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公開番号
2025119179
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-14
出願番号
2024013900
出願日
2024-02-01
発明の名称
アイソレーター秤量システム
出願人
株式会社エアレックス
代理人
個人
主分類
G01G
17/04 20060101AFI20250806BHJP(測定;試験)
要約
【課題】製造装置の投入管がチャンバーの壁面に影響を受けることなく封じ込め状態を保ったまま可動し、正確に秤量することができる封止手段を2段階にして、チャンバーの壁面と製造装置の投入管との封じ込め状態の安全性が向上したアイソレーター秤量システムを提供する。
【解決手段】チャンバーの内部と製造装置の内部とを連通する投入管と、製造装置を支持して投入される物質の質量を秤量する秤量装置とを備えている。チャンバーの底壁面と投入管の胴外周部とは、第1封止手段及び第2封止手段を有して、チャンバーの内部の封じ込め状態を維持している。また、秤量装置による秤量を行う時には、投入管がチャンバーの底壁面に相対して可動することにより、投入される物質の質量変化以外の負荷を受けることなく、投入される物質の質量を正確に秤量する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アイソレーターのチャンバーの底壁面に連接する製造装置の内部に、前記チャンバーの内部から投入される物質の質量を秤量するアイソレーター秤量システムにおいて、
前記チャンバーの内部と前記製造装置の内部とを連通する投入管と、前記製造装置を支持して前記投入される物質の質量を秤量する秤量装置とを備え、
前記チャンバーの底壁面と前記投入管の胴外周部とは、第1封止手段及び第2封止手段を有して、前記チャンバーの内部の封じ込め状態を維持し、
前記秤量装置による秤量を行う時には、前記投入管が前記チャンバーの底壁面に相対して可動することにより、前記投入される物質の質量変化以外の負荷を受けることなく、前記投入される物質の質量を正確に秤量することを特徴とするアイソレーター秤量システム。
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【請求項2】
前記第1封止手段は、中空円板状の可撓性シートであって、
前記可撓性シートの外周部は、固定部材Aにより前記チャンバーの底壁面に密着固定され、
前記可撓性シートの内周部は、固定部材Bにより前記投入管の胴外周部に密着固定され、
前記可撓性シートの外周部と内周部との間の部分は、いずれにも固定されることなく可撓性を維持することにより、
前記チャンバーの底壁面と前記投入管の胴外周部とは、封じ込め状態を維持すると共に前記投入される物質の質量を正確に秤量することを特徴とする請求項1に記載のアイソレーター秤量システム。
【請求項3】
前記第2封止手段は、円環状の磁性流体シールであって、
前記磁性流体シールは、前記固定部材Aにより固定された前記可撓性シートを前記チャンバーの外部から覆うように設けられた中空円板状の固定部材Cにより密着固定された常磁性磁石と、当該常磁性磁石と前記投入管の胴外周部との間を封止する磁性流体とで構成され、
前記秤量装置による秤量を行う時には、前記磁性流体シールの磁性流体が前記投入管の胴外周部を封止状態で摺動することにより、前記投入管は前記チャンバーの底壁面に相対して可動となり、
前記チャンバーの底壁面と前記投入管の胴外周部とは、封じ込め状態を維持すると共に前記投入される物質の質量を正確に秤量することを特徴とする請求項2に記載のアイソレーター秤量システム。
【請求項4】
前記第2封止手段は、圧縮空気供給源から供給される圧縮空気により膨張・収縮する円環状の膨張パッキンであって、
前記膨張パッキンは、前記固定部材Aにより固定された前記可撓性シートを前記チャンバーの外部から覆うように設けられた中空円板状の固定部材Dにより密着固定された外周部と、膨張して前記投入管の胴外周部との間を封止・固定する内周部とで構成され、
前記秤量装置による秤量を行う時には、前記膨張パッキンが収縮して前記投入管の胴外周部の固定状態を解除することにより、前記投入管は前記チャンバーの底壁面に相対して可動となり、
前記チャンバーの底壁面と前記投入管の胴外周部とは、封じ込め状態を維持すると共に前記投入される物質の質量を正確に秤量することを特徴とする請求項2に記載のアイソレーター秤量システム。
【請求項5】
