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公開番号
2025122550
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-21
出願番号
2024018122
出願日
2024-02-08
発明の名称
車載機器の冷却構造
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B60K
11/02 20060101AFI20250814BHJP(車両一般)
要約
【課題】装置や設置スペースの大型化を招くことなく、かつ、簡素な構成で、十分な冷却性能を得ることが可能な車載機器の冷却構造を提供する。
【解決手段】稼働時に温度が上昇する発熱部6を有し、車両Veの所定のスペース3に載置される車載機器1、および、車載機器1の筐体5内に設けられ、発熱部6を冷却する冷媒8を流通させる冷媒流路9を備えた車載機器の冷却構造2において、筐体5は、スペース3に載置された状態で外部熱源4に近接して対向し、外部熱源4の熱が伝達されて温度が上昇する受熱部7を有しており、冷媒流路9は、発熱部6に接触または近接し、冷媒8によって発熱部6を冷却する冷却流路9aと、冷却流路9aに連通し、冷却流路9aと連続して冷媒8が流動するとともに、受熱部7に接触または近接し、冷媒8によって外部熱源4からの熱伝達を遮断または抑制する断熱流路9bと、を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
稼働時に温度が上昇する発熱部を有し、車両の所定のスペースに載置される車載機器、および、前記車載機器の筐体内に設けられ、前記発熱部を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路を備えた車載機器の冷却構造であって、
前記筐体は、前記スペースに載置された状態で所定の外部熱源に近接して対向し、前記外部熱源の熱が伝達されて温度が上昇する受熱部を有しており、
前記冷媒流路は、前記発熱部に接触または近接し、前記冷媒によって前記発熱部を冷却する冷却流路と、前記冷却流路に連通し、前記冷却流路と連続して前記冷媒が流動するとともに、前記受熱部に接触または近接し、前記冷媒によって前記外部熱源からの熱伝達を遮断または抑制する断熱流路と、を有している
ことを特徴とする車載機器の冷却構造。
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【請求項2】
請求項1に記載の車載機器の冷却構造であって、
前記冷却流路は、前記筐体内の前記受熱部と異なる他の部位で前記発熱部に接触または近接するように配置され、
前記断熱流路は、前記受熱部の内壁面に対向して前記受熱部に接触または近接するように配置されている
ことを特徴とする車載機器の冷却構造。
【請求項3】
請求項2に記載の車載機器の冷却構造であって、
前記冷媒流路は、前記冷却流路および前記断熱流路の少なくともいずれかに連通し、前記冷却流路および前記断熱流路の少なくともいずれかと連続して前記冷媒が流動するとともに、前記発熱部に接触または近接して前記冷媒によって前記発熱部を冷却し、かつ、前記受熱部に接触または近接して前記冷媒によって前記外部熱源からの熱伝達を遮断または抑制する冷却断熱流路を有しており、
前記冷却断熱流路は、前記発熱部に対向する冷却面と、前記受熱部に対向する断熱面とを有し、前記冷却面が前記発熱部に接触または近接し、かつ、前記断熱面が前記内壁面に対向して前記受熱部に接触または近接するように配置されている
ことを特徴とする車載機器の冷却構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の車載機器の冷却構造であって、
前記冷媒流路は、前記冷媒を前記冷媒流路に流入させる流入口と、前記冷媒を前記冷媒流路から流出させる流出口と、を有しており、
前記流出口から流出する前記冷媒と温度が同等またはそれ以下の前記冷媒を、前記流入口から前記冷媒流路に流入させる
ことを特徴とする車載機器の冷却構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、発熱して温度が上昇する機器や装置を冷却するための冷却構造に関し、特に、車両に搭載されるインバータやコンバータなどの車載機器の冷却構造に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平滑コンデンサを効率的に冷却することを目的とした電力変換装置(インバータ)が記載されている。この特許文献1に記載された電力変換装置は、直流電力を平滑化するコンデンサ素子と、コンデンサ素子を収納する収納部および冷媒流路を有する金属ケースと、コンデンサ素子と収納部との間の隙間を埋めるポッティング樹脂とを備えている。収納部の一部には、ポッティング樹脂が充填され、そのポッティング樹脂の露出面の高さを調整するための溜まり部が形成されている。また、冷媒流路は、金属ケースの筐体における収納部の底面側に形成されている。
【0003】
