TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025125394
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-27
出願番号2024021431
出願日2024-02-15
発明の名称食品用組成物
出願人株式会社ニップン,株式会社TWO
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A23L 5/00 20160101AFI20250820BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明は、食品に配合した際に、タンパク質由来の臭気を低減、改善し、食品の風味を損なわずに食品のタンパク質含量を増加させることができる食品用組成物を提供することを目的とする。また、食品、特にベーカリー食品の生地に配合した際に生地の作業性を損なわずにタンパク質含量を増加させることができる食品用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】ナッツ類由来抽出タンパク質と、ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質とから成る食品用組成物により上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ナッツ類由来抽出タンパク質と、ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質とから成る食品用組成物。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
ナッツ類由来抽出タンパク質に含まれるタンパク質量が、食品用組成物に含まれるタンパク質量の全量に対して2~25質量%である、請求項1に記載の食品用組成物。
【請求項3】
ナッツ類由来抽出タンパク質が、アーモンド蛋白、パンプキンシード蛋白、ピーナッツ蛋白からなる群から選択される1以上である、請求項1に記載の食品用組成物。
【請求項4】
ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質が、大豆蛋白、ソラ豆蛋白、エンドウ豆蛋白およびヒヨコ豆蛋白から成る群から選択される1以上である、請求項1に記載の食品用組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の食品用組成物を含む、飲食品。
【請求項6】
ベーカリー食品である、請求項5に記載の飲食品。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1に記載の食品用組成物を使用する、飲食品の製造方法。
【請求項8】
ベーカリー食品である、請求項7に記載の飲食品の製造方法。
【請求項9】
ナッツ類由来抽出タンパク質を含有する、食品のタンパク質由来の臭気抑制剤。
【請求項10】
ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質を含有する食品原料に、ナッツ類由来抽出タンパク質を添加する工程を含む、食品のタンパク質由来の臭気抑制方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は食品用組成物に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年健康志向の高まりから高タンパク食品が求められている。食品のタンパク質含量を増加させるために食品原料由来の分離蛋白などを外添する、もしくは穀粉等と置き換えることで高タンパク食品にする目的は達成されるが、タンパク質の臭いが強く食品の風味が損なわれるという問題があった。また食品、特にベーカリー食品の生地に食品原料由来の分離蛋白を外添すると、生地が脆く伸びづらくなる等生地性を損なうという問題があった。このような高タンパク食品のタンパク質臭気の改善のために、例えば特許文献1にはリン酸架橋構造を有するデンプンを添加することが提案されている。また特許文献2は、豆類のタンパク質を加熱調理して押し出すことによって製造されるテクスチャ付与食品において、大豆の豆臭さを抑えるためにエンバク原料を使用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-55710
特表2018-529387
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食品に配合した際に、タンパク質由来の臭気を低減、改善し、食品の風味を損なわずに食品のタンパク質含量を増加させることができる食品用組成物を提供することを目的とする。また、食品、特にベーカリー食品の生地に配合した際に生地の作業性を損なわずにタンパク質含量を増加させることができる食品用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ナッツ類由来抽出タンパク質と、ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質とから成る食品用組成物によって、この食品用組成物を食品に配合した際に、タンパク質由来の臭気を低減、改善し、食品の風味を損なわずに食品のタンパク質含量を増加させることができることを見いだした。また、この食品用組成物を食品、特にベーカリー食品の生地に配合した際に生地の作業性を損なわずにタンパク質含量を増加させることができることを見いだした。
