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公開番号2025121405
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2025017933
出願日2025-02-05
発明の名称新規な糖化合物又はその塩
出願人バイオサイエンステクノロジー株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人
主分類C07H 15/18 20060101AFI20250812BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、新規な糖化合物の提供を目的としている。
【解決手段】アミノ酸由来の化学構造、及び、糖由来の化学構造を含有する糖化合物又はその塩であって、前記アミノ酸由来の化学構造は、2-アミノ-3-フェニルプロピル基等であり、前記糖由来の化学構造が、1又は2以上の六単糖由来の繰り返し単位、及び/又は、1又は2以上のウロン酸由来の繰り返し単位を含有し、前記六単糖が、グルコース等であり;前記ウロン酸が、グルクロン酸である、糖化合物又はその塩(ただし、前記糖化合物又はその塩は、化合物(A):前記アミノ酸由来の化学構造が、フェニルアラニン残基、2-アミノ-3-フェニルプロピル基、又は、チロシン残基であり、かつ、前記糖由来の化学構造が、前記六単糖由来の繰り返し単位のみの糖化合物又はその塩を除く。)。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アミノ酸由来の化学構造、及び、
糖由来の化学構造を含有する糖化合物又はその塩であって、
前記アミノ酸由来の化学構造は、
2-アミノ-3-フェニルプロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル基、
フェニルアラニン残基、
2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、又は、
チロシン残基であり、
前記糖由来の化学構造が、
1又は2以上の六単糖由来の繰り返し単位、及び/又は、1又は2以上のウロン酸由来の繰り返し単位を含有し、
前記六単糖が、
グルコース、
ガラクトース、
マンノース、及び、
フルクトースからなる群より選ばれる少なくとも1つであり;
前記ウロン酸が、
グルクロン酸である、糖化合物又はその塩
(ここで、前記六単糖由来の繰り返し単位及び前記ウロン酸由来の繰り返し単位の順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
また、前記六単糖由来の繰り返し単位と、グルクロン酸由来の繰り返し単位との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。
また、糖部分の結合は、α結合又はβ結合であってもよい。)
(ただし、前記糖化合物又はその塩は、化合物(A):前記アミノ酸由来の化学構造が、フェニルアラニン残基、2-アミノ-3-フェニルプロピル基、又は、チロシン残基であり、かつ、
前記糖由来の化学構造が、前記六単糖由来の繰り返し単位のみの糖化合物又はその塩を除く。)。
続きを表示(約 3,900 文字)【請求項2】
前記糖由来の化学構造が、
1又は2以上のグルコース由来の繰り返し単位、
1又は2以上のガラクトース由来の繰り返し単位、
1又は2以上のマンノース由来の繰り返し単位、及び、
1又は2以上のフルクトース由来の繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの六単糖由来の繰り返し単位、並びに、
1又は2以上のグルクロン酸由来の繰り返し単位を有する、請求項1に記載の糖化合物又はその塩。
【請求項3】
前記糖化合物が、
下記一般式(1):
JPEG
2025121405000039.jpg
37
170
(式中、R
11
が、水素原子又は水酸基を示す。

12
が、水素原子、水酸基、又は、オキソ基を示す。
Gが、
グルコース由来の繰り返し単位、
ガラクトース由来の繰り返し単位、
マンノース由来の繰り返し単位、及び、
フルクトース由来の繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの六単糖由来の繰り返し単位、又は、
グルクロン酸由来の繰り返し単位を示す。
lは1~40の整数を示す。
lが2以上である場合、2以上のGの順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
また、lが2以上ある場合、前記六単糖由来の繰り返し単位とグルクロン酸由来の繰り返し単位との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。
また、O(酸素原子)と、前記G(六単糖由来の繰り返し単位又はグルクロン酸由来の繰り返し単位)との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。)
で表される化合物である、請求項1に記載の糖化合物又はその塩
(ただし、前記糖化合物又はその塩は、
前記R
11
が、水素原子又は水酸基であり、
前記R
12
が、水素原子又はオキソ基であり、
前記lは1~40の整数であり、
前記Gが、前記六単糖由来の繰り返し単位のみの化合物又はその塩を除く。)。
【請求項4】
前記糖化合物が、
下記一般式(1A):
JPEG
2025121405000040.jpg
36
170
(式中、R
11
が、水素原子又は水酸基を示す。

12
が、水素原子、水酸基、又は、オキソ基を示す。


が、
グルコース由来の繰り返し単位、
ガラクトース由来の繰り返し単位、
マンノース由来の繰り返し単位、及び、
フルクトース由来の繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの六単糖由来の繰り返し単位を示す。


