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公開番号2025120692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-18
出願番号2024015693
出願日2024-02-05
発明の名称セグメント及びシールドトンネル
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E21D 11/04 20060101AFI20250808BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】低コストでセグメントに発生する曲げモーメントを低減し柔構造化させることができ、想定外の大変形が生じるような場合でも過度な目開きを防ぎ、セグメントの崩落を抑制できるセグメントを提供する。
【解決手段】トンネル覆工のうち構造部材であるセグメントリングを含むトンネルリングを構成し、トンネル周方向X1の端部に隣接するセグメントとトンネル軸方向に連続して当接するセグメント継手面13aを有し、セグメント継手面13aには、トンネル半径方向X3で内側端部13bにトンネル周方向X1に、セグメント継手面13aとトンネル周方向X1に隣接するセグメント継手面13aの間に切欠部の空間を形成する、トンネル半径方向への段差部を有し、段差部は、セグメント継手面13a及びトンネル周方向X1に隣接するセグメント継手面13aの少なくとも一方に有し、段差部は、トンネル軸方向X2に連続して設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トンネル覆工のうち構造部材であるセグメントリングを含むトンネルリングを構成し、トンネル周方向の端部に隣接するセグメントとトンネル軸方向に連続して当接するセグメント継手面を有するセグメントであって、
前記セグメント継手面には、トンネル半径方向で内側端部及び外側端部のうち少なくとも一方に、
前記セグメント継手面とトンネル周方向に隣接するセグメント継手面との間に凹部の空間を形成する、トンネル半径方向への段差部、または前記セグメント継手面のトンネル半径方向側の面取り部を有し、
前記段差部または前記面取り部は、前記セグメント継手面及びトンネル周方向に隣接するセグメント継手面の少なくとも一方に有し、
前記段差部または前記面取り部は、トンネル軸方向に連続して設けられていることを特徴とするセグメント。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記凹部の前記トンネル半径方向の空間高さh’は、
トンネル周方向に隣接するセグメントの前記セグメント継手面同士を接続する、セグメント継手面に設置されたセグメント継手に到達しない高さであり、かつセグメント高さHに基づく(1)式を満たす、請求項1に記載のセグメント。
TIFF
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170
【請求項3】
前記セグメント継手面の前記凹部のトンネル周方向の幅は、前記空間高さh’に対して0.01倍以上である、請求項2に記載のセグメント。
【請求項4】
前記セグメント継手面を構成する部材が鋼製である、請求項3に記載のセグメント。
【請求項5】
前記凹部は、前記セグメント継手面を切り欠いて形成された切欠部である、請求項4に記載のセグメント。
【請求項6】
前記セグメント高さHよりトンネル半径方向の高さが低い接合板が前記セグメント継手面のトンネル周方向に接合され、
前記凹部は、前記セグメント継手面とトンネル周方向に隣接するセグメント継手面との間に形成される、請求項4に記載のセグメント。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセグメントを備えるシールドトンネル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント及びシールドトンネルに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来の想定を超える規模の地震が発生しており、シールドトンネルで用いられるセグメントにおける耐震性への関心が高まっている。一般的にシールドトンネルでは地盤の変形に追従する形で変形していくことから、地震荷重作用時のトンネルは横断方向で楕円形になるような変形をする。そのため、セグメント断面力としては、曲げモーメントが卓越することでセグメント本体が損傷し、トンネルの構造的な安全性が低下する。
【0003】
