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公開番号
2025124588
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-26
出願番号
2025005743
出願日
2025-01-15
発明の名称
アンモニア応力腐食割れ促進試験方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
17/00 20060101AFI20250819BHJP(測定;試験)
要約
【課題】金属材料のアンモニア応力腐食割れ感受性を良好な精度かつ短期間で評価できる、アンモニアSCC促進試験方法を提供する。
【解決手段】本発明のアンモニア応力腐食割れ促進試験方法では、外部応力を付与した又は残留応力を持った金属試験片を、0.01mass%以上のカルバミン酸アンモニウム、ガス分圧で0.002~2.000barのO
2
および0.05~2.00mass%の水を含有する液体アンモニア中に浸漬することを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
外部応力を付与した又は残留応力を持った金属試験片を、0.01mass%以上のカルバミン酸アンモニウム、ガス分圧で0.002~2.000barのO
2
および0.05~2.00mass%の水を含有する液体アンモニア中に浸漬する、アンモニア応力腐食割れ促進試験方法。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記液体アンモニア中に浸漬した前記金属試験片の表面を、カソード分極させる、請求項1に記載のアンモニア応力腐食割れ促進試験方法。
【請求項3】
試験中に前記液体アンモニアを撹拌する、請求項1又は2に記載のアンモニア応力腐食割れ促進試験方法。
【請求項4】
外部応力を付与した又は残留応力を持った金属試験片を、0.01mass%以上のカルバミン酸アンモニウム、ガス分圧で0.002~2.000barのO
2
および0.05~2.00mass%の水を含有する液体アンモニア中に浸漬し、腐食電位または白金参照極電位に対して0.0V~+1.0Vに分極させる、アンモニア応力腐食割れ促進試験方法。
【請求項5】
前記液体アンモニア中に浸漬した前記金属試験片の表面を、カソード分極させた後に、腐食電位または白金参照極電位に対して0.0V~+1.0Vに分極させる、請求項4に記載のアンモニア応力腐食割れ促進試験方法。
【請求項6】
試験中に前記液体アンモニアを攪拌する、請求項4又は5に記載のアンモニア応力腐食割れ促進試験方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体アンモニア環境下で使用するタンクなどの金属材料のアンモニア応力腐食割れ促進試験方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、液体アンモニアは、燃焼してもCO
2
が発生しないことからクリーンエネルギーとして注目されており、大規模な需要が見込まれている。これに伴い、液体アンモニアを輸送、貯蔵する設備の大型化が求められている。一般に、タンクを大型化する場合、軽量化および施工コスト削減の観点から、使用する鋼材の薄肉化が指向されるため、高強度鋼の使用が望まれる。
【0003】
一方、液体アンモニア環境下において、炭素鋼は、液体アンモニアによる応力腐食割れ(以下、アンモニアSCC(Stress Corrosion Cracking)という)の発生が懸念される。そのため、液体アンモニアを取り扱う炭素鋼製の配管や貯槽、タンク車、ラインパイプなどの構造物については、アンモニアSCC感受性の低い鋼材の適用や、アンモニアSCCを抑制する操業上の措置が講じられてきた。
【0004】
SCCは、腐食反応と応力が重畳して破壊に至る現象であり、材料因子、環境因子、応力因子が特定の条件を満たすときに発生する。例えば、アンモニアSCCは、材料の強度・硬度と相関があることが知られている。すなわち、強度・硬度が高いほどアンモニアSCCが多く発生することが知られており、炭素鋼を使用するにあたっては、引張強さが600MPa未満の材料を使用することが望ましいとされている。
【0005】
そのため、高い強度と優れた耐アンモニアSCC性を両立する新規材料を適用するにあたり、アンモニアSCC感受性を正確に評価する必要がある。一方、実際の液体アンモニアタンクでの暴露試験によりアンモニアSCC感受性を評価するには長期間の試験が必要となることから、鋼材のアンモニアSCC感受性を短期間で評価できる促進試験が望まれる。
【0006】
かような液体アンモニアを用いた促進試験として、特許文献1および非特許文献1が開示されている。特許文献1および非特許文献1では、ガス圧で0.3~2.0気圧のO
2
と飽和CO
2
を含んだ液体アンモニア中で試験鋼片をアノード分極させることにより、鉄の溶解を加速し、短期間でアンモニアSCC感受性を評価する試験方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特公昭60-10575号公報
【非特許文献】
【0008】
中井揚一著「液体アンモニア中における応力腐食割れ促進試験法の開発」鉄と鋼、1981年、67巻、14号、2226~2233頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の特許文献1および非特許文献1に記載されたO
2
が過剰に存在する環境においては、保護性のない皮膜が形成されるため、全面腐食に近い腐食形態となり、アンモニアSCCの起点となる孔食(局部腐食)の成長が抑制され、アンモニアSCC感受性を正確に評価できているとは言い難い。また、孔食(局部腐食)の成長が促進されないため、アンモニアSCC感受性が高くない材料においては、アンモニアSCC感受性を評価できない可能性がある。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決し、液体アンモニア輸送、貯蔵用タンク等に供する金属材料のアンモニアSCC感受性を良好な精度かつ短期間で評価できるアンモニアSCC促進試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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