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公開番号2025123849
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019577
出願日2024-02-13
発明の名称地盤評価方法及び地盤評価システム
出願人株式会社大林組
代理人個人,個人
主分類E02D 1/08 20060101AFI20250818BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】既存建物の地下構造物等の地盤拘束体が存置された地盤を的確に評価するための地盤評価方法及び地盤評価システムを提供する。
【解決手段】地盤G1内において存建物の地下構造物30の地下階31及び既存杭32が存置する存置部分を特定する。次に、この特定した存置部分が地盤G1に存在している状態における地盤G1の振動特性を、FEM解析処理を行なうことによって特定する。そして、特定した振動特性を、地盤G1の新たな特性として出力することにより、地盤G1を評価する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
地盤拘束体が埋設されている地盤を評価する地盤評価方法であって、
建替え工事による新規構造物を構築する前記地盤内において前記地盤拘束体が存置する存置部分を特定し、
前記特定した存置部分が前記地盤に存在している状態における前記地盤の振動特性を、振動特性評価処理を行なうことによって算出し、
前記算出した振動特性を、前記新規構造物を構築する前記地盤の振動特性として出力することを特徴とする地盤評価方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記地盤内に存置されている前記地盤拘束体は、前記地盤内の既存建物の地下階及び既存杭であることを特徴とする請求項1に記載の地盤評価方法。
【請求項3】
前記振動特性評価処理は、前記地盤内に、前記存置部分とともに、前記地盤に新たに構築される前記新規構造物の地下基礎が存在した状態における有限要素法を用いた振動解析を行なうことにより前記振動特性を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤評価方法。
【請求項4】
前記振動特性評価処理は、前記地盤内に、前記存置部分とともに、前記地盤に新たに構築される前記新規構造物の地下基礎が存在した状態における物理探査を用いた振動解析を行なうことにより前記振動特性を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤評価方法。
【請求項5】
地盤拘束体が埋設されている地盤を評価する制御部を備えた地盤評価システムであって、
前記制御部は、
建替え工事による新規構造物を構築する前記地盤内において前記地盤拘束体が存置する存置部分を特定し、
前記特定した存置部分が前記地盤に存在している状態における前記地盤の振動特性を、振動特性評価処理を行なうことによって算出し、
前記算出した振動特性を、前記新規構造物を構築する前記地盤の振動特性として出力することを特徴とする地盤評価システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、建替え工事による新規構造物を構築するために、既存建物が構築されていた地盤の振動特性を評価する地盤評価方法及び地盤評価システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、新規構造物は、構築する地盤における地震力を考慮して設計される。例えば、杭応答の評価を行なうために、地盤の応答解析が行われている(例えば、非特許文献1参照。)。この非特許文献1においては、地震応答解析の最初の手順として、工学的基盤で設定された設計用地震動を表層地盤への入力地震動として建設サイトの地盤応答を計算することが記載されている。
【0003】
また、通常の建築物の地上部分において、構造計算の適合性を判定するために層せん断力が用いられる(例えば、非特許文献2参照。)。この非特許文献2に記載されているように、層せん断力は、地盤種別によって値が異なる振動特性係数を用いて算出される。更に、この地盤種別を簡易に特定する方法も検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1においては、ボーリング又はサウンディングの掘削・貫入時に、ロッドの掘削貫入部の先端で発生し地盤を伝播する摩擦・掘削音である地盤伝播音を、地表面又は地表面付近の地盤内に設置したセンサ(固体伝播音用センサ)により測定する。そして、地盤伝播音の周波数成分、音圧、エンベロープに基づいて地盤種別を特定する。以上のように、新規構造物の設計においては、地盤における地震力を的確に評価する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-50517号公報
【非特許文献】
【0005】
日本建築学会編集、"建物と地盤の動的相互作用を考慮した応答解析と耐震設計"、日本建築学会出版、2006年2月、p.23-48
日本建築学会編集、"2020年版 建築物の構造関係技術基準解説書"、国土交通省国土技術政策総合研究所,国立研究開発法人,建築研究所 監修、国土交通省住宅局建築指導課,日本行政会議,一般社団法人日本建築構造技術者協会 編集協力編、一般財団法人建築行政情報センター,一般財団法人日本建築防災協会 編集、全国官報販売協同組合出版、2020年11月9日、p.296-307
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、都心部では建替え工事が増加している。この場合、既存杭及び地下躯体等が存置された敷地に新規構造物が建てられることがある。この新規構造物の地震時挙動である振動特性は、地盤に存置された構造物の影響を受けると考えられる。しかしながら、このような状況においても、従来では、敷地の地盤に存置された既存建物の地下構造物(既存杭や地下躯体等)の影響は考慮されていなかった。そのため、地盤の振動特性を的確に評価した上で、新規構造物を合理的に設計することが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する地盤評価方法は、地盤拘束体が埋設されている地盤を評価する地盤評価方法であって、建替え工事による新規構造物を構築する前記地盤内において前記地盤拘束体が存置する存置部分を特定し、前記特定した存置部分が前記地盤に存在している状態における前記地盤の振動特性を、振動特性評価処理を行なうことによって算出し、前記算出した振動特性を、前記新規構造物を構築する前記地盤の振動特性として出力する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、既存建物の地下構造物等の地盤拘束体が存置された地盤を的確に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態における地盤評価システムの構成を説明する説明図である。
第1実施形態のハードウェア構成の説明図である。
第1実施形態における設計方法の処理手順を説明する流れ図である。
第1実施形態における評価位置を説明する模式図であって、(a)は地下階・既存杭ありの状態であって、基礎入力動評価位置を示し、(b)は自由地盤における評価位置を示し、(c)は地下階のみの状態、(d)は既存杭のみの状態を示す。
第1実施形態における解析モデルの平面を説明する説明図である。
第1実施形態における解析モデルの縦断面を説明する説明図である。
第1実施形態における加速度応答スペクトルを説明する説明図である。
第1実施形態における加速度応答スペクトルを説明する説明図である。
第2実施形態における解析モデルの縦断面を説明する説明図である。
第2実施形態における既存建物の地下構造物が存置した状態における固有値解析結果を説明する説明図である。
第2実施形態における自由地盤における固有値解析結果を説明する説明図である。
第2実施形態において各種地盤における振動特性係数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図1~図8を用いて、地盤評価方法及び地盤評価システムを具体化した第1実施形態を説明する。ここでは、建替え工事において、既存建物が存置された状態における地盤の振動特性を評価する。本実施形態では、超高層の建築物の設計するために、地盤の設計用入力地震動に用いる基礎入力動を、地盤の振動特性として評価する。このため、本実施形態では、建築物を設計する設計者が地盤の評価を行なう。
(【0011】以降は省略されています)

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