また、想定外の地震が発生し、トンネルが設計想定以上の大変形をした場合には、人命確保の観点からもトンネル覆工が崩落を抑制する必要がある。このような変形時における覆工の発生曲げモーメントを低下させる方法として、トンネルリングを柔構造化させる方法がある。例えば、特許文献1に示すようなセグメント高さを小さくする方法や、特許文献2に示すようなセグメント継手に弾性ワッシャーを設置する方法や、特許文献3に示すような変形性能の高い(低剛性)継手を採用する方法等が提案されている。
【0004】
特許文献1には、コンクリート躯体による変形に支配されるリング部分全体のセグメント高さを小さくする構造について提案されている。
特許文献2には、一次覆工としてのセグメントに合成樹脂製弾性ワッシャーを用いてセグメントリング間を柔継手で接合し、セグメントを構成する部材である継手板の接合面間には防水シールを配設し、ボルトの頭部は合成樹脂製弾性ワッシャーを含めて保護キャップで覆い、二次覆工コンクリートはこのセグメントリング間の柔継手に対応させて、伸縮性を有する発泡合成樹脂板やその他のゴム板等の目地材の配設で目地を形成し、その端部には目地コーキングを施す伸縮目地を設ける構成について記載されている。
特許文献3には、ボルトの頭部と一方の継手プレートの間と、ナットと他方の継手プレートの間の少なくとも一方に皿ばねを介在させるとともに、継手プレート間にも皿型座金を介在させ、ボルト・ナットを締め付ける構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-204545号公報
特許第2639875号公報
特開平9-4388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の方法では、以下のような問題があった。
すなわち特許文献1の場合には、トンネル軸方向力に対する性能が低下するという問題があった。
また、特許文献2では、部品数の増加するうえ、継手の連結作業の長時間化する。さらには、ワッシャーの劣化による変形性能が低下するという問題もある。
さらに、特許文献3のように低剛性の継手の場合に、設計想定外の大変形が生じた際にセグメント継手間の回転角が大きくなることで隣接するリング間の目違いも大きくなり、リング継手が破断しトンネル覆工の冗長性が失われる、すなわち、セグメント継手の目開き(回転角)が大きくなるとリング間のずれも大きくなることから、トンネル覆工が崩落するおそれがある、また、崩落を抑制する機構を設ける場合には、コストが高くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、低コストでセグメントに発生する曲げモーメントを低減し柔構造化させることができ、想定外の大変形が生じるような場合でも過度な目開きを防ぎ、セグメントの崩落を抑制できるセグメント及びシールドトンネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係るセグメントの態様1は、トンネル覆工のうち構造部材であるセグメントリングを含むトンネルリングを構成し、トンネル周方向にセグメント継手面を有するセグメントであって、前記セグメント継手面には、トンネル半径方向で内側端部及び外側端部のうち少なくとも一方に前記セグメント継手面と周方向に隣接するセグメント継手面との間に凹部の空間を形成する、トンネル半径方向への段差部、または前記セグメント継手面のトンネル半径方向側の面取り部を有し、前記段差部または面取り部は、前記セグメント継手面とトンネル周方向に隣接するセグメント継手面の少なくとも一方に有し、前記段差部または面取り部は、トンネル軸方向に連続して設けられていることを特徴としている。
【0009】
本発明では、セグメント継手面の高さを全体のセグメントリング高さより小さくし、トンネル周方向に隣接するセグメントのセグメント継手面同士においてトンネル軸方向に連続した凹部により形成される空間を設けることで、トンネルリングに発生する曲げモーメントを低減させつつ、変形終盤は過剰な目開きを防ぐことができる。
また、本発明では、凹部によって形成される空間の幅や空間高さを変更することで、セグメント継手における離間モーメントや下端接触回転角の性能を容易にコントロールすることができる。
さらに、セグメントに発生する曲げモーメントを低減させて覆工を柔構造化させつつ、大変形時にはセグメント継手回転角の増大を抑制することで、リング継手の破断を防止して覆工の崩落リスクも低減できる。
【0010】
(2)本発明の態様2は、態様1のセグメントにおいて、前記凹部の前記トンネル半径方向の空間高さh’は、トンネル周方向に隣接するセグメントの前記セグメント継手面同士を接続する、セグメント継手面に設置されたセグメント継手に到達しない高さであり、かつセグメント高さHに基づく(1)式を満たすことを特徴としてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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