【0006】
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]ナッツ類由来抽出タンパク質と、ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質とから成る食品用組成物。
[2]ナッツ類由来抽出タンパク質に含まれるタンパク質量が、食品用組成物に含まれるタンパク質量の全量に対して2~25質量%である、[1]に記載の食品用組成物。
[3]ナッツ類由来抽出タンパク質が、アーモンド蛋白、パンプキンシード蛋白、ピーナッツ蛋白からなる群から選択される1以上である、[1]または[2]に記載の食品用組成物。
[4]ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質が、大豆蛋白、ソラ豆蛋白、エンドウ豆蛋白およびヒヨコ豆蛋白から成る群から選択される1以上である、[1]~[3]のいずれか1に記載の食品用組成物。
[5][1]~[4]のいずれか1に記載の食品用組成物を含む、飲食品。
[6]ベーカリー食品である、[5]に記載の飲食品。
[7][1]~[4]のいずれか1に記載の食品用組成物を使用する、飲食品の製造方法。
[8]ベーカリー食品である、[7]に記載の飲食品の製造方法。
[9]ナッツ類由来抽出タンパク質を含有する、食品のタンパク質由来の臭気抑制剤。
[10]ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質を含有する食品原料に、ナッツ類由来抽出タンパク質を添加する工程を含む、食品のタンパク質由来の臭気抑制方法。
[11]ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質を含有する食品生地の生地性を改良するための、ナッツ類由来抽出タンパク質を含有する食品生地改良用組成物。
[12]ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質を含む食品生地原料にナッツ類由来の蛋白を添加する工程を含む、生地性改良方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の食品用組成物を使用することにより、食品に配合した際に、タンパク質由来の臭気を低減、改善し、食品の風味を損なわずに食品のタンパク質含量を増加させることができる。また、本発明の食品用組成物を食品、特にベーカリー食品の生地に配合した際に生地の作業性を損なわずにタンパク質含量を増加させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ナッツ類由来抽出タンパク質と、ナッツ類由来抽出タンパク質以外の食品原料由来抽出タンパク質とから成る食品用組成物に関する。
【0009】
本発明において、ナッツ類は、種実類を言う。種実類は、穀類あるいは豆類以外の種子を指し、植物学的には必ずしも近縁なものではない。また、ピーナッツは種実類ではないが、慣例的にナッツに分類されているため、本発明においてはナッツ類に含まれるものとする。具体的には、アーモンド、ヒマワリ、ピーナッツ、クルミ、カシューナッツ、ピスタチオ、パンプキンシード、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ペカンナッツおよびマカダミアナッツなどである。なかでも、脂質含有率が30質量%以上のナッツ類が好ましく、より好ましくは脂質含有率40質量%以上のナッツ類である。
【0010】
食品のタンパク質含量を増加させるために使用されることの多い、植物性たん白は、一般に大豆等の採油用の種実若しくはその脱脂物又は小麦等の穀類の粉末を主原料とし、主原料に加工処理を施してたん白質含有率を高めたものに、加熱、加圧等の物理的作用によりゲル形成性,乳化性等の機能又はかみごたえを与え、粉末状、ペースト状、粒状又は繊維状に成形したものであって、植物たん白質含有率(主原料に由来するたん白質含有率であって,無水物に換算した値)が50%を超えるものと定義される(日本農林規格「植物性たん白」)。
本発明において、ナッツ類由来抽出タンパク質とはナッツ類からタンパク質を濃縮ないしは分離、抽出し、必要により精製して得られたものであり、タンパク質の含有率が40質量%を超えるのものをいう。ナッツ類由来抽出タンパク質としてはアーモンド蛋白、サンフラワーシード蛋白、ピーナッツ蛋白、クルミ蛋白、カシューナッツ蛋白、ピスタチオ蛋白、カボチャシード蛋白、ブラジルナッツ蛋白、ヘーゼルナッツ蛋白、ペカンナッツ蛋白およびマカダミアナッツ蛋白等が挙げられる。好ましくはナッツ類由来抽出タンパク質のタンパク質含量は、40~95質量%、更に好ましくは43~95質量%である。ナッツ類由来抽出タンパク質は、市販のものを用いることもでき、そのようなものとして、アーモンド蛋白:Almond Protein Blanched(日成共益株式会社)、パンプキンシード蛋白:パンプキンシードプロテイン(株式会社中原)、ピーナッツ蛋白:Roasted Peanut Protein(日成共益株式会社)等を挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許