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公開番号
2025126344
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-28
出願番号
2025111041,2021031068
出願日
2025-06-30,2021-02-26
発明の名称
凍結された腎臓細胞の製造方法及び凍結された腎臓細胞
出願人
日機装株式会社
代理人
弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20250821BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 解凍後の細胞生存率が高く、腎臓の生理機能が維持されている凍結された腎臓細胞、及び腎臓の生理機能が維持されている腎臓細胞培養物を提供することを目的とする。
【解決手段】 培養された腎臓細胞を回収する回収工程、及び前記回収工程にて回収された腎臓細胞を凍結する凍結工程を含み、前記回収工程においては、前記腎臓細胞を凝集体として回収すると共に、前記凍結工程においては、前記凝集体の凝集状態を実質的に維持して凍結する、凍結状態にある腎臓細胞の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
癌組織由来細胞または癌細胞を除く、近位尿細管由来近位尿細管上皮細胞である、培養された腎臓細胞を回収する回収工程、及び前記回収工程にて回収された腎臓細胞を凍結する凍結工程を含み、前記回収工程においては、前記腎臓細胞の凝集体を破壊又は分散させる操作を行うことがなく、前記腎臓細胞の数が、125個以上5000個以下である凝集体として回収すると共に、前記凍結工程においては、前記凝集体の凝集状態を維持して凍結する、凍結状態にある腎臓細胞の製造方法。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記回収工程と前記凍結工程との間に、前記回収された腎臓細胞に凍結保存用媒体を添加する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記凝集体を構成する前記腎臓細胞の大きさが100μm以上350μm以下である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記凍結工程において、緩慢凍結により凍結させる、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記培養された腎臓細胞が、腎臓細胞を培養容器に非接着の状態で培養することによって得られた凝集体を含む、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記腎臓細胞が、ヒト初代細胞である、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
癌組織由来細胞または癌細胞を除く、近位尿細管上皮細胞である、培養された腎臓細胞から構成され、腎臓細胞の数が、125個以上5000個以下である凝集体の凝集状態が維持された凍結状態にある腎臓細胞。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項記載の方法で製造された、凍結状態にある腎臓細胞を、解凍し、培養容器に非接着の状態で培養する培養工程を含む、腎臓細胞培養物の製造方法。
【請求項9】
前記腎臓細胞が、前記培養工程において5日間以上培養される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項7記載の腎臓細胞であって、OAT1及びOCT2の一方又は両方の遺伝子発現量が、ヒト腎皮質における遺伝子発現量の40%以上である、近位尿細管上皮細胞からなる腎臓細胞。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結された腎臓細胞の製造方法、及び凍結された腎臓細胞に関する。本発明は、さらに、凍結された腎臓細胞から得られる腎臓細胞培養物の製造方法、及び腎臓細胞培養物に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
生体に投与された薬剤は、生体内に吸収された後、腎臓において近位尿細管で血液から尿中に排出される。そのため、薬剤の腎毒性によりしばしば腎障害が引き起こされる。創薬研究においては、薬剤の作用を明らかにするために腎臓での薬物動態を調べることは非常に重要である。
【0003】
したがって、創薬支援デバイスとして、正常な生理機能を持った腎臓細胞を用いて薬物動態や毒性を評価可能なアッセイ系の開発が望まれている。近年、多くの研究者により、ヒトiPS細胞由来の腎臓細胞、及び灌流培養系などの開発が進められている。薬剤の影響を最も受けやすいのは近位尿細管上皮細胞であることから、研究に利用可能な近位尿細管上皮細胞は、特に求められている。
【0004】
生体内環境とは異なる平底培養プレートでの培養により、培養された腎臓細胞は、腎臓が本来持つ機能の多くを消失することが知られている。従来、ヒトの腎臓から採取された細胞は、酵素処理によって分散された状態で、平底培養プレートにおいて二次元的に平面培養することが一般的であった。培養された近位尿細管上皮細胞は、脱分化現象により、正常な腎臓の薬物動態や毒性の反応を示さなくなるため、創薬研究では利用されてこなかった。
【0005】
このような本来の腎臓の生理機能が消失した近位尿細管上皮細胞を、凝集体形成させて一定期間培養することにより、腎機能が大きく改善することが見出された(特許文献1)。この腎機能が改善された近位尿細管上皮細胞の凝集体を創薬研究に使用するためには、大量に作製して一定量保存する必要がある。
【0006】
細胞を安定な状態で保存するためには、凍結保存を行うことが最も良い手段である。従来一般的に行われている細胞の凍結方法では、まず、消化酵素(トリプシンなど)で細胞間接着を緩め、細胞を1個ずつに分散させる。続いて、分散された状態の細胞を含む懸濁液を遠心分離して、集めた細胞に、凍結保護剤を含む液体を添加して凍結する(特許文献2)。
【0007】
しかし、近位尿細管上皮細胞の凝集体を凍結する場合に従来の凍結方法を適用すると、解凍後に同様の手法で凝集体を作製しようと試みても、分散状態のままであり、凝集体形成させることが困難であった。また、このような方法で凍結された細胞は、解凍後に腎臓の機能を司る遺伝子発現が低下しており、腎臓の機能が維持できないうえ、培養後の細胞生存率が低いという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開公報WO2018/186185
特開平6-46840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、解凍後の細胞生存率が高く、腎臓の生理機能が維持されている凍結された腎臓細胞、及び腎臓の生理機能が維持されている腎臓細胞培養物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る一実施態様は、培養された腎臓細胞を回収する回収工程、及び前記回収工程にて回収された腎臓細胞を凍結する凍結工程を含み、前記回収工程においては、前記腎臓細胞を凝集体として回収すると共に、前記凍結工程においては、前記凝集体の凝集状態を実質的に維持して凍結する、凍結状態にある腎臓細胞の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)
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