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公開番号2025121279
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024016632
出願日2024-02-06
発明の名称流体デバイス
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H04R 1/00 20060101AFI20250812BHJP(電気通信技術)
要約【課題】流路に安定的に定在波を発生させることが可能な流体デバイスを提供する。
【解決手段】流体デバイスは、超音波を用いて流体中の微粒子を捕捉する流体デバイスであって、第一軸に沿って延伸し、前記微粒子を含む流体が前記第一軸に沿って流れる流路と、前記流路に配置され、前記流路内で前記第一軸に交差する第二軸に沿って定在波を生成する第一超音波素子と、前記流路において前記第二軸に沿って対向する一対の流路壁の少なくとも一方に設けられる可動壁と、前記可動壁を前記第二軸に沿って移動させる可動部と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
超音波を用いて流体中の微粒子を捕捉する流体デバイスであって、
第一軸に沿って延伸し、前記微粒子を含む流体が前記第一軸に沿って流れる流路と、
前記流路に配置され、前記流路内で前記第一軸に交差する第二軸に沿って定在波を生成する第一超音波素子と、
前記流路において前記第二軸に沿って対向する一対の流路壁の少なくとも一方に設けられる可動壁と、
前記可動壁を前記第二軸に沿って移動させる可動部と、
を備える、流体デバイス。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記第一超音波素子は、前記流路を挟んで前記可動壁に対向する位置に配置される、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項3】
前記第一超音波素子は、前記流路の前記流体と接する内壁面とは反対側の外壁面に配置される、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項4】
前記第一超音波素子は、前記可動壁に配置される、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項5】
前記流路は、前記第二軸に沿って前記流路から離れる方向に凹状となる凹部を備え、
前記可動壁は、前記凹部の底面に対向して前記凹部内に進退可能に配置され、
前記可動部は、前記凹部内で、前記凹部の前記底面と前記可動壁との間に配置される、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項6】
前記流路は、前記流体に接する内壁面と、前記内壁面とは反対側の外壁面とを備え、
前記流路の一部には、前記第二軸に沿って前記内壁面から前記外壁面を貫通する孔部を有し、
前記可動壁と前記孔部との間をシールするシール部材がさらに設けられ、
前記可動部は、前記可動壁の前記流路とは反対側に配置される、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項7】
前記第一超音波素子と異なる位置に配置され、前記第一軸に交差する第三軸に沿って定在波を生成する第二超音波素子をさらに備える、
請求項1に記載の流体デバイス。
【請求項8】
前記流路の前記第三軸に沿って対向する一対の流路壁の少なくとも一方に設けられる第二可動壁と、
前記第二可動壁を前記第三軸に沿って移動させる第二可動部と、を備える、
請求項7に記載の流体デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流体デバイスに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、流体中の微粒子を音響集束させる流体デバイスが知られている。例えば、非特許文献1に開示される流体デバイスは、流路内に超音波素子から超音波を送信して定在波を形成させる。これにより、流路を流れる流体に含まれた微粒子が、定在波の圧力勾配によって、定在波の節の位置で捕捉される。捕捉された微粒子は、流路の1つの出口(濃縮流体出口)に流され、希釈された流体がもう1つの出口(希釈流体出口)に流される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
E. Benes、他10名、“ULTRASONIC SEPARATION OF SUSPENDED PARTICLES”、Reprint Proc. of the 2001 IEEE International Ultrasonics Symposium, a Joint Meeting with the World Congress on Ultrasonics, Atlanta, Georgia, USA, Oct. 7-10, 2001、p649-659
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
定在波が形成される場合、流路幅をL、音速をc、次数をn、超音波の周波数をfとして、L=nc/2fの関係が成立する。しかしながら、超音波素子を量産する場合では、製造誤差等によって個々の超音波素子の超音波周波数が僅かに異なる。流体デバイスにおいても同様であり、個々の流体デバイスによって、製造誤差により流路幅Lも僅かに異なる。さらに、音速は、流体の温度によって僅かに変化し、流体デバイスの熱膨張係数によって流路幅が変化することも考えられる。このため、流体デバイスの流路幅と超音波との周波数とが、L=nc/2fの関係を満たすように維持することは困難であり、上記条件を満たせない場合、流路に安定的に定在波を発生させうることも困難になるとの課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一態様に係る流体デバイスは、超音波を用いて流体中の微粒子を捕捉する流体デバイスであって、第一軸に沿って延伸し、前記微粒子を含む流体が前記第一軸に沿って流れる流路と、前記流路に配置され、前記流路内で前記第一軸に交差する第二軸に沿って定在波を生成する第一超音波素子と、前記流路において前記第二軸に沿って対向する一対の流路壁の少なくとも一方に設けられる可動壁と、前記可動壁を前記第二軸に沿って移動させる可動部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
第一実施形態の流体デバイスを模式的に示した斜視図。
図1のXY平面に平行な面Aでの断面を示した流体デバイスの断面図。
図1のYZ平面に平行な面Bでの断面を示した流体デバイスの断面図。
第一実施形態の流体デバイスにおける制御コントローラーの構成及びプロセッサーの制御構成を示すブロック図。
第一実施形態の流体デバイスの制御方法を示すフローチャート。
図5の音場調整処理の詳細を示すフローチャート。
第二実施形態の流体デバイスの分離部のYZ平面の概略断面図。
第三実施形態の流体デバイスの分離部のYZ平面の概略断面図。
第三実施形態の流体デバイスにおける制御コントローラーの構成及びプロセッサーの制御構成を示すブロック図。
第三実施形態の音場調整処理の詳細を示すフローチャート。
図10の音場調整処理の詳細を示すフローチャート。
変形例2に係る流体デバイスの一部の断面を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第一実施形態]
以下、本開示の第一実施形態の流体デバイスについて説明する。
(流体デバイスの構成)
図1は、本実施形態の流体デバイス10を模式的に示した斜視図である。図2は、図1のXY平面に平行な面Aでの断面を示した流体デバイス10の断面図であり、図3は、図1のZY平面に平行な面Bでの断面を示した流体デバイス10の断面図である。
本実施形態の流体デバイス10は、流入流路20と、分離部30と、第一流出流路40と、第二流出流路50と、第一超音波素子60(図2参照)と、第二超音波素子70(図2参照)と、制御コントローラー80と、を備える。流入流路20、分離部30、第一流出流路40、及び第二流出流路50により、本開示の流路が形成される。
本実施形態の流体デバイス10では、流入流路20から分離部30に、微粒子を含む流体が流入される。ここで、流入流路20から分離部30に流体が流入される流入方向をX方向とし、流体がX方向と平行な第一軸L

