公開番号2025120819 公報種別公開特許公報(A) 公開日2025-08-18 出願番号2024015929 出願日2024-02-05 発明の名称対象物質を検出するため方法及びデバイス 出願人国立大学法人東海国立大学機構 代理人個人 主分類G01N 33/553 20060101AFI20250808BHJP(測定;試験) 要約【課題】ウイルス、細胞などの生体物質の特定のタンパク質などの抗原を、高感度で検出する方法の提供。 【解決手段】本開示のある実施形態によれば、対象物質を検出する方法が提供される。方法は、金で修飾された表面を有する金属酸化物ナノワイヤを提供すること;金を、対象物質の第一抗体で修飾すること;第一抗体に対象物質を捕捉させること;光学標識を有する対象物質の第二抗体に、対象物質を捕捉させること;及び光学標識を検出すること;を備える。 【選択図】図1 特許請求の範囲【請求項1】 対象物質を検出する方法であって、 金で修飾された表面を有する金属酸化物ナノワイヤを提供すること; 前記金を、前記対象物質の第一抗体で修飾すること; 前記第一抗体に前記対象物質を捕捉させること; 光学標識を有する前記対象物質の第二抗体に、前記対象物質を捕捉させること;及び 前記光学標識を検出すること; を備える方法。 続きを表示(約 630 文字)【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、 前記金は、金ナノ粒子である、 方法。 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、 前記金属酸化物はZnOである、 方法。 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、 前記光学標識は、蛍光標識である、 方法。 【請求項5】 請求項4に記載の方法であって、 前記光学標識はフルオロフォアを有する、 方法。 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって、 前記ナノワイヤは、幹ナノワイヤと、前記幹ナノワイヤから分岐した枝ナノワイヤを有する、 方法。 【請求項7】 請求項6に記載の方法であって、 前記枝ナノワイヤは、前記幹ナノワイヤからエピタキシャル成長により形成されている、 方法。 【請求項8】 請求項6に記載の方法であって、 前記枝ナノワイヤは、前記幹ナノワイヤからランダムな方向に成長して形成されている、 方法。 【請求項9】 請求項1に記載の方法であって、 前記対象物質は生体物質である、 方法。 【請求項10】 請求項1に記載の方法であって、 前記対象物質はウイルス又は細胞である、 方法。 (【請求項11】以降は省略されています) 発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、対象物質を検出する技術に関する。 続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】 【0002】 各種の疾病の早期検出が望まれている。例えば、ウイルスの感染症は、その伝搬及び拡大が速く、早期の検出が強く要望されている。 【0003】 一例として、デング熱は、ネッタイシマカが媒介するウイルス感染症で、熱帯・亜熱帯地域での有病率の増加により、世界的な公衆衛生上の懸念事項となっている(非特許文献1及び2)。しかし、デング熱に対する有効な抗ウイルス治療薬はまだない(非特許文献3)。したがって、デング熱の早期診断は、特に診断施設へのアクセスが限られている遠隔地では、デング熱の効果的な管理に不可欠である。 【0004】 デング熱ウイルスの早期発見のための有望なバイオマーカーとして、デング熱非構造1タンパク質(以降、「デングNS1タンパク質」と呼ぶ。)が注目されつつある。重症デング出血熱(DHF)やデングショック症候群(DSS)における血管漏出の症状を引き起こすのに重要な役割を果たすことも示されている(非特許文献7及び8)。デングNS1タンパク質は、膜結合性及び可溶性分泌性の両方で存在する。安定性の高い二量体及び脂質関連六量体は、可溶性であり、感染した体液中に存在する(非特許文献4から6)。そのため、初期段階でデングNS1タンパク質を検出することで、初期診断とポイントオブケアでの患者の取り扱いを改善することができる。 【0005】 尿検査などの非侵襲的検査は、針やプローブを体内に挿入する必要がある侵襲的検査と比較して、一般的に安全である。簡単に収集して分析のために実験室に輸送することができ、患者が経験する不快感を軽減する。デング熱の場合、特に資源が限られている状況では、大勢の人々に影響を与える可能性のあるウイルス感染症であるため、非侵襲的診断が特に重要である。 【0006】 デング熱NS1は血清レベルで検出できない場合でも尿サンプルで検出できることが明らかになり(非特許文献9)、さらなる研究では、血漿漏出による患者のDHF発症である疾患の重症度と相関する尿中のデングNS1タンパク質の証拠が提示された(非特許文献10及び11)。しかし、これらのいずれの研究でも、血清又は血液用に設計及び較正しなければならなかった。さらに、尿サンプルに酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を適用しても、比較的高い特異性を示すものの、感度が低いのが現状である(非特許文献9から12)。