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公開番号
2025124001
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-25
出願番号
2024019830
出願日
2024-02-13
発明の名称
吸収性物品用不織布
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類
D06M
13/402 20060101AFI20250818BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】便に起因する皮膚トラブルを起こし難い吸収性物品用不織布を提供すること。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体を少なくとも1種含有する、吸収性物品用不織布。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025124001000019.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">36</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> (式中、R
1
及びR
2
は炭素原子数1~26の炭化水素基、R
3
は炭素原子数5~17の炭化水素基、xは1又は2である。)前記誘導体の含有量が0.0001質量%以上0.015質量%以下であることが好ましい。熱融着性繊維を有することがより好ましい。
前記熱融着性繊維が短繊維であることも好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体を少なくとも1種含有する、吸収性物品用不織布。
TIFF
2025124001000018.tif
38
170
(式中、R
1
及びR
2
は炭素原子数1~26の炭化水素基、R
3
は炭素原子数5~17の炭化水素基、xは1又は2である。)
続きを表示(約 240 文字)
【請求項2】
前記アミノ酸誘導体の含有量が0.0001質量%以上0.015質量%以下である、請求項1に記載の不織布。
【請求項3】
熱融着性繊維を有する、請求項1または2に記載の不織布。
【請求項4】
前記熱融着性繊維が短繊維である、請求項3に記載の不織布。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の不織布を備えた、吸収性物品。
【請求項6】
前記不織布を肌対向面側に備えた、請求項5に記載の吸収性物品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の構成部材として有用な不織布に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、スキンケア剤等の薬剤を塗布されたおむつ等の吸収性物品が知られている。
例えば、特許文献1には、表面シートに含ませたスキンケア剤を効率よく着用者の肌に移行させることが可能な使い捨ておむつに関し、スキンケア剤の例として、ジアミド誘導体が記載されている。表面シートは、着用者の肌と接触し得るおむつの肌対向面を形成する部材である。
特許文献2には、アミド基及び/又はアミノ基を有するノニオン界面活性剤を含む軟便透過性付与剤とそれを付与した繊維、不織布及び吸収性物品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-83682号公報
特開2021-152237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
便などに含まれるグリココール酸等の抱合胆汁酸は、強い界面活性能を有する。このため、吸収性物品の着用中に表面シート上に排泄された便が、該表面シートを透過せずに残存していると、便が着用者の皮膚と接触し、便に含まれる抱合胆汁酸が皮膚の油分を除去することで肌バリア性の低下を引き起こし、かゆみ等の皮膚トラブルが生じてしまう。斯かる便に起因する皮膚トラブルを解決する方法として、吸収性物品の吸収性能を高めて、表面シート上に便が残存しないようにすることが考えられる。しかしながら、便が表面シートを透過して吸収体に吸収されるには一定の時間を必要とし、その吸収に要する時間中に便が皮膚に接触することを防止するのは容易ではない。また、便の種類や量によっては、表面シート上の広範囲で便が長時間残存する場合があり、吸収性物品の着用中において便と皮膚との接触を完全に防止することは難しいのが実情である。したがって、便に起因する皮膚トラブルの解決には別のアプローチが必要であるが、有効な解決方法は未だ提案されていない。
【0005】
本発明の課題は、便に起因する皮膚トラブルを起こし難い吸収性物品用不織布を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体を少なくとも1種含有する、吸収性物品用不織布を提供する。
TIFF
2025124001000002.tif
39
170
(式中、R
1
及びR
2
は炭素原子数1~26の炭化水素基、R
3
は炭素原子数5~17の炭化水素基、xは1又は2である。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、便に起因する皮膚トラブルを起こし難い吸収性物品用不織布が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明の吸収性物品用不織布の一実施形態の模式的な斜視図である。
図2は、本発明の吸収性物品用不織布の他の実施形態を示す図であり、図2(a)は、該実施形態の模式的な斜視図、図2(b)は、図2(a)のI-I線断面を模式的に示す断面図である。
図3は、本発明の吸収性物品用不織布の更に他の実施形態の模式的な斜視図である。
図4は、本発明の吸収性物品用不織布の更に他の実施形態を示す図であり、図4(a)は、該実施形態の模式的な斜視図、図4(b)は、図4(a)のII-II線断面を模式的に示す断面図である。
図5は、本発明の吸収性物品用不織布の更に他の実施形態を示す図であり、図5(a)は、該実施形態の模式的な斜視図、図5(b)は、図5(a)のIII-III線断面を模式的に示す断面図である。
図6は、本発明の吸収性物品用不織布の更に他の実施形態を示す図であり、図6(a)は、該実施形態の模式的な斜視図、図6(b)は、図6(a)のIV-IV線断面を模式的に示す断面図である。
図7は、本発明の吸収性物品用不織布の更に他の実施形態の厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。
図8は、本発明の吸収性物品用不織布の更に他の実施形態の肌対向面の模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の吸収性物品用不織布(以下、単に「不織布」とも言う。)は、下記一般式(1)で表されるアミノ酸誘導体(以下、「誘導体A」ともいう。)を少なくとも1種含有する。誘導体Aは、便に含まれる抱合胆汁酸をトラップできる化合物である。
TIFF
2025124001000003.tif
41
170
(式中、R
1
及びR
2
は炭素原子数1~26の炭化水素基、R
3
は炭素原子数5~17の炭化水素基、xは1又は2である。)
【0010】
抱合胆汁酸の代表例として、コール酸がグリシンと抱合したグリココール酸(下記構造式の化合物)が挙げられる。グリココール酸は胆汁酸の中でも比較的多く含まれるコール酸と、グリシンとの結合体(グリシン抱合体)である。誘導体Aは、そのアミド結合部位が、グリココール酸の極性側鎖であるグリシン残基のアミド結合部位と分子間水素結合を形成することでグリココール酸と会合でき、これによりグリココール酸をトラップできる。この会合に起因して、グリココール酸の界面活性能が低下する。グリココール酸の界面活性能が低下することで、グリココール酸を含有する便と接したときの皮膚の油脂分低下が抑制されるため、皮膚のバリア性能低下を防止でき、刺激物質の浸透に対するバリア性能の低下を防止できるため、かぶれやかゆみなどの皮膚トラブルを軽減又は予防できる。
特に、誘導体Aは、3つのアミド結合部位を有することに起因して誘導体A分子同士で分子間水素結合を形成して会合しうるため、誘導体A間にグリココール酸を取り込みうる。このような自己会合によって、不織布の抱合胆汁酸のトラップ性能がより向上し、グリココール酸の界面活性能をより安定的に低下させることができると考えられる。
誘導体Aは、3つのアミド結合部位を有することで、グリココール酸の極性側鎖のアミド結合物と分子間水素結合を形成する性能、つまりトラップ性能に優れると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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