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公開番号2025118433
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024013746
出願日2024-01-31
発明の名称脂質によるApoEの測定阻害の抑制に用いるための組成物およびその用途
出願人富士レビオ株式会社,フジレビオ ユーロープ ナームローゼ フェンノートシャップ
代理人弁理士法人レクシード・テック
主分類G01N 33/531 20060101AFI20250805BHJP(測定;試験)
要約【課題】脂質によるアポリポプロテインE(ApoE)の測定阻害作用を抑制可能な組成物を提供する。
【解決手段】本開示の脂質によるApoEの測定阻害の抑制に用いるための組成物は、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む、脂質によるアポリポプロテインE(ApoE)の測定阻害の抑制に用いるための組成物。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記界面活性剤は、胆汁酸もしくはその誘導体またはそれらの塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤が、コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、もしくはタウロデオキシコール酸、またはそれらの塩である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ApoEは、ApoE4、および/または、全ApoEである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
ステロイド骨格を有する界面活性剤と、
アポリポプロテインE(ApoE)の測定試薬とを含む、ApoEの測定に用いるためのキット。
【請求項6】
ステロイド骨格を有する界面活性剤の存在下で、対象の試料とApoEの測定試薬とを接触させて、前記試料中のApoEを測定する測定工程を含む、ApoEの測定方法。
【請求項7】
前記測定工程は、
ステロイド骨格を有する界面活性剤の存在下で、前記試料と、ApoEに対する第1の結合分子とを接触させて、前記試料中のApoEと前記第1の結合分子との第1の複合体を形成する第1の複合体形成工程と、
前記第1の複合体と、ApoEに対する第2の結合分子とを接触させて、前記第1の複合体と前記第2の結合分子との第2の複合体を形成する第2の複合体形成工程と、
前記第2の複合体を測定することにより、前記試料中のApoEを測定する複合体測定工程とを含む、請求項6に記載の測定方法。
【請求項8】
前記第1の結合分子は、担体に担持されている、請求項7に記載の測定方法。
【請求項9】
前記界面活性剤は、胆汁酸もしくはその誘導体またはそれらの塩である、請求項6または7に記載の測定方法。
【請求項10】
前記界面活性剤が、コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、もしくはタウロデオキシコール酸、またはそれらの塩である、請求項9に記載の測定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、脂質によるApoEの測定阻害の抑制に用いるための組成物およびその用途に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
アポリポプロテインE(ApoE)は、コレステロール等の脂質の輸送および代謝に関わる糖タンパク質であり、ヒトApoEの成熟タンパク質は、299アミノ酸から構成されることが知られている。APOE遺伝子には、3つの異なるApoEタンパク質アイソフォーム(ApoE2、ApoE3、ApoE4)をコードする3つの異なる対立遺伝子(ε2、ε3、ε4)がある。3つのApoEアイソフォームは、112番目のアミノ酸残基と158番目のアミノ酸残基とが、それぞれ異なる。ApoE2は、いずれもシステイン(Cys112/Cys158)であり、ApoE3は、Cys112/Arg158であり、ApoE4は、Arg112/Arg158である。これらの対立遺伝子の組合せによって、3つのホモ接合型(E2/E2; E3/E3; E4/E4)と、3つのヘテロ接合型(E2/E3; E3/E4; E2/E4)とが生じる。
【0003】
APOE対立遺伝子は、アルツハイマー病の発症リスクと相関があることが知られている(特許文献1)。2つのAPOE4対立遺伝子の保有者(ホモ接合型E4/E4)では、アルツハイマー病(AD)の発症リスクが、非保有者と比較して、10倍以上高い。また、1つのAPOE4対立遺伝子の保有者(ヘテロ接合型)においても、非保有者と比較して、ADの発症リスクが数倍以上高い。APOE対立遺伝子が、AD発症年齢にも影響を与えることが知られている。このため、APOE4対立遺伝子の保有の有無を調べることは、アルツハイマー病の発症リスクの予測に重要である。
【0004】
さらに、APOE4対立遺伝子型は、ADの疾患修飾療法(DMT)を受けている患者に対し、副作用であるアミロイド関連画像異常(Amyloid-related imaging abnormalities :ARIA)を引き起こすリスク因子として報告されている(非特許文献1)。このため、APOE遺伝子の遺伝子型判定および表現型判定の重要性が増している。
【0005】
APOE4対立遺伝子の検出方法は、核酸検査が主に用いられている。この他に、APOE4対立遺伝子の検出方法は、ApoE4タンパク質をイムノアッセイによって測定し、ApoE4の有無を調べる方法、ApoE4タンパク質とApoEタンパク質をそれぞれイムノアッセイによって測定し、その比率からホモ接合型E4/E4か否かを調べる方法が知られている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第1994/009155号公報
【非特許文献】
【0007】
Cummings, J., Apostolova, L., Rabinovici, G.D. et al., “Lecanemab: Appropriate Use Recommendations.”, J. Prev. Alzheimers Dis., 2023, 10, pages 362-377
Yuri T, Degrieck R, Minczakiewicz D, Sato H, Kamada J, Nakazawa T, et al. “Estimation of the allelic status of apolipoprotein E4 isoforms with fully automated LUMIPULSE(登録商標) assays.” Explor Neurosci. 2023;2: pages238-244
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明者らは、血液試料におけるApoEタンパク質を測定したところ、ApoEの含有量が同じでも、由来するヒトによって、ApoEタンパク質の測定結果が大きく変動すること、すなわち、測定の阻害が生じることを見出した。また、本発明者らは、前記測定阻害(測定干渉)が、脂質に起因するとの知見を得た。
【0009】
そこで、本開示は、脂質によるApoEタンパク質の測定阻害の抑制に用いるための組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本開示の脂質によるApoEタンパク質の測定阻害の抑制に用いるための組成物は、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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