が、
グルクロン酸由来の繰り返し単位を示す。
mが2以上、nが1以上である場合、G

及びG

の順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
mは、0~20の整数を示す。
nは、1~20の整数を示す。
m+nは、2以上である。
前記G

とG

との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。
また、O(酸素原子)と、前記G

(六単糖由来の繰り返し単位)又はG

(グルクロン酸由来の繰り返し単位)との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。)で表される化合物である、請求項1に記載の糖化合物又はその塩
(ただし、前記糖化合物又はその塩は、

11
が、水素原子又は水酸基であり、

12
が、水素原子又はオキソ基であり、
mは、0~20の整数であり、
nは、0である場合の化合物又はその塩を除く)。
【請求項5】
前記糖化合物が、下記一般式(2):
JPEG
2025121405000041.jpg
37
170
(式中、R

、R

、R

、R

、R

、R

、R

、及び、R

は、同一又は異なって、
水素原子、
2-アミノ-3-フェニルプロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル基、
フェニルアラニン残基、
2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、又は、
チロシン残基を示す。
ただし、R

、R

、R

、R

、R

、R

、R

、及び、R

のうち、少なくとも1個は、
2-アミノ-3-フェニルプロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル基、
フェニルアラニン残基、
2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、又は、
チロシン残基である。
mは、0~20の整数を示す。
nは、1~20の整数を示す。
m+nは、2以上である。
mが2以上及びnが1以上である場合、m及びnで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
波線で表される結合部位は、α結合又はβ結合であってもよい。)
で表される化合物である、請求項1に記載の糖化合物又はその塩
(ただし、前記糖化合物又はその塩は、


が、フェニルアラニン残基、2-アミノ-3-フェニルプロピル基、又は、チロシン残基であり、
mは、0~20の整数であり、
nは、0である場合の化合物を除く)。
【請求項6】
前記糖化合物が、下記一般式(2A-1)で表される化合物、又は、下記一般式(2G-1)で表される化合物
JPEG
2025121405000042.jpg
119
170
(式中、R
11
が、水素原子又は水酸基を示す。

