であって、
燃焼器(106)を含む回転機械(102)と、
燃焼器(106)に液体アンモニア燃料を供給するように構成された燃料供給システム(114)とを含み、
燃料供給システム(114)は、
燃焼器(106)に結合された燃料供給ライン(116)と、
燃焼器(106)の上流の燃料供給ライン(116)に配置された供給タンク(118)であって、供給タンク(118)は、液体アンモニア燃料をその内部に収容するサイズである、供給タンク(118)と、
供給タンク(118)内のアンモニア蒸気圧が、液体アンモニア燃料を供給タンク(118)から燃焼器(106)に向かって駆動させるのに十分であるように、供給タンク(118)内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成された熱交換器(128)と、を含む、発電システム(100)。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
熱交換器(128)は、供給タンク(118)の加熱ジャケットである、請求項1に記載の発電システム(100)。
【請求項3】
回転機械(102)は、燃焼器(106)と、燃焼器(106)に結合されたタービン(108)とを備えるガスタービンエンジンであり、タービン(108)は、排気ガスを発生するように構成される、請求項1に記載の発電システム(100)。
【請求項4】
タービン(108)からの排気ガスを熱交換器(128)に向けて再循環させるように構成された排気ガス再循環システム(202)をさらに含み、熱交換器(128)は、排気ガスを使用して供給タンク(118)内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成される、請求項1に記載の発電システム(100)。
【請求項5】
複合サイクル発電所(300)であって、
請求項1乃至4のいずれかに記載の発電システム(100)と、
ガスタービンエンジンに結合された熱回収蒸気発生器(HRSG、304)と、
を含み、
熱交換器(128)が、HRSG(304)によって生成された蒸気を使用して供給タンク(118)内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成される、複合サイクル発電所(300)。
【請求項6】
HRSG(304)に結合された蒸気タービン(306)をさらに含む、請求項5に記載の複合サイクル発電所(300)。
【請求項7】
燃料供給システム(114)がさらに始動用スキッド(134)を含み、
始動用スキッド(134)は、
燃料ポンプ(150)を含む始動ライン(146)と、
燃料ポンプ(150)の周囲のバイパスライン(148)と、
制御バルブ(152)であって、供給タンク(118)内のアンモニア蒸気圧に基づいて、液体アンモニア燃料を供給タンク(118)から始動ライン(146)とバイパスライン(148)のうちの1つに選択的に流すように構成された制御バルブ(152)と、を備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の発電システム(100)。
【請求項8】
供給タンク(118)内のアンモニア蒸気圧に基づいて制御バルブ(152)を動作させるように構成されたコントローラ(136)をさらに備える、請求項7に記載の発電システム(100)。
【請求項9】
熱交換器(128)は、供給タンク内の液体アンモニア燃料を少なくとも20℃、任意で125℃の温度まで加熱するように構成される、請求項1に記載の発電システム(100)。
【請求項10】
熱交換器(128)は、供給タンク(118)内のアンモニア蒸気圧が少なくとも15バール絶対圧、任意で100バール絶対圧となるように、供給タンク(118)内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成される、請求項1に記載の発電システム(100)。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本技術分野は、概してガスタービンエンジンに関し、さらに詳細には、ガスタービンエンジンにアンモニア燃料を供給するためのシステムおよび方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、産業および発電の分野で広く使用されている。従来のガスタービンエンジンは、圧縮機、圧縮機の下流に1つまたは複数の燃焼器、および燃焼器の下流にタービン(例えば、膨張タービン)を含む。周囲空気などの作動流体は、圧縮機に流入し、そこで圧縮されてから燃焼器に流入する。圧縮された作動流体は燃料と混合され、燃焼器内で燃焼して燃焼ガスを発生させ、その燃焼ガスはタービンを通って膨張し、シャフトを回転させて電力を発生させる。
【0003】
燃焼ガスには、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、未燃焼炭化水素などの様々な燃焼副生成物が含まれる可能性がある。このような排出量を低減することは困難である可能性がある。なぜなら、燃焼中の作業温度および酸素量を減少させてNOxの生成を低減すると、COおよび未燃焼炭化水素のレベルが上昇する可能性があるからである。このような排出量をさらに低減するための最近の取り組みには、燃焼燃料源としてアンモニアを使用することが含まれる。アンモニアベースの燃料は、燃焼時に炭素ベースの排出物を生成しないという利点がある。