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0007】 Bhatt, S. et al. The global distribution and burden of dengue. Nature 496, 504-507 (2013). World Health Organization, W. P. R. Update on the Dengue situation in the Western Pacific Region. (World Health Organization, 2023). Paz-Bailey, G. et al. Dengue Vaccine: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices, United States, 2021. MMWR Recomm Rep 70, 1-16 (2021). Flamand, M. et al. Dengue Virus Type 1 Nonstructural Glycoprotein NS1 Is Secreted from Mammalian Cells as a Soluble Hexamer in a Glycosylation-Dependent Fashion. Journal of Virology 73, 6104-6110 (1999). Gutsche, I. et al. Secreted dengue virus nonstructural protein NS1 is an atypical barrel-shaped high-density lipoprotein. Proceedings of the National Academy of Sciences 108, 8003-8008 (2011). Shu, B. et al. CryoEM structures of the multimeric secreted NS1, a major factor for dengue hemorrhagic fever. Nature Communications 13, 6756 (2022). Avirutnan, P. et al. Vascular Leakage in Severe Dengue Virus Infections: A Potential Role for the Nonstructural Viral Protein NS1 and Complement. The Journal of Infectious Diseases 193, 1078-1088 (2006). Beatty, P. R. et al. Dengue virus NS1 triggers endothelial permeability and vascular leak that is prevented by NS1 vaccination. Sci Transl Med 7, 304ra141 (2015). Saito, Y. et al. Detecting Dengue Virus Nonstructural Protein 1 (NS1) in Urine Samples Using ELISA for the Diagnosis of Dengue Virus Infection. Japanese Journal of Infectious Diseases 68, 455-460 (2015). Chuansumrit, A. et al. Dengue nonstructural protein 1 antigen in the urine as a rapid and convenient diagnostic test during the febrile stage in patients with dengue infection. Diagnostic Microbiology and Infectious Disease 71, 467-469 (2011). Andries, A.-C. et al. Value of Routine Dengue Diagnostic Tests in Urine and Saliva Specimens. PLOS Neglected Tropical Diseases 9, e0004100 (2015). Korhonen, E. M., Huhtamo, E., Virtala, A.-M. K., Kantele, A. & Vapalahti, O. Approach to non-invasive sampling in dengue diagnostics: Exploring virus and NS1 antigen detection in saliva and urine of travelers with dengue. Journal of Clinical Virology 61, 353-358 (2014). 【発明の概要】 【0008】 デング熱ウイルスの検出は一例であり、他の感染症、さらにはがんなど感染症以外の疾病でも同様な課題が認識されている。このように、ウイルス、細胞などの生体物質の特定のタンパク質などの抗原を、高感度で検出する方法が求められている。 【0009】 本開示のいくつかの実施形態では、対象物質を検出する方法が提供される。当該方法は、金で修飾された表面を有する金属酸化物ナノワイヤが提供することを含む。当該方法は、前記対象物質の第一抗体で修飾すること、第一抗体に前記対象物質を捕捉させること;及び、標識された第二抗体に、対象物質を捕捉させることを含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、標識を検出することを更に含む。 【発明の効果】 【0010】 これにより例えば、高感度に対象物質を検出することが可能になる。例えば、金(Au)にはチオール結合で抗体などの生体分子を結合させやすく、対象物質の検出能、感度などを向上させる。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する