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公開番号2025127131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024023667
出願日2024-02-20
発明の名称ボルト
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250825BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高強度と、優れた耐水素脆性と、優れた低温靭性とを有する、ボルトを提供する。
【解決手段】本開示によるボルトは、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.10~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.01~0.80%、Mo:0.70~1.50%未満、V:0.01~0.50%、Al:0.005~0.100%、及び、N:0.0010~0.0200%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、引張強さTSが1300MPa以上であり、MC型炭化物の個数密度NDが2.0×1022個/m3以上であり、ボルトの母相における原子%での固溶Mo濃度を[Mo]SSと定義し、MC型炭化物中の原子%でのMo濃度を[Mo]MCと定義したとき、式(1)を満たす。
[Mo]SS/[Mo]MC≧0.50 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ボルトであって、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.01~0.80%、
Mo:0.70~1.50%未満、
V:0.01~0.50%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0200%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
引張強さTSが1300MPa以上であり、
MC型炭化物の個数密度NDが2.0×10
22
個/m

以上であり、
前記ボルトの母相における原子%での固溶Mo濃度を[Mo]
SS
と定義し、前記MC型炭化物中の原子%でのMo濃度を[Mo]
MC
と定義したとき、式(1)を満たす、
ボルト。
[Mo]
SS
/[Mo]
MC
≧0.50 (1)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
ボルトであって、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.01~0.80%、
Mo:0.70~1.50%未満、
V:0.01~0.50%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0200%、を含有し、
さらに、第1群~第3群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
引張強さTSが1300MPa以上であり、
MC型炭化物の個数密度NDが2.0×10
22
個/m

以上であり、
前記ボルトの母相における原子%での固溶Mo濃度を[Mo]
SS
と定義し、前記MC型炭化物中の原子%でのMo濃度を[Mo]
MC
と定義したとき、式(1)を満たす、
ボルト。
[第1群]
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、
B:0.0050%以下、
Zr:0.100%以下、
Hf:0.010%以下、
Ta:0.010%以下、及び、
W:0.20%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ti:0.100%以下、及び、
Nb:0.100%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Ca:0.0050%以下、
Bi:0.020%以下、
Te:0.010%以下、及び、
Sn:0.100%以下、からなる群から選択される1種以上
[Mo]
SS
/[Mo]
MC
≧0.50 (1)
【請求項3】
請求項2に記載のボルトであって、
前記化学組成が、前記第1群を含有する、
ボルト。
【請求項4】
請求項2に記載のボルトであって、
前記化学組成が、前記第2群を含有する、
ボルト。
【請求項5】
請求項2に記載のボルトであって、
前記化学組成が、前記第3群を含有する、
ボルト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ボルトに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ボルトは、産業機械、自動車、橋梁に代表される建築物等に利用される。近年、産業機械及び自動車の高性能化、及び、建築物等の大型化に伴い、ボルトの高強度化が求められている。具体的には、1300MPa以上の引張強さを有するボルトが求められている。
【0003】
このような高強度を有するボルトでは、水素脆化感受性が高まる。そのため、高強度を有するボルトでは、優れた耐水素脆性が求められる。
【0004】
特開2019-218584号公報(特許文献1)、国際公開第2017/094487号(特許文献2)、及び、特開2013-163865号公報(特許文献3)は、高い強度と優れた耐水素脆性とを有するボルトを提案する。
【0005】
特許文献1に開示されるボルトは、質量%で、C:0.22~0.40%、Si:0.10~1.50%、Mn:0.20~0.40%未満、Cr:0.70~1.60%未満、Al:0.005~0.060%、Ti:0.010~0.050%、B:0.0003~0.0040%、N:0.0015~0.0080%、Cu:0.50%以下、Ni:0.30%以下、Mo:0.05%以下、V:0.050%以下、Nb:0.050%以下を含有し、さらに、Sb:0.001~0.100%、Sn:0.001~0.100%、及び、Bi:0.001~0.100%からなる群から選択される1種以上を含有し、さらに、O:0.0020%以下、P:0.020%以下、S:0.020%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる。このボルトはさらに、式(1)(0.50≦C+(1/10)×Si+(1/5)×Mn+(5/22)×Cr≦0.85)と、式(2)(0.003≦Sb+Sn+Bi≦0.100)とを満たす。
このボルトでは、化学組成中のSb、Sn及びBiの含有量を、式(2)を満たすように調整することにより、軸部の引張強度が1000~1300MPaであっても、優れた耐水素脆性が得られる、と特許文献1には記載されている。
【0006】
特許文献2に開示されるボルトは、質量%で、C:0.22~0.40%、Si:0.10~1.50%、Mn:0.20~0.40%未満、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cr:0.70~1.45%、Al:0.005~0.060%、Ti:0.010~0.045%、B:0.0003~0.0040%、N:0.0015~0.0080%、O:0.0020%以下、Cu:0~0.50%、Ni:0~0.30%、Mo:0~0.04%、V:0~0.05%、及び、Nb:0~0.050%を含有し、残部はFe及び不純物からなる。このボルトはさらに、式(1)(0.50≦C+Si/10+Mn/5+5Cr/22≦0.85)と、式(2)(Si/Mn>1.0)とを満たす。
このボルトでは、式(1)を満たすことによりボルトの引張強度を1000~1300MPaに高め、式(2)を満たすことにより、ボルトの耐水素脆性を高める、と特許文献2には記載されている。
【0007】
特許文献3に開示されるボルトは、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:1.0~2.5%、Mn:0.1~1.5%、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.015%以下(0%を含まない)、Cr:0.15~2.4%、Al:0.10%以下(0%を含まない)、及び、N:0.015%以下(0%を含まない)を含有し、さらに、Cu:0.10~0.50%、及び、Ni:0.1~1.0%を、[Ni]/[Cu]≧0.5を満たすように含有し、さらに、Ti:0.05~0.20%、及び、V:0.20%以下(0%を含む)を、[Ti]+[V]:0.085~0.30%を満たすように含有し、残部がFeおよび不純物からなる。このボルトはさらに、ボルト軸部のオーステナイト結晶粒度番号が9.0以上であり、ボルト軸部のオーステナイト結晶粒界に析出した炭化物の割合を示すG値(%)が、式(1)(G値:(L/L0)×100≦60、なお、L:オーステナイト結晶粒界に析出した厚さ50nm以上の炭化物の合計長さ、L0:オーステナイト結晶粒界の長さを示す)を満たす。
このボルトでは、粒界に析出する炭化物を抑制することにより、高強度であっても、優れた耐水素脆性が得られる、と特許文献3には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2019-218584号公報
国際公開第2017/094487号
特開2013-163865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ボルトは冷蔵冷凍倉庫や寒冷地をはじめとする低温環境で使用されることもある。低温環境では、ボルトの靭性は低下する。そのため、ボルトには優れた低温靭性も求められる。一般的に、上述のような高強度を有するボルトでは、低温靭性が低い。特許文献1~特許文献3では、ボルトの高強度化については検討されているものの、低温靭性については検討されていない。
【0010】
本開示の目的は、高強度を有し、優れた耐水素脆性及び優れた低温靭性が得られるボルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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