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公開番号
2025118442
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2024013757
出願日
2024-01-31
発明の名称
メタン生成装置、メタン生成方法および発電システム
出願人
住友重機械工業株式会社
代理人
弁理士法人雄渾
主分類
C10L
3/08 20060101AFI20250805BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】バイオメタネーションによるメタンガスの生成において、メタンガスを活用する使用箇所で要求される適正濃度でメタンガスの供給を可能とするメタン生成装置およびメタン生成方法の提供、並びに、このメタン生成装置を活用した発電システムを提供する。
【解決手段】本発明によるメタン生成方法は、バイオメタネーションに基づくメタン生成を行うメタン生成方法であって、水素ガスとバイオガスが供給され、メタネーション反応を行う反応工程と、任意のメタン濃度のメタンガスを得るために、メタネーション反応効率を抑える制御工程を含む。このメタン生成方法によれば、メタンガスの使用箇所に応じた適正濃度でメタンガスを供給することができる。本発明による発電システムは、本発明によるメタン生成装置から得られたメタンガスを利用する。この発電システムによれば、既設のガス発電機を交換しなくても、メタン生成装置を高効率化できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
バイオメタネーションに基づくメタン生成を行うメタン生成装置であって、
水素ガスとバイオガスが供給され、メタネーション反応を行う反応部と、
任意のメタン濃度のメタンガスを得るために、メタネーション反応効率を抑える制御手段と、を備えることを特徴とする、メタン生成装置。
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
前記制御手段は、前記反応部への水素ガス供給量の制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載のメタン生成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記反応部内でメタン菌が維持できる程度に水素ガスの供給を継続することを特徴とする、請求項2に記載のメタン生成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記反応部へのバイオガス供給量の制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載のメタン生成装置。
【請求項5】
バイオメタネーションに基づくメタン生成を行うメタン生成方法であって、
水素ガスとバイオガスが供給され、メタネーション反応を行う反応工程と、
任意のメタン濃度のメタンガスを得るために、メタネーション反応効率を抑える制御工程を含むことを特徴とする、メタン生成方法。
【請求項6】
請求項1に記載のメタン生成装置から得られたメタンガスを利用することを特徴とする、発電システム。
【請求項7】
バイオメタネーションに基づくメタン生成を行うメタン生成方法であって、
水素ガスと二酸化炭素を含むガスが供給され、メタネーション反応を行う反応工程と、
任意のメタン濃度のメタンガスを得るために、メタネーション反応効率を抑える制御工程を含み、
生成されたメタンガスとバイオガスを混合する工程を更に含むことを特徴とする、メタン生成方法 。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオメタネーションによりメタン生成を行うメタン生成装置およびメタン生成方法、並びにこのメタン生成装置で得られるメタンガスを利用する発電システムに関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、種々の有機性廃棄物や排水に対し、微生物を利用したメタン発酵によって分解、減容化に係る処理を行うと共に、このとき発生するメタンガスを回収して利用することに関する技術開発が盛んになっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、有機性廃棄物をメタン発酵させてメタンガスを発生させる装置において、メタン発酵槽から発生する消化ガス中の水素分圧を測定する手段と、該消化ガスから水素を除去する手段と、水素が除去された残留ガスを該メタン発酵槽へ還流する手段とを備えることにより、メタン発酵槽内の水素分圧を低下させて有機酸の酢酸への分解を促進し、有機酸の蓄積を解消することで酸敗状態の発生阻止を図り、長期間にわたって安定的で高い分解率のメタン発酵を可能とすること、および、発生させたメタンガスを発電設備に送り、電力の燃料として有効利用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるように、従来、メタン発酵によってメタンガスを発生させ、さらに発生させたメタンガスを利用する技術においては、メタン発酵を安定的に進行させ、その処理効率を高めることに注力されてきた。
【0006】
また、メタン発酵により発生するガス(いわゆるバイオガス)には、メタン以外に二酸化炭素が含まれること、そして、メタン発酵に関与する微生物であるメタン生成菌の中には、水素の酸化と二酸化炭素の還元によってメタンを生成するものが存在していることが知られており、メタン発酵によって発生したバイオガス中の二酸化炭素に対して水素を供給することで更にメタン生成を進行させ、嫌気処理全体として生成するバイオガス中のメタン収率を高めることが行われている。
ここで、メタン生成菌を用いて二酸化炭素と水素からメタンを生成する技術は、バイオメタネーションと呼ばれているが、二酸化炭素を消費することでエネルギー源として有用であるメタンを生成することから、バイオガス中のメタン収率向上だけではなく、環境への二酸化炭素排出を抑制するという脱炭素の取組みにも寄与できる技術としても期待される。
【0007】
一方、メタン発酵(バイオメタネーションを含む)により発生したメタンガスの活用を鑑みると、必ずしもメタン発酵により生成・供給されるメタンガス濃度は高ければ高いほどよいというものではなく、メタンガスを活用する使用箇所(メタンガスを利用する各種装置・設備など)に応じた濃度で供給されることが望ましい。例えば、メタンガスを燃料とするガス発電装置について、仕様上、メタンガス濃度の適正使用範囲が定められているものも市場に流通しており、供給するメタンガス濃度をこの適正使用範囲に対応させることが要求される。
しかしながら、これまでのメタン発酵によるメタン生成・供給に係る技術では、使用箇所で要求されるメタン濃度にはほとんど着目されていない。特に、メタンガスの高濃度化や脱炭素化に寄与することが期待されるバイオメタネーションに係る技術についても、生成したメタンガスを広く有効活用するためには、単にメタンガスの高濃度化を図るのではなく、簡便かつ安定的にメタンガスの濃度調整を可能とすることが求められる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、バイオメタネーションによるメタンガスの生成において、メタンガスを活用する使用箇所で要求される適正濃度でメタンガスの供給を可能とするメタン生成装置およびメタン生成方法の提供、並びに、このメタン生成装置を活用した発電システムの提供を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、バイオメタネーションに基づくメタン生成を行うメタン生成装置およびメタン生成方法、並びに、メタン生成装置を活用した発電システムにおいて、バイオメタネーションに係る反応効率を抑える制御を行うことで、任意のメタン濃度範囲を満たすメタンガスを得ることができ、メタンガスを活用する使用箇所で要求される適正濃度でメタンガスの供給が可能となることを見出して、本発明を完成した。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明によるメタン生成装置は、バイオメタネーションに基づくメタン生成を行うメタン生成装置であって、水素ガスとバイオガスが供給され、メタネーション反応を行う反応部と、任意のメタン濃度のメタンガスを得るために、メタネーション反応効率を抑える制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のメタン生成装置によれば、脱炭素化への寄与等、バイオメタネーションによるメタンガス生成の利点を活かしつつ、メタンガスの使用箇所で要求される適正濃度に合わせたメタンガスの供給を簡便かつ安定的に行うことが可能となる。これにより、生成したメタンガスの有効活用を図ることが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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