12
が、水素原子、水酸基、又はオキソ基を示す。
mは、0~20の整数を示す。
nは、1~20の整数を示す。
m+nは、2以上である。
mが2以上及びnが1以上である場合、m及びnで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
波線で表される結合部位は、α結合又はβ結合であってもよい。)
である、請求項1に記載の糖化合物又はその塩。
【請求項7】
前記糖化合物が、下記一般式(2A-2)で表される化合物、又は、下記一般式(2G-2)で表される化合物
JPEG
2025121405000043.jpg
96
170
(式中、R
12
が、水素原子又は水酸基を示す。
mは、0~20の整数を示す。
nは、1~20の整数を示す。
m+nは、2以上である。
mが2以上及びnが1以上である場合、m及びnで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
波線で表される結合部位は、α結合又はβ結合であってもよい。)
である、請求項1に記載の糖化合物又はその塩。
【請求項8】
前記糖化合物が、下記一般式(2A-3)で表される化合物、又は、下記一般式(2G-3)で表される化合物
JPEG
2025121405000044.jpg
107
170
(式中、mは、0~20の整数を示す。
nは、1~20の整数を示す。
m+nは、2以上である。
mが2以上及びnが1以上である場合、m及びnで括られた各繰り返し単位の順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
波線で表される結合部位は、α結合又はβ結合であってもよい。)
である、請求項1に記載の糖化合物又はその塩。
【請求項9】
請求項1に記載の糖化合物又はその塩を含有する食品組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の糖化合物又はその塩を含有する機能性食品組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な糖化合物又はその塩等に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
鶏卵等の卵の卵殻の内側にある卵殻膜を分解して得られる分解卵殻膜は、美容、健康増進等の効果を有するとされている。
例えば、特許文献1には、卵殻膜粉末をアルカリ水溶液中で加水分解して、加水分解性卵殻膜を製造する方法が記載されている。
しかしながら、この特許文献1に記載のものは、製造工程が複雑で高コストであるという問題がある。また、特許文献1に記載のもののようなアルカリ水による分解では、卵殻膜に高濃度で含まれ美容成分として効果が高いコラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、及び、グルコサミンといった有用成分まで分解してしまうという問題があった。
特に、保水性が高いヒアルロン酸、コンドロイチンは、肌の保湿性を高め、乾燥によるしわの改善効果が期待される成分であるが、これらが分解されてしまうと化粧品、サプリ等の原料として用いたときの効果が低下するという懸念があった。
そこで、本出願人は、特許文献2において、発酵により麹が生成した分解酵素により卵殻膜を分解して分解卵殻膜を製造する発酵分解卵殻膜製造方法であって、麹と卵殻膜とを混ぜることで発酵させて発酵分解卵殻膜液を生成する卵殻膜発酵工程を備えたことを特徴とする発酵分解卵殻膜製造方法を開示した。
【0003】
ところで、糖は、植物及び動物の生物組織に含まれ、例えば、はちみつ、果物等には、多くの糖分が含まれている。特に、グルコースは、生物のエネルギー源として重要である。また、DNA及びRNAにも、デオキシリボースとリボースという糖が含まれている。
そして、糖が連なっている糖鎖は、「第3の生命鎖」と呼ばれ、近年、非常に注目を浴びている。DNA及びたんぱく質のように、糖鎖及び糖化合物は、生命において重要な役割を担っていることが分かってきた。そこで、生物由来の新規な糖化合物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6410229号公報
特許第7237293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規な糖化合物の提供を目的としている。また、本発明は、発酵により麹菌が生成した分解酵素によって、卵殻膜を分解して得られた分解卵殻膜から、新規な化合物を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが、鋭意検討した結果、分解卵殻膜から、新規な化合物を見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1.
アミノ酸由来の化学構造、及び、
糖由来の化学構造を含有する糖化合物又はその塩であって、
前記アミノ酸由来の化学構造は、
2-アミノ-3-フェニルプロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル基、
フェニルアラニン残基、
2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、
2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル基、又は、
チロシン残基であり、
前記糖由来の化学構造が、
1又は2以上の六単糖由来の繰り返し単位、及び/又は、1又は2以上のウロン酸由来の繰り返し単位を含有し、
前記六単糖が、
グルコース、
ガラクトース、
マンノース、及び、
フルクトースからなる群より選ばれる少なくとも1つであり;
前記ウロン酸が、
グルクロン酸である、糖化合物又はその塩
(ここで、前記六単糖由来の繰り返し単位及び前記ウロン酸由来の繰り返し単位の順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
また、前記六単糖由来の繰り返し単位と、グルクロン酸由来の繰り返し単位との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。
また、アミノ酸由来の化学構造と、前記六単糖由来の繰り返し単位又はグルクロン酸由来の繰り返し単位との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。)
(ただし、前記糖化合物又はその塩は、化合物(A):前記アミノ酸由来の化学構造が、フェニルアラニン残基、2-アミノ-3-フェニルプロピル基、又は、チロシン残基であり、かつ、
前記糖由来の化学構造が、前記六単糖由来の繰り返し単位のみの糖化合物又はその塩を除く。)。
【0008】
項2.
前記糖由来の化学構造が、
1又は2以上のグルコース由来の繰り返し単位、
1又は2以上のガラクトース由来の繰り返し単位、
1又は2以上のマンノース由来の繰り返し単位、及び、
1又は2以上のフルクトース由来の繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの六単糖由来の繰り返し単位、並びに、
1又は2以上のグルクロン酸由来の繰り返し単位を有する、項1に記載の糖化合物又はその塩。
項3.
前記糖化合物が、
下記一般式(1):
【0009】
JPEG
2025121405000001.jpg
37
170
【0010】
(式中、R
11
が、水素原子又は水酸基を示す。

12
が、水素原子、水酸基、又は、オキソ基を示す。
Gが、
グルコース由来の繰り返し単位、
ガラクトース由来の繰り返し単位、
マンノース由来の繰り返し単位、及び、
フルクトース由来の繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの六単糖由来の繰り返し単位、又は、
グルクロン酸由来の繰り返し単位を示す。
lは1~40の整数を示す。
lが2以上である場合、2以上のGの順序は限定されず、結合形式は、交互であっても、ブロックであっても、又は、ランダムであってもよい。
また、lが2以上ある場合、前記六単糖由来の繰り返し単位とグルクロン酸由来の繰り返し単位との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。
また、O(酸素原子)と、前記G(六単糖由来の繰り返し単位又はグルクロン酸由来の繰り返し単位)との結合は、α結合又はβ結合であってもよい。)
で表される化合物である、項1に記載の糖化合物又はその塩
(ただし、前記糖化合物又はその塩は、
前記R
11
が、水素原子又は水酸基であり、
前記R
12
が、水素原子又はオキソ基であり、
前記lは1~40の整数であり、
前記Gが、前記六単糖由来の繰り返し単位のみの化合物又はその塩を除く。)。
項4.
前記糖化合物が、
下記一般式(1A):
(【0011】以降は省略されています)

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