前記固定部材Aと前記固定部材Bとで固定された前記可撓性シート、前記磁性流体シール又は前記膨張パッキン、及び、前記投入管の胴外周部で囲まれた領域は、外部環境よりも陰圧に維持されることを特徴とする請求項3又は4に記載のアイソレーター秤量システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイソレーター秤量システムに関するものであり、更に詳しくは、封じ込めアイソレーターに連接する医薬品等の製造装置に投入される高薬理活性物質等の質量を秤量するアイソレーター秤量システムに関するものである。
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【背景技術】
【0002】
医薬品等の製造現場では、高薬理活性物質である粉末状態の医薬原料等を使用するため、それらの汚染から作業者を保護し、また、これらの人体に影響を及ぼす高薬理活性物質等が作業環境から外部環境に漏洩することを防止する必要がある。また、医薬品等の製造装置、例えば、撹拌タンクや溶解調整タンク等に高薬理活性物質である医薬原料等を投入する作業においては、投入時の漏洩に特に注意を払わねばならない。
【0003】
このような作業には、外部環境にある作業者が密閉されたチャンバーの外部からグローブやハーフスーツを介して投入作業をすることのできるアイソレーターが利用される。このようなアイソレーターは、特に封じ込めアイソレーターと呼ばれている。この封じ込めアイソレーターと外部環境にある製造装置とを連接した封じ込め設備を構成し、製造装置の内部に高薬理活性物質等を秤量して投入するシステムをアイソレーター秤量システムという。このアイソレーター秤量システムにおいては、高薬理活性物質等の投入量を安全かつ正確に秤量することが重要である。
【0004】
下記特許文献1には、高薬理活性物質を取り扱う固形製剤プロセスの賦形剤秤量作業における充填方法が提案されている。この充填方法においては、外部環境にある作業者がアイソレーターを介して、アイソレーターに連接した粉体容器に高薬理活性物質を充填する。また、下記非特許文献1には、高薬理活性医薬品の封じ込め技術が紹介され、アイソレーターや装置間を連接するための連結弁等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-001699号公報
【非特許文献】
【0006】
IHI技報,Vol.54,No.3,45-48(2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のアイソレーター秤量システムにおいて、アイソレーターと製造装置とを完全に固定して連接すると、製造装置を支持する秤量装置で投入量を正確に秤量することができない。そこで、製造装置の投入管で製造装置の内部とアイソレーターのチャンバーの内部とを連通すると共に、これらの接続部分を秤量に影響しないようにして封じ込め状態を維持する必要がある。アイソレーターと製造装置とのパイプ接続には、フレキシブルパイプを用いるのが一般的である。また、同様の考え方でフレキシブルな封じ込めシールを使用することも考えられる。
【0008】
アイソレーターのチャンバーの壁面と製造装置の投入管とを例えば、可撓性シートによる封止手段で封じ込めた場合、製造装置の投入管はチャンバーの壁面に影響を受けることなく可動状態となる。このことにより、製造装置を支持した秤量装置は、投入される物質の質量変化以外の負荷を受けることなく、高薬理活性物質等の投入量を正確に秤量することができる。しかし、この場合にはアイソレーターと製造装置の封じ込め状態は、可動状態にある可撓性シートのみに依存し、何らかの原因で可撓性シートが欠損した場合には、封じ込め状態が崩壊するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、製造装置の投入管がチャンバーの壁面に影響を受けることなく封じ込め状態を保ったまま可動し、正確に秤量することができる封止手段を2段階にして、チャンバーの壁面と製造装置の投入管との封じ込め状態の安全性が向上したアイソレーター秤量システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、可撓性シート等による密封状態に加え、膨張パッキンや磁性流体シールなどを用いることで安全性の高い2段階の封じ込め状態を構成できることを見出して本発明の完成に至った。
(【0011】以降は省略されています)
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