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公開番号2025139326
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024038203
出願日2024-03-12
発明の名称多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類C01B 33/021 20060101AFI20250918BHJP(無機化学)
要約【課題】多孔質シリコン材料の充放電特性をより向上する。
【解決手段】本開示の多孔質シリコン材料は、Si相及び15質量%以下のSi-V化合物を含む導電相を含み、SiO2が20質量%以下であり、導電相に対するSiO2の質量比So/Vsが1.5以下であり、水銀圧入法で求めた細孔率が80体積%以下である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
Si相及び15質量%以下のSi-V化合物を含む導電相を含み、
SiO
2
が20質量%以下であり、
前記導電相に対するSiO
2
の質量比So/Vsが1.5以下であり、
水銀圧入法で求めた細孔率が80体積%以下である、
多孔質シリコン材料。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記導電相が10質量%以下であり、
前記SiO
2
が10質量%以下である、請求項1に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項3】
AlとSiとVとの全体を100at%としたときにVの含有量が1at%以上10at%以下の範囲である、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項4】
前記細孔率が50体積%以上である、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項5】
水銀圧入法で求めた平均細孔径が50nm以上70nm以下の範囲である、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項6】
正極活物質を含む正極と、
請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料を負極活物質として含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えた蓄電デバイス。
【請求項7】
AlとSiとVとを含む原料を溶融し急冷凝固させシリコン合金の前駆体を得る前駆体工程と、
前記シリコン合金に含まれるAl成分を0.5mol/L未満の濃度の酸で除去して多孔質シリコン材料を得る多孔化工程と、
を含む多孔質シリコン材料の製造方法。
【請求項8】
前記多孔化工程では、Si相及び15質量%以下のSi-V化合物を含む導電相を含み、SiO
2
が20質量%以下であり、前記導電相に対するSiO
2
の質量比So/Vsが1.5以下であり、水銀圧入法で求めた細孔率が80体積%以下である前記多孔質シリコン材料を得る、請求項7に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
【請求項9】
前記多孔化工程では、0.2mol/L以下の濃度の塩酸でAl成分を除去する、請求項7又は8に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
【請求項10】
前記多孔化工程では、前記導電相が10質量%以下であり、前記SiO
2
が10質量%以下である前記多孔質シリコン材料を得る、請求項7又は8に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書では、多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を開示する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、多孔質シリコン材料の製造方法としては、AlとSiとVとを含む原料を溶融し急冷凝固させシリコン合金の前駆体を得る前駆体工程と、シリコン合金に含まれるAl成分を除去して多孔質シリコン材料を得る多孔化工程と、を含むものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造方法では、微細なSi-V化合物でシリコン骨格が強化されるため、充放電特性の低下をより抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-154884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1の製造方法では、AlやVなどを含むものとして、その強度を高め、充放電特性の低下をより抑制することができるが、まだ十分でなく更なる改良が望まれていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、多孔質シリコン材料の充放電特性をより向上することができる多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、AlとSiとVとを含むシリコン合金を作製し、Alを除去する際の条件をより好適ものとすることによって、充放電特性をより向上することができることを見いだし、本開示の多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法、を完成するに至った。
【0007】
即ち、本開示の多孔質シリコン材料は、
Si相及び15質量%以下のSi-V化合物を含む導電相を含み、
SiO
2
が20質量%以下であり、
前記導電相に対するSiO
2
の質量比So/Vsが1.5以下であり、
水銀圧入法で求めた細孔率が80体積%以下であるものである。
【0008】
本開示の蓄電デバイスは、
正極活物質を含む正極と、
上述した多孔質シリコン材料を負極活物質として含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
【0009】
本開示の多孔質シリコン材料の製造方法は、
AlとSiとVとを含む原料を溶融し急冷凝固させシリコン合金の前駆体を得る前駆体工程と、
前記シリコン合金に含まれるAl成分を0.5mol/L未満の濃度の酸で除去して多孔質シリコン材料を得る多孔化工程と、
を含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示は、多孔質シリコン材料において、充放電特性をより向上することができる。このような効果が得られる理由は以下のように推察される。例えば、リチウムイオン二次電池用のシリコン負極は、理論容量が黒鉛等に比して高い値を示すが、充放電時の体積変化によって、その構造を保つことが困難なことがあった。この多孔質シリコン材料では、ナノサイズなどの微細な細孔を有し、微細なSi-V化合物でシリコン骨格が強化されることによって、その構造を強化することができ、充放電特性の低下をより抑制することができる。一方、この多孔質シリコン材料は、Alの除去処理を行うが、このとき、Siが酸化されることがあり、その抵抗率が高くなることがあった。本開示では、Alの除去処理条件を調整することによって、Si-V化合物を含む導電相を構造内に十分存在させ、且つSiの酸化をより抑制することによって、抵抗率の低減を図り、充放電特性をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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