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公開番号2025040585
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147481
出願日2023-09-12
発明の名称筆記具
出願人ゼブラ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B43K 1/12 20060101AFI20250317BHJP(筆記用または製図用の器具;机上付属具)
要約【課題】多重外観筆記線を筆記でき、かつ多重外観筆記線の外側の輪郭の明瞭性を向上できる筆記具を提供すること。
【解決手段】インクと、筆記具本体とを備え、筆記具本体が、インク収容部と、インク収容部から延在し、インク収容部から供給されるインクを通過させて吐出させるインク吐出面を有するチップとを有し、インクが、顔料を含む着色剤を含有し、顔料が、第1顔料と、第1顔料の平均粒径と異なる平均粒径を有する第2顔料とを含み、チップは、内側チップと、外側チップとを有し、内側チップは、第1顔料を含む内側インクを通過させる第1流路を有し、外側チップは、第2顔料を含み、内側インクの外観とは異なる外観を示す外側インクを通過させる第2流路を有し、チップのインク吐出面は、内側チップの第1端面であって互いに分離されている2つの第1端面と、外側チップの端面であって、2つの第1端面の間に配置される第2端面とを有する、筆記具。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
インクと、
前記インクを収容し、排出させる筆記具本体とを備え、
前記筆記具本体が、
前記インクを収容するインク収容部と、
前記インク収容部から延在し、前記インク収容部から供給される前記インクを通過させて吐出させるインク吐出面を有するチップとを有し、
前記インクが、顔料を含む着色剤を含有し、
前記顔料が、第1顔料と、前記第1顔料の平均粒径と異なる平均粒径を有する第2顔料とを含み、
前記チップは、内側チップと、前記内側チップを取り囲むように設けられた外側チップとを有し、
前記内側チップは、前記第1顔料を含む内側インクを通過させる第1流路を有し、
前記外側チップは、前記第2顔料を含み、前記内側インクの外観とは異なる外観を示す外側インクを通過させる第2流路を有し、
前記チップの前記インク吐出面は、前記