TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024142901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055294
出願日2023-03-30
発明の名称ステンレス鋼帯の製造方法
出願人株式会社プロテリアル
代理人
主分類B21B 3/02 20060101AFI20241003BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】 介在物を含有する薄いステンレス鋼帯においても、ヘゲ疵の発生を低減させることができる、ステンレス鋼帯の製造方法
【解決手段】 厚さ1mm以下の冷間圧延用帯材を準備し、圧下率50~80%の冷間圧延を行う第一冷間圧延工程と、前記中間冷間圧延材の冷間圧延面に酸洗を施し、酸洗処理材を得る酸洗工程と、前記酸洗処理材に圧下率50~90%の冷間圧延を行い、厚さ0.1mm以下のステンレス鋼帯を得る第二冷間圧延工程とを備える、ステンレス鋼帯の製造方法。


【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
厚さ1mm以下の冷間圧延用帯材を準備し、圧下率50~80%の冷間圧延を行う第一冷間圧延工程と、
前記中間冷間圧延材の冷間圧延面に酸洗を施し、酸洗処理材を得る酸洗工程と、
前記酸洗処理材に圧下率50~90%の冷間圧延を行い、厚さ0.1mm以下のステンレス鋼帯を得る第二冷間圧延工程とを備える、ステンレス鋼帯の製造方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記酸洗工程は、前記中間冷間圧延材の減耗量が3~7μmとなるように酸洗する、請求項1に記載のステンレス鋼帯の製造方法。
【請求項3】
前記第二冷間圧延工程は、圧下率50%以上で圧延して中間冷延材を得る中間冷間圧延工程と、
前記中間冷延材を再結晶焼鈍して焼鈍材を得る再結晶焼鈍工程と、
前記焼鈍材を圧下率50%未満で圧延する仕上冷間圧延工程とを備え、
前記中間冷間圧延工程における総パス数をnとした際、中間冷間圧延の開始から少なくとも0.6nパスまでの圧延で使用する圧延ロールの粗さは、算術平均粗さRaで0.1μm以上であり、
前記仕上冷間圧延工程の最終パスで使用する圧延ロールの粗さは、算術平均粗さRaで0.1μm未満である、請求項1または2に記載のステンレス鋼帯の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ステンレス鋼帯の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
質量%でCrを10.5%以上含有するステンレスの鋼帯は、良好な機械特性および耐食性を有することから、スイッチ材、耐食バネ、インクジェットヘッド、HDD用サスペンションバネなど様々な分野に用いられている。このステンレス鋼は表面光沢、耐食性、密着性を向上させるために、可能な限り表面欠陥を除去して高品質な表面性状とすることが要求されている。
【0003】
ステンレス鋼帯を製造する際に形成される表面欠陥の一つとして、ヘゲ疵と呼ばれる鋼帯の圧延方向に沿って伸長した疵が知られている。このヘゲ疵は上述したように表面性状を低下させる要因であることから、従来よりヘゲ疵を除去するために様々な検討がなされている。例えば特許文献1には、高能率かつ低コストにヘゲ疵を除去するため、熱間圧延後に脱スケール処理したステンレス鋼板の表面に存在しているヘゲ疵や粒界溝などの表面欠陥を、混酸水溶液を用いて酸洗除去する旨が記載されている。
【0004】
また特許文献2は、熱間割れにより形成されたヘゲ疵を低減させるために、オーステナイト系ステンレス鋼板用の鋼素材を、加熱炉から抽出後、熱間圧延し、ついで冷間圧延を施したのち、仕上焼鈍を施してオーステナイト系ステンレス鋼板を製造するに際し、上記鋼素材の加熱炉からの抽出温度を、該鋼素材中のSn含有量に応じて調整することを特徴とする表面性状の優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-144461号公報
特開2003-147439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ヘゲ疵の発生要因は上述した熱間割れの他にも、鋼帯表面に存在する介在物(析出物)が発生要因となる場合もある。特にステンレスは連続鋳造でスラブを製造した際、このような介在物起因のヘゲ疵が発生しやすい傾向にある。特許文献1に記載の技術はヘゲ疵の除去に有用な発明であるが、冷間圧延後の板厚が約1.8mmと、厚い板材を対象としている。薄板材になればなるほど、少しの疵でも強度低下を招く惧れがある。また特許文献2はSn含有量に応じて加熱温度を調整することで熱間割れを起因とするヘゲ疵を抑制する発明であるが、介在物起因のヘゲ疵を抑制する方法については開示されていない。また介在物起因のヘゲ疵を低減させる方法として、溶解工程における脱酸剤の添加や溶解方法を調整して介在物そのものを減らす方法も考えられるが、製造コスト増加が懸念される。
