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公開番号
2025123123
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-22
出願番号
2024019011
出願日
2024-02-09
発明の名称
サージ防護素子
出願人
三菱マテリアル株式会社
代理人
個人
主分類
H01T
4/12 20060101AFI20250815BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 絶縁性部材に誘電率の高い誘電体を使用しなくても応答性を向上させることができるサージ防護素子を提供すること。
【解決手段】 絶縁性管2と、絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極3と、封止電極の内面に基端が接触していると共に先端が絶縁性管内に突出して互いに対向している一対の放電電極4と、一対の放電電極の先端面に挟まれて絶縁性管内に収納された外周面が誘電体5dで形成された外周絶縁性部材5とを備え、外周絶縁性部材が、内部に金属体5mを備えていると共に誘電体の比誘電率が20以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
絶縁性管と、
前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極と、
前記封止電極の内面に基端が接触していると共に先端が前記絶縁性管内に突出して互いに対向している一対の放電電極と、
前記一対の放電電極の先端面に挟まれて前記絶縁性管内に収納された外周面が誘電体で形成された外周絶縁性部材とを備え、
前記外周絶縁性部材が、内部に金属体を備えていると共に前記誘電体の比誘電率が20以下であることを特徴とするサージ防護素子。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のサージ防護素子において、
前記誘電体が、アルミナであることを特徴とするサージ防護素子。
【請求項3】
請求項1に記載のサージ防護素子において、
前記外周絶縁性部材が、前記絶縁性管の軸線に直交する方向に軸線を有した円柱状であることを特徴とするサージ防護素子。
【請求項4】
請求項1に記載のサージ防護素子において、
前記外周絶縁性部材の前記一対の放電電極との接触部間の断面において、
前記金属体の厚さをDmとすると共に前記外周絶縁性部材の厚さをDdとした際に、0.8≦Dm/Dd<1.0であることを特徴とするサージ防護素子。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のサージ防護素子において、
前記外周絶縁性部材が、前記一対の放電電極の先端部の外縁部に接触していると共に、前記一対の放電電極の軸線上に配されていないことを特徴とするサージ防護素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、落雷等で発生するサージから様々な機器を保護し、事故を未然に防ぐのに使用するサージ防護素子に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
電話機、ファクシミリ、モデム等の通信機器用の電子機器が通信線との接続する部分、電源線、アンテナ或いはCRT駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電圧(サージ電圧)による電撃を受けやすい部分には、異常電圧によって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱的損傷又は発火等による破壊を防止するために、サージ防護素子が接続されている。
【0003】
従来、サージ防護素子としては、例えばアルミナ等の誘電体である絶縁性部材を電極間に挟み込む構造が知られている(例えば、特許文献1及び2)。
このサージ防護素子では、誘電体の誘電率を高くすることで、電束の収束が進み、電極と誘電体との隙間に生じる局所的に強い電界が上昇することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-119198号公報
特許第5305011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
上記従来のサージ防護素子では、誘電体の誘電率を高くするために、誘電体をアルミナ等よりも高い誘電率の材料に変更する必要があるが、材料の選択肢が強誘電体(例えばBaTiO
3
等)などに限られてしまう不都合があった。
また、誘電率の誘電緩和周波数によっては、サージ応答の速度に対して分極電荷の応答が追いつかず、静電界シミュレーションで予測される電界が得られなくなり、応答速度が想定よりも遅くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、絶縁性部材に誘電率の高い誘電体を使用しなくても応答性を向上させることができるサージ防護素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明のサージ防護素子は、絶縁性管と、前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極と、前記封止電極の内面に基端が接触していると共に先端が前記絶縁性管内に突出して互いに対向している一対の放電電極と、前記一対の放電電極の先端面に挟まれて前記絶縁性管内に収納された外周面が誘電体で形成された外周絶縁性部材とを備え、前記外周絶縁性部材が、内部に金属体を備えていると共に前記誘電体の比誘電率が20以下であることを特徴とする。
【0008】
このサージ防護素子では、外周絶縁性部材が、内部に金属体を備えていると共に誘電体の比誘電率が20以下であるので、内部に金属体があることで強誘電体のように電気双極子(分極電荷)が速く生じると共に、封止電極と外周絶縁性部材との隙間に生じる局所電界が増加して速く電界が形成されることで、応答性が向上する。
本発明のサージ防護素子では、放電電極上の電荷のカウンターパートが近くなると考えられる。すなわち、誘電体の比誘電率が低く、金属体を内蔵している場合、金属体内部の電位が同電位となり、電位差は誘起された分極電荷と放電電極上の電荷との間の短い距離で電界が積分されたものとなるため、相対的に短い距離で高い電位差となり電界が強められると考えられる。
なお、誘電体の比誘電率を20以下とした理由は、比誘電率が20を超えると、金属体の存在によって電束が分散して内部の電束密度が低くなってしまい、金属体を内蔵していない場合に比べて電界強度が低下してしまうと考えられるためである。
【0009】
第2の発明のサージ防護素子は、第1の発明において、前記誘電体が、アルミナであることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、誘電体が、アルミナであるので、比誘電率が8.5で安価なアルミナにより、強誘電体よりも低コストで作製できると共に、高い電界強度を得ることができる。
【0010】
第3の発明のサージ防護素子は、第1又は第2の発明において、前記外周絶縁性部材が、前記絶縁性管の軸線に直交する方向に軸線を有した円柱状であることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、外周絶縁性部材が、絶縁性管の軸線に直交する方向に軸線を有した円柱状であるので、外周絶縁性部材の外周面が曲面の傾斜面となると共に、放電電極の先端面との接触部が局所的になり、より電界を集中させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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