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公開番号2025118715
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025073876,2022513923
出願日2025-04-28,2020-09-02
発明の名称心血管リスク/イベントの予測及びその使用
出願人ソマロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G01N 33/68 20060101AFI20250805BHJP(測定;試験)
要約【課題】単一の血液、尿、または他の試料及び1回のアッセイのみを必要とする改善された試験が最適であり、5年の期間内の心血管イベントの予測を可能にするバイオマーカー、方法、装置、試薬、システム、及びキットの必要性が存在する。
【解決手段】4年間にわたる一次または二次心血管(CV)イベントを発症するリスクを予測するために、個体を評価するために使用されるバイオマーカー、方法、装置、試薬、システム、及びキットが提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象を心血管(CV)イベントのリスクについてスクリーニングするための方法であって、
(a)N末端プロBNP、sTREM-1、MMP-12、アンチトロンビンIII、GPR56、ゲルゾリン、ST4S6、CHSTC、FSH、IL-1 sRII、PLXB2、SAP、及びTFPIから選択されるN種のタンパク質バイオマーカーを含むバイオマーカーパネルを形成することであって、Nが3~13の整数である、前記形成することと、
(b)前記パネルの前記N種のバイオマーカーの各々の前記対象由来の試料におけるレベルを検出することと、を含む、前記方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
対象を心血管(CV)イベントのリスクについてスクリーニングするための方法であって、
(a)BNP、sTREM-1、MMP-12、SVEP1、ARL11、ANTR2、CA125、GOLM1、PPR1A、ERBB3、suPAR、GDF-11/8、JAM-B、ATS13、スポンジン-1、NCAM-120、TFF3、SIRT2、ANP、NELL1、LRP11、NDST1、PTPRJ、CILP2、CA2D3、ITI重鎖H2、及びIGDC4から選択されるN種のタンパク質バイオマーカーを含むバイオマーカーパネルを形成することであって、Nが8~27の整数である、前記形成することと、
(b)前記パネルの前記N種のバイオマーカーの各々の前記対象由来の試料におけるレベルを検出することと、を含む、前記方法。
【請求項3】
対象がCVイベントを起こす可能性を予測するための方法であって、
(a)BNP、sTREM-1、MMP-12、アンチトロンビンIII、GPR56、ゲルゾリン、ST4S6、CHSTC、FSH、IL-1 sRII、PLXB2、SAP、及びTFPIから選択されるN種のタンパク質バイオマーカーを含むバイオマーカーパネルを形成することであって、Nが3~13の整数である、前記形成することと、
(b)前記パネルの前記N種のバイオマーカーの各々の前記対象由来の試料におけるレベルを検出することと、を含む、前記方法。
【請求項4】
対象がCVイベントを起こす可能性を予測するための方法であって、
(a)BNP、sTREM-1、MMP-12、SVEP1、ARL11、ANTR2、CA125、GOLM1、PPR1A、ERBB3、suPAR、GDF-11/8、JAM-B、ATS13、スポンジン-1、NCAM-120、TFF3、SIRT2、ANP、NELL1、LRP11、NDST1、PTPRJ、CILP2、CA2D3、ITI重鎖H2、及びIGDC4から選択されるN種のタンパク質バイオマーカーを含むバイオマーカーパネルを形成することであって、Nが8~27の整数である、前記形成することと、
(b)前記パネルの前記N種のバイオマーカーの各々の前記対象由来の試料におけるレベルを検出することと、を含む、前記方法。
【請求項5】
Nが、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、または13である、請求項1または3に記載の方法。
【請求項6】
Nが、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも
23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または27である、請求項2または4に記載の方法。
【請求項7】