(図2参照)に沿って+X側に流入されるものとする。
また、図1において、X方向に交差(例えば直交)する方向をY方向とし、X方向及びY方向に交差(例えば直交)する方向をZ方向とする。本実施形態では、第一超音波素子60は、Y方向に平行な第二軸L

(図2,3参照)に沿って超音波を送信することで、当該第二軸L

に沿った定在波(第一定在波SW1)を形成する。また、第二超音波素子70は、Z方向に平行な第三軸L

(図2参照)に沿って超音波を送信することで、当該第三軸L

に沿った定在波(第二定在波SW2)を形成する。
【0008】
(流入流路20の構成)
流入流路20は、第一軸L

に沿って延伸し、分離部30の-X側かつ+Y側かつZ方向の中央部に接続される。流入流路20の流路断面形状は、特に限定されず、図1に示すように、断面矩形状に形成されていてもよく、断面円形状に形成されていてもよい。
【0009】
(分離部30、及び超音波素子60,70の構成)
分離部30は、流入流路20から流入した流体から微粒子を分離し、分離した流体が多く含まれる濃縮流体を第一流出流路40に流し、微粒子が分離された希釈流体を第二流出流路50に流す。
具体的には、分離部30の-X側かつ+Y側かつZ方向の中央部には、上述のように流入流路20が接続される。また、分離部30の+X側かつ+Y側かつZ方向の中央部、つまり、流入流路20に対向する位置には、第一流出流路40が接続される。そして、分離部30の+X側かつ-Y側には、第二流出流路50が接続される。
【0010】
分離部30は、Y方向において互いに対向する一対の対向面、及びZ方向において互いに対向する一対の対向面を備える。
図2及び図3に示すように、Y方向に対向する一対の対向面のうち一方は、Y方向に対して進退可能となる第一可動壁311であり、他方はいずれの方向にも移動しない第一固定壁312となる。例えば本実施形態では、-Y側に第一可動壁311が配置され、+Y側に第一固定壁312が配置される。
より具体的には、分離部30の-Y側の面には、流路から離れる方向、つまり、-Y側に向かって凹状となる第一凹部313が設けられている。Y方向から見た場合に、第一凹部313の外周形状と、第一可動壁311とは略同一形状を有し、第一凹部313の凹内部に対して第一可動壁311が進退可能となる。例えば、本実施形態では、Y方向から見て、第一可動壁311及び第一凹部313は矩形状に形成される。
また、Y方向から見て、第一凹部313と第一可動壁311とが同一サイズに形成されてもよいが、第一可動壁311がY方向に移動する際に第一凹部313の側面に摺接すると、摺動時の摩擦に抗する動力が必要となる。このため、第一可動壁311と第一凹部313との間には、所定寸法の隙間が設けられることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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