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公開番号
2025126425
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-29
出願番号
2024022594
出願日
2024-02-19
発明の名称
モータおよび減速機付モータ
出願人
マブチモーター株式会社
代理人
個人
主分類
H02K
23/00 20060101AFI20250822BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】低電圧(例えば、12V)で駆動されるモータと同じロータやコミテータセグメントを用いながら、高電圧(例えば、48V)で駆動された場合の整流火花による摺動接点の損傷への対策を施し、必要な耐久性が得られるモータおよび減速機付モータを提供する。
【解決手段】モータ1および減速機付モータにおいて、複数のコイル4は、磁極対の数をmとしたとき、コア3の周方向に相互に360/m(deg)ずれた位置に巻回された2つのコイル4が直列接続されるとともに、各コイル4の両端が隣接するコミテータセグメント5とそれぞれ接続され、複数のブラシ7は、銅と、金属硫化物と、金属炭化物及び金属珪化物の何れか1種と、黒鉛と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
シャフトに固定されたコアと、
前記コアに巻回された複数のコイルと、
前記シャフトに固定され、相互に絶縁された複数のコミテータセグメントを有するコミテータと、
前記複数のコミテータセグメントと摺動自在に接触する複数のブラシと、
を備えるモータにおいて、
前記複数のコイルは、磁極対の数をmとしたとき、前記コアの周方向に相互に360/m(deg)ずれた位置に巻回された2つのコイルが直列接続されるとともに、各コイルの両端が隣接するコミテータセグメントとそれぞれ接続され、
前記複数のブラシは、銅と、金属硫化物と、金属炭化物及び金属珪化物の何れか1種と、黒鉛と、を含む
ことを特徴とするモータ。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
前記金属硫化物が二硫化モリブデンであり、前記金属炭化物が炭化タングステンであり、前記金属珪化物が珪化タングステンである
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
複数の前記コミテータセグメントのそれぞれに固着される環状構造体をさらに備える
請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
定格電圧が48V以上60V以下の直流電源により駆動される
請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記シャフトを回動自在に保持する筒状のハウジングをさらに備え、
前記ハウジングの軸方向長さが200mm以下、前記ハウジングの径方向長さが100mm以下であり、定格出力が500W以下である
請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のモータと、
前記モータの出力を減速する減速機と、
を備える
ことを特徴とする減速機付モータ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車電装用や家電用等に供されるモータおよび減速機付モータに関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車電装用のモータは、14V系のバッテリ(バッテリ電圧としては12V)により駆動されるのが一般的であった。近年、自動車のハイブリッド化や電動化の進展に伴い、より高電圧のバッテリが車載され、主に走行用のアシストモータの電源として使用されている。例えば、56V系では、バッテリ電圧として48Vのバッテリが使用される。
【0003】
さらに、高電圧のバッテリにより他の電装品も駆動しようという動きがある。これが実現できれば、従来よりも電流を小さくし、自動車に配策されるワイヤハーネスにおける発熱を低減でき、また、ワイヤハーネスの電線径を小さくできるため、質量ひいては自動車の燃費およびコストを低減できる。
【0004】
ところで、14V系において自動車電装用のモータとして広範に使用されているブラシ付小型直流モータでは、コミテータセグメントの切り替わりの際にブラシとコミテータセグメントとの間で整流火花が生じる。このブラシ付小型直流モータを56V系に適用し、かつ14V系におけるものと同等のスペックを満足させようとする場合、コイルの巻線径を小さくして巻数を増やす必要がある。
【0005】
前述の整流火花は、モータの駆動中にコイルに貯まった電気エネルギによって生じるが、コイルの巻数が多いと、インダクタンスが高くなってコイルに貯まる電気エネルギも大きくなるため、非常に激しい整流火花が生じることとなる。このような整流火花の増大はブラシ寿命を低下させる。従来、整流火花対策としては、ロータのスロットやコミテータセグメントを多溝化することが行われてきた(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭63-186544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ロータのスロットなどを多溝化するとモータが大型化することになり、また、コミテータセグメントの数が増えると、隣接するコミテータセグメント間を導通させることがないようブラシの幅を小さくする必要が生じ、ブラシの体積も小さくなり、モータの駆動可能時間が低下してしまう虞がある。
【0008】
一方、従来の14V系のモータと同じロータとコミテータとを使用し、コイルの巻数の調整により性能を同等に合わせ込んで56V系において使用することも考えられる。例えば、電圧を12Vから48Vとして、モータ性能を同等に揃えるには、コイルの巻数を電圧に比例して4倍にすれば良いが、そうすると、電圧の上昇により整流火花が著しく増加し、ブラシとコミテータとで構成される摺動接点が損傷しやすくなる。
【0009】
具体的には、本発明者らが、製品としての要求駆動回数が特定の試験モードにおいて2万サイクル以上であるところ、従来の14V系で使用されているモータを13.5Vで駆動させたところ、要求駆動回数の2倍である4万サイクル以上にわたり駆動した。次に、同種のモータを52Vで駆動させる試験を行った。このとき、52V駆動時に13.5V駆動時と出力特性が同等になるよう巻線径および巻数を変更して試験を行った。その結果、0.2万サイクルしか駆動せず停止に至った。続いて、同種のモータを用い、コミテータセグメントの舌片に整流火花抑制のため環状構造体(リング状バリスタ)を取り付けたうえで同様の試験を行ったところ、1.4万サイクルまで駆動回数を延長することができた。しかし、前述の要求駆動回数を満たし得なかった。整流火花対策として単に環状構造体を付けるだけでは十分な駆動回数を確保できないことが分かった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、低電圧(例えば、12V)で駆動されるモータと同じロータやコミテータセグメントを用いながら、高電圧(例えば、48V)で駆動された場合の整流火花による摺動接点の損傷への対策を施し、必要な耐久性が得られるモータおよび減速機付モータを提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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