1組のバイオマーカーのうちの少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、少なくとも11種、少なくとも12種、または少なくとも13種のバイオマーカーのレベルの各々が、それぞれのバイオマーカーの対照レベルと比較して異常である場合、4年以内に前記対象がCVイベントを起こすリスクまたは可能性が高い、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記CVイベントが、心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作、心不全による入院、または死亡である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記対象が冠状動脈疾患を有する、請求項2、4、または6~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記対象がCVイベントの病歴を有さない、請求項1、3、5、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月3日に出願の米国仮出願第62/895,383号の優先権の利益を主張し、これは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,400 文字)【0002】
本出願は、一般に、バイオマーカーの検出及び個体における将来の心血管イベントのリスクを評価する方法、ならびにより具体的には、4年間にわたる一次または二次心血管(CV)イベントを発症するリスクの予測について個体を評価するために使用される1つ以上のバイオマーカー、方法、装置、試薬、システム、及びキットに関する。かかるイベントとしては、限定されるものではないが、心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作 、心不全による入院、及び死亡が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
米国における主な死亡原因は、心血管疾患である。一次イベント(D’Agostino,R et al.,“General Cardiovascular Risk Profile for Use in Primary Care: The Framingham Heart Study” Circulation 117:743-53(2008);及びRidker,P.et al.,“Development
and Validation of Improved Algorithms for the Assessment of Global Cardiovascular Risk in Women” JAMA 297(6):611-619(2007))及び二次イベント(Shlipak,M.et al.“Biomarkers
to Predict Recurrent Cardiovascular Disease:The Heart & Soul Study” Am.J.Med.121:50-57(2008))のリスクの既に存在し、かつ重要な多数の予測因子が存在し、これらは臨床診療及び治療試験において広く使用されている。残念なことに、受信者動作特性曲線、ハザード比、及びコンコーダンスは、既存のリスク因子及びバイオマーカーの性能があまり高くないことを示す(約0.75のAUCは、これらの因子がコイントスと完全なものとの間の中間程度でしかないことを意味する)。診断性能の改善の必要性に加えて、短期かつ個人における有益な(及び有害な)介入及び生活様式の変化に自分自身で対応するリスク商品が必要とされている。広く利用されているフラミンガム方程式は、3つの主要な問題を有する。第1に、長期的すぎることである。フラミンガム方程式は、10年のリスク計算を提供するが、人は将来的なリスクを軽視し、それに基づいて行動及び生活様式を変化させることを嫌う。第2に、介入にあまり応答しないことである。フラミンガム方程式は、減少し得ない暦年齢及び変更することが不可能な性別に非常に大きく依存する。第3に、ここで想定される高リスク集団において、フラミンガム因子は、高リスクと低リスクをうまく区別できないことである。高い四分位数と低い四分位数とのハザード比は、わずか2であり、対象をより細かい層(例えば、十分位数)に層別化することによりリスクを個別化するために、フラミンガムスコアを使用するよう試みる場合、観察されるイベント発生率は、十分位数の多くで同程度である。
【0004】
心血管疾患のリスク因子は、治療の強度及び性質を向上させるために広く使用されており、これらの使用は、過去20年にわたり観察された心血管疾患の罹患率及び死亡率の低減に貢献してきたことは間違いない。これらの因子は定型的にアルゴリズムに組み込まれてきたが、残念ながら、それらは全てのリスクを捕捉するわけではない(心疾患の最も一般的な最初の発現は、依然として死亡である)。実際には、恐らくそれらは、リスクの半
分を捕捉するにすぎない。かかるリスク因子の一次予防におけるROC曲線下面積は、通常、約0.76であり、二次予防においてははるかに悪い性能(通常は0.62)であり、0.5のコイントスと1.0の完全なものとの間の性能の約1/4~1/2の数値にすぎない。
【0005】
更に、3209人でのフラミンガム研究(Wang et al.,“Multiple Biomarkers for the Prediction of First
Major Cardiovascular Events and Death” N.Eng.J.Med.355:2631-2637(2006))において、10種のバイオマーカーの追加(CRP、BNP、NT-proBNP、アルドステロン、レニン、フィブリノゲン、Dダイマー、プラスミノーゲン活性化抑制因子1、ホモシステイン、及び尿アルブミン対クレアチニン比)は、既存のリスク因子に追加される場合、AUCをそれほど改善しなかった。0~5年までのイベントのAUCは、年齢、性別、及び従来のリスク因子を用いた場合は0.76であり、この組み合わせに最良の組み合わせのバイオマーカーを追加した場合は0.77であり、二次予防については、状況はより悪化する。