また、特許文献2には、発熱する部品が内蔵される直方体形状の筐体を有する電子機器冷却装置、および、それを備える電力変換装置(コンバータ)が記載されている。この特許文献2に記載された電子機器冷却装置および電力変換装置は、直方体形状の筐体の互いに隣接して直交する二つの面に対して、チャンバー室の発熱比率に応じた所望の冷媒流量に振り分けるように傾斜した平板状の仕切り部がチャンバー室の内部に設けられている。それにより、筐体の互いに隣接して直交する二つの面(底面と壁面)を効率良く冷却する。そして、この特許文献2には、電力変換装置の具体例として、底面と壁面に冷媒流路を設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-41224号公報
国際公開第2014/147961号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1および特許文献2に記載された電力変換装置は、インバータやコンバータ等の電力変換装置を冷却する冷却構造として、金属ケースなどの筐体の内部に冷媒流路を設けている。その冷媒流路に冷媒を流通させることにより、筐体内に配置されている部品や機器を効率良く冷却することができる。しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された冷却構造では、外部からの熱干渉、すなわち、装置の外部から伝達される熱について考慮されていない。そのため、上記のような冷媒流路だけでは冷却性能が不足してしまい、筐体内の発熱する部品や機器を十分に冷却できないおそれがある。
【0006】
例えば、ハイブリッド車両、あるいは、電気自動車に搭載されるインバータやコンバータなどの車載機器は、発熱する半導体や磁気部品などが多く用いられているため、上記の特許文献1や特許文献2に記載されているような冷却構造(冷媒流路)を適用することにより、温度が上昇する車載機器を冷却することができる。但し、そのような車載機器は、例えば、モータやエンジン、あるいは、他の高電圧機器やエンジンの排気系統など、高温になる他の部品や装置と近接して配置される場合がある。すなわち、外部の熱源に近接または隣接して配置される場合がある。そのため、インバータやコンバータなどの車載機器は、自身の発熱による温度上昇に加えて、外部の熱源からの伝熱によっても温度が上昇してしまうおそれがある。そのような外部の熱源からの伝熱、すなわち、外部からの熱干渉を防ぐためには、外部の熱源から十分に離して配置したり、インシュレータや断熱材を設置したりする対策が考えられる。しかしながら、いずれの対策も、装置あるいは設置スペースの大型化や、構成の複雑化、あるいは、部品点数の増加を招いてしまう。
【0007】
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、装置や設置スペースの大型化を招くことなく、かつ、簡素な構成で、十分な冷却性能を得ることが可能な車載機器の冷却構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明は、稼働時に温度が上昇する発熱部を有し、車両の所定のスペースに載置される車載機器、および、前記車載機器の筐体内に設けられ、前記発熱部を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路を備えた車載機器の冷却構造であって、前記筐体は、前記スペースに載置された状態で所定の外部熱源に近接して対向し、前記外部熱源の熱が伝達されて温度が上昇する受熱部を有しており、前記冷媒流路は、前記発熱部に接触または近接し、前記冷媒によって前記発熱部を冷却する冷却流路と、前記冷却流路に連通し、前記冷却流路と連続して前記冷媒が流動するとともに、前記受熱部に接触または近接し、前記冷媒によって前記外部熱源からの熱伝達を遮断または抑制する断熱流路と、を有していることを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明における前記冷却流路は、前記筐体内の前記受熱部と異なる他の部位で前記発熱部に接触または近接するように配置されていてもよく、この発明における前記断熱流路は、前記受熱部の内壁面(前記筐体内側)に対向して前記受熱部に接触または近接するように配置されていてもよい。
【0010】
また、この発明における前記冷媒流路は、前記冷却流路および前記断熱流路の少なくともいずれかに連通し、前記冷却流路および前記断熱流路の少なくともいずれかと連続して前記冷媒が流動するとともに、前記発熱部に接触または近接して前記冷媒によって前記発熱部を冷却し、かつ、前記受熱部に接触または近接して前記冷媒によって前記外部熱源からの熱伝達を遮断または抑制する冷却断熱流路を有していてもよく、この発明における前記冷却断熱流路は、前記発熱部に対向する冷却面と、前記受熱部に対向する断熱面とを有し、前記冷却面が前記発熱部に接触または近接し、かつ、前記断熱面が前記内壁面に対向して前記受熱部に接触または近接するように配置されていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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