そこで本発明の目的は、介在物を含有する薄いステンレス鋼帯においても、ヘゲ疵の発生を低減させることができる、ステンレス鋼帯の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、厚さ1mm以下の冷間圧延用帯材を準備し、圧下率50~80%の冷間圧延を行う第一冷間圧延工程と、前記中間冷間圧延材の冷間圧延面に酸洗を施し、酸洗処理材を得る酸洗工程と、前記酸洗処理材に圧下率50~90%の冷間圧延を行い、厚さ0.1mm以下の鉄基合金帯材を得る第二冷間圧延工程とを備える、ステンレス鋼帯の製造方法である。
好ましくは、前記酸洗工程は、前記中間冷間圧延材の減耗量が3~7μmとなるように酸洗する。
好ましくは、前記第二冷間圧延工程は、圧下率50%以上で圧延して中間冷延材を得る中間冷間圧延工程と、前記中間冷延材を再結晶焼鈍して焼鈍材を得る再結晶焼鈍工程と、前記焼鈍材を圧下率50%未満で圧延する仕上冷間圧延工程とを備え、前記中間冷間圧延工程における総パス数をnとした際、中間冷間圧延の開始から少なくとも0.6nパスまでの圧延で使用する圧延ロールの粗さは、算術平均粗さRaで0.1μm以上である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ヘゲ疵の発生を低減させることが可能なステンレス鋼帯を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
比較例の試料表面の拡大写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り挙げた実施形態に限定されるものではなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。本発明はステンレス鋼帯を対象とする。このステンレス鋼帯とは、JIS-G-4305に規定されるフェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、オーステナイト・フェライト系ステンレス、析出硬化系ステンレスといったステンレスを対象とすることができるが、連続鋳造で製造されることが多く、その過程で圧延方向に連なった炭化物が形成されやすい傾向にあるフェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレスを対象とすることが好ましい。より好ましくはオーステナイト系ステンレスを対象とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
棒鋼連続引抜装置
1か月前
株式会社オプトン
曲げ加工装置
1か月前
株式会社不二越
NC転造盤
1か月前
トヨタ紡織株式会社
プレス金型
20日前
株式会社トラバース
パンチング加工装置
12日前
株式会社アマダ
曲げ加工機
1か月前
日産自動車株式会社
逐次成形方法
2か月前
株式会社TMEIC
監視装置
18日前
トヨタ自動車株式会社
パイプ曲げ加工装置
1か月前
株式会社吉野機械製作所
プレス機械
3か月前
株式会社三明製作所
転造装置
3か月前
株式会社不二越
転造加工用平ダイス
1か月前
株式会社カネミツ
筒張出部形成方法
3か月前
加藤軽金属工業株式会社
押出材の加工装置
1か月前
株式会社カネミツ
歯付円筒体形成方法
3か月前
本田技研工業株式会社
鍛造用金型
1か月前
株式会社エナテック
製品分離システム
1か月前
東洋製罐株式会社
有底筒状体加工装置
2か月前
日本製鉄株式会社
圧延装置
2か月前
日本製鉄株式会社
圧延装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
歯形を鍛造成形する方法
27日前
トックス プレソテクニック株式会社
接合装置
1か月前
株式会社IKS
滑り止め構造
2か月前
JFEスチール株式会社
板巻き加工品の製造方法
3日前
三菱重工業株式会社
ひずみ計測方法
1か月前
株式会社エフ・シー・シー
積層鉄心の製造装置
1か月前
株式会社アマダ
安全確認画像の表示方法
3か月前
株式会社マキタ
管拡径工具
5日前
トヨタ自動車株式会社
順送プレス装置、及び制御方法
3か月前
株式会社エフ・シー・シー
積層鉄心の製造装置
1か月前
アイダエンジニアリング株式会社
アシスト絞り成形装置
1か月前
フタバ産業株式会社
パイプの製造方法
2か月前
馳逸自動化科技(蘇州)有限公司
合金スタンピング装置
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼板の熱間圧延方法
2か月前
株式会社アイシン
プレス成形装置およびプレス成形方法
13日前
アグサメタル株式会社
螺旋コイルの製造装置及び製造方法
3か月前
続きを見る