【0006】
高いリスクを有する個体により積極的な処置を行うことで結果が改善し得るため、1~5年の期間内に心血管イベントのより高リスクを有する患者を早期に同定することは重要である。従って、より高いリスクを有するとみなされる患者における心血管イベントのリスクを低減するための最適な管理には、積極的な介入が必要とされる一方で、心血管イベントのリスクがより低い患者は、患者に有益な効果をもたらさない可能性がある、高価かつ潜在的に侵襲的な処置を免れ得る。
【0007】
所定期間内に特定の病的状態または疾患状態に罹患するリスクを予測するためのバイオマーカーの選択は、最初に、特定の医療用途について、イベントの確率及び/またはタイミングとの測定可能かつ統計的に有意な関係を有するマーカーを同定することを伴う。バイオマーカーとしては、関心対象の状態に至る因果経路で、または疾患もしくは状態の発症もしくは進行に対して下流でもしくは並行してのいずれかで、あるいはこれらの両方で分泌または排出された分子が挙げられ得る。それらは、心血管イベントの素因になる生物学的プロセスに応答して、心血管組織または他の器官、ならびに周囲組織及び循環細胞から血流に放出されるか、またはそれらは、腎機能の低下などの病態生理の下流作用を反映するものであり得る。バイオマーカーとしては、低分子、ペプチド、タンパク質、及び核酸が挙げられ得る。バイオマーカーの同定に影響を及ぼす重要な問題の幾つかとしては、利用可能なデータの過剰適合及びデータのバイアスが挙げられる。
【0008】
バイオマーカーを同定し、疾患または状態に罹患するリスクを診断または予測する試みにおいて、種々な方法が利用されてきた。タンパク質に基づくのマーカーでは、これらの方法としては、二次元電気泳動、質量分析法、及びイムノアッセイ法が挙げられる。核酸マーカーでは、これらの方法としては、mRNA発現プロファイル、マイクロRNAプロファイル、FISH、遺伝子発現連鎖解析(SAGE)、大規模遺伝子発現アレイ、遺伝子配列決定、及び遺伝子型判定(SNPまたは小バリアント(small variant)解析)が挙げられる。
【0009】
二次元電気泳動の有用性は、低い検出感度;タンパク質の溶解性、電荷、及び疎水性に関する問題;ゲルの再現性;及び単一のスポットが複数のタンパク質を示す可能性により制限される。質量分析について中心となる制限事項は、使用されるフォーマットに応じて、試料の処理及び分離、低存在量のタンパク質に対する感度、シグナル対ノイズ比の考慮、ならびに検出されたタンパク質を直ちに同定できないことである。バイオマーカー発見へのイムノアッセイによるアプローチにおける制限事項は、多数の分析物を測定するため
の抗体ベースのマルチプレックスアッセイができないことが中心となる。単純に、高品質の抗体のアレイを作成し、サンドイッチすることなく、それらの抗体に結合した分析物を測定する者もいるかもしれない(これは、形式的には、生物または細胞中の全てのDNAまたはRNA配列をハイブリダイゼーションにより測定するために、ゲノム全体の核酸配列を使用することに等しいであろう。ハイブリダイゼーション実験は、ハイブリダイゼーションが同一性についてストリンジェントな試験であり得るため、効果がある)。しかしながら、非常に良好な抗体であっても、血液または更には細胞抽出物の文脈においては、通常、それらの結合パートナーの選択において、機能するのに十分なストリンジェンシーを有するものではない。なぜならば、それらのマトリックス中のタンパク質集団は、存在量が幅広く異なり、このことが、不良なシグナル対ノイズ比をもたらし得るためである。従って、バイオマーカー発見へのイムノアッセイベースのアプローチに関しては、異なるアプローチを使用せねばならず、すなわち、多数の分析物を同時に測定して、どの分析物が本当のバイオマーカーであるかを決定するために十分なストリンジェンシーを得るために、多重化ELISAアッセイ(すなわち、サンドイッチ)を使用する必要があるだろう。サンドイッチイムノアッセイは、高含有量スケールにすることができず、従って、標準的なアレイフォーマットを使用して、ストリンジェントなサンドイッチイムノアッセイを使用するバイオマーカーの発見は不可能である。最後に、抗体試薬は、大きなロット間変動及び試薬の不安定性の影響を被る。タンパク質バイオマーカー発見のための本発明のプラットフォームは、この問題を克服する。
【0010】
これらの方法の多くは、解析前の幾つかの種類の試料分画に依存するか、またはそれを必要とする。従って、一連の規定された試料集団における統計的に関連のあるバイオマーカーを同定及び発見するように設計された、十分に検出力のある研究を行うために必要とされる試料調製は極めて困難であり、高コストであり、時間がかかる。分画の間に、広範囲の変動が様々な試料にもたらされ得る。例えば、マーカー候補が処理に対して不安定であり得、マーカーの濃度が変化し得、不適切な凝集または解離が発生し得、不注意による試料汚染が発生し得、これらにより、疾患初期で予測される微妙な変化が不明瞭になる。
(【0011】以降は省略されています)

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