【0004】
ガスタービンエンジンなどの燃焼エンジンにおけるアンモニアベースの燃料の使用は、いくつかの技術的課題をもたらす。例えば、燃焼器セクションに燃料を供給するために一般的に使用される燃料ポンプは、アンモニア燃料を燃焼器セクションに供給するには適していない可能性がある。アンモニアは比較的高い蒸気圧(relatively high vapor pressure)を有しており、燃料ポンプによって行われる機械的作用により、液体アンモニア燃料の流れの中にアンモニアの気泡が発生する可能性がある。液体アンモニア燃料の流れに巻き込まれた(entrained:取り込まれた)気体アンモニアは、燃焼器セクションにおける炎の伝播に悪影響を及ぼしたり、望ましくない燃焼ダイナミクスを引き起こしたりする可能性がある。アンモニアは腐食性の化学物質でもあり、燃料として使用すると、部品の耐用年数を維持するために、燃料供給部品(例えば燃料ポンプ)をアンモニアと適合性のある耐腐食性材料で製造する必要があるため、装置および材料コストが大幅に増加する可能性がある。したがって、アンモニア燃料を燃焼エンジンに統合するには課題が残っている。
【0005】
したがって、ガスタービンエンジンにおけるアンモニア燃料の使用を促進し、上述の課題に対処するシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
ある実施態様では、発電システムが提供される。発電システムは、燃焼器を含む回転機械と、液体アンモニア燃料を燃焼器に供給するように構成された燃料供給システムとを含む。燃料供給システムは、燃焼器に結合された燃料供給ラインと、燃焼器の上流の燃料供給ラインに配置された供給タンクとを含み、供給タンクは、液体アンモニア燃料をその中に受容するようにサイズ決めされ、供給タンク内のアンモニア蒸気圧が、液体アンモニア燃料を供給タンクから燃焼器に向かって駆動するのに十分であるように、供給タンク内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成された熱交換器を含む。
【0007】
別の態様では、複合サイクル発電所が提供される。複合サイクル発電所は、燃焼器、ガスタービンエンジンに結合された熱回収蒸気発生器(HRSG)、およびガスタービンエンジンに液体アンモニア燃料を供給するように構成された燃料供給システムを含むガスタービンエンジンを含む。燃料供給システムは、ガスタービンエンジンに連結された燃料供給ライン、ガスタービンエンジンより上流側の燃料供給ラインに配置された供給タンクであって、供給タンクは、液体アンモニア燃料を収容するサイズである供給タンクと、供給タンク内のアンモニア蒸気圧が液体アンモニア燃料を供給タンクからガスタービンエンジンに向かって駆動させるのに十分となるように、供給タンク内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成された熱交換器とを含み、熱効率は、HRSGによって生成された蒸気を使用して供給タンク内の液体アンモニア燃料を加熱するように構成される。
【0008】
別の態様では、液体アンモニア燃料を回転機械に供給する方法が提供される。この方法は、液体アンモニア燃料を供給タンクに流すこと、供給タンク内の液体アンモニア燃料を加熱して供給タンク内のアンモニア蒸気圧を高めること、および供給タンク内のアンモニア蒸気圧を利用して液体アンモニア燃料を供給タンクから回転機械の燃焼器に向かって駆動することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示によるこれらおよびその他の特徴、側面、利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと、よりよく理解されるであろう。図面全体を通して、同様の文字は同様の部品を表す。
例示的な燃料供給システムを含む発電システムの概略図である。
図1の例示的な燃料供給システムと、燃料供給システムに結合された排気ガス再循環システムとを含む、別の発電システムの概略図である。
図1の例示的な燃料供給システムを含む複合サイクル発電所の概略図である。
図1の発電システムの一部の概略図であり、図1~3の燃料供給システムに含まれる可能性がある例示的な始動用スキッドをより詳細に示すものである。
図1~3の発電システムに関連するガスタービンエンジンなどの回転機械に液体アンモニア燃料を供給する例示的な方法のフローチャートである。
【0010】
特に断りのない限り、本明細書に提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を例示することを意図している。これらの特徴は、本開示の1つ以上の実施形態を含む広範なシステムに適用可能であると考えられる。そのため、図面は、本明細書に開示される実施形態の実施に必要な、当業者に周知のすべての従来の特徴を含むことを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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