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公開番号
2025128928
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-03
出願番号
2024025950
出願日
2024-02-22
発明の名称
炭酸カルシウムの製造方法
出願人
宇部マテリアルズ株式会社
代理人
弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類
C01F
11/18 20060101AFI20250827BHJP(無機化学)
要約
【課題】微粒の炭酸カルシウムの製造を客観的に最適な条件で行い得る方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、水酸化カルシウムの水性懸濁液に二酸化炭素を導入する工程を有する炭酸カルシウムの製造方法である。水性懸濁液へ二酸化炭素を導入しながら該水性懸濁液の導電率を測定し、水性懸濁液の導電率が1.0mS/cm以下となるまで二酸化炭素の導入を継続する。水性懸濁液の導電率が1.0mS/cm以下となった時点を基準とし、当該時点から該水性懸濁液に導入した二酸化炭素の積算モル数をM
CO2
とし、該水性懸濁液中に含まれている全カルシウムのモル数をM
Ca
としたとき、M
CO2
/M
Ca
の値が0.0超1.5以下となるまで、二酸化炭素の導入を継続することが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水酸化カルシウムの水性懸濁液に二酸化炭素を導入する工程を有する炭酸カルシウムの製造方法であって、
前記水性懸濁液へ二酸化炭素を導入しながら該水性懸濁液の導電率を測定し、
前記水性懸濁液の導電率が1.0mS/cm以下となるまで二酸化炭素の導入を継続する、炭酸カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記水性懸濁液の導電率が1.0mS/cm以下となった時点を基準とし、当該時点から該水性懸濁液に導入した二酸化炭素の積算モル数をM
CO2
とし、該水性懸濁液中に含まれている全カルシウムのモル数をM
Ca
としたとき、M
CO2
/M
Ca
の値が0.0超1.5以下となるまで、二酸化炭素の導入を継続する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記水性懸濁液1m
3
当たりに対し、二酸化炭素を20(Nm
3
/h)/m
3
以上200(Nm
3
/h)/m
3
以下の流量で導入する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記水性懸濁液に含まれている全カルシウムのモル濃度が0.25kmol/m
3
以上4.25kmol/m
3
以下である、請求項1に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は炭酸カルシウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
炭酸カルシウムは、例えばプラスチックやゴムに対する添加剤、建築材料、及び電子材料に対する添加剤などとして様々な分野で用いられている。特に電子材料に用いる場合、電子機器の性能を向上させる観点から微粒の炭酸カルシウムが望まれている。
【0003】
微粒の炭酸カルシウムの製造方法として本出願人は先に、水酸化カルシウムの水性懸濁液に二酸化炭素ガスを導入し、該水酸化カルシウムの95質量%以上が炭酸化された時点で、添加剤を添加することを提案した(特許文献1)。この製造方法によれば、炭酸カルシウムの表面を添加剤で処理することで、長期間保存しても粒子成長が起こりにくくなるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-231917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、微粒の炭酸カルシウムを製造することが可能である。しかしながら、水酸化カルシウムと二酸化炭素とを反応させて微粒の炭酸カルシウムを得る最適な条件の見極めが容易でなく、従来は液のpHや温度を測定して、経験的に最適反応条件を決定していた。したがって最適反応条件を客観的に決定し得る方法が望まれていた。
本発明の課題は、微粒の炭酸カルシウムの製造を客観的に最適な条件で行い得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水酸化カルシウムの水性懸濁液に二酸化炭素を導入する工程を有する炭酸カルシウムの製造方法であって、
前記水性懸濁液へ二酸化炭素を導入しながら該水性懸濁液の導電率を測定し、
前記水性懸濁液の導電率が1.0mS/cm以下となるまで二酸化炭素の導入を継続する、炭酸カルシウムの製造方法を提供することにより前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、微粒の炭酸カルシウムの製造を客観的に最適な条件で行い得る方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は炭酸カルシウムの製造方法に関するものである。本発明の製造方法は、以下の工程(1)ないし(4)に大別される。工程(1)、工程(2)、工程(3)及び工程(4)はこの順で行われる。工程(4)の完了後、必要に応じ、分散剤を投入する工程を行ってもよい。また必要に応じて、工程(1)と工程(2)との間、工程(2)と工程(3)との間、及び/又は工程(3)と工程(4)との間に付加的な工程を行ってもよい。以下、工程(1)ないし(4)工程についてそれぞれ説明する。
工程(1):水酸化カルシウムの水性懸濁液を準備する工程。
工程(2):前記水性懸濁液に二酸化炭素を導入する工程。
工程(3):前記水性懸濁液へ二酸化炭素を導入しながら該水性懸濁液の導電率を測定する工程。
工程(4):所定の時点まで二酸化炭素の導入を継続する工程。
【0009】
[工程(1)]
本工程においては、水酸化カルシウムの懸濁液(以下、単に「懸濁液」ともいう。)を準備する。懸濁液は、水酸化カルシウム源及び水性液を含む。水酸化カルシウム源としては、少なくとも水酸化カルシウムを含むか、あるいは水性液中で水酸化カルシウムを生じ得る化合物を特に制限なく用いることができる。後者の化合物としては、例えば酸化カルシウムが挙げられる。水酸化カルシウム源は、天然物であってもよく、あるいは合成物であってもよい。水酸化カルシウム源としては、例えば水酸化カルシウムを含む組成物及び混合物、酸化カルシウムを含む組成物及び混合物、水酸化カルシウムそのもの並びに酸化カルシウムそのものを用いることができる。水酸化カルシウムを含む組成物及び混合物、並びに酸化カルシウムを含む組成物及び混合物としては、例えば生石灰粉、塊状生石灰、塩焼き生石灰、及び消石灰等を用いることができる。これらは一種を単独で又は二種以上を用いることができる。
本明細書において「水性液」とは水を5質量%以上含む液体(溶液、分散液及び乳化液等)のことである。水性液に含まれる水の量は、95質量%以上が好ましく、98質量%以上が更に好ましく、99質量%以上が一層好ましく、100質量%であってもよい。工程(1)で用いる水性液として、例えば水、及び水と水溶性有機溶媒との混合液等を用いることができる。これらの中でも水を用いることが、微粒の炭酸カルシウムの製造を客観的に最適な条件で行い得る観点から好ましい。
【0010】
以上の原料が得られたら、水酸化カルシウム源と水性液とを反応槽内で混合し、懸濁液を準備する。混合の条件は、水酸化カルシウム源及び水性液の種類に応じて適宜変更可能である。
本工程においては、全カルシウムの濃度が所定の範囲にある懸濁液を準備することが好ましい。具体的には、後述の工程において、微粒の炭酸カルシウムを首尾よく生成させる観点から、懸濁液に含まれている全カルシウムのモル濃度が0.25kmol/m
3
以上であることが好ましく、0.50kmol/m
3
以上であることが更に好ましい。同様の観点から、懸濁液に含まれている全カルシウムのモル濃度が4.25kmol/m
3
以下であることが好ましく、2.00kmol/m
3
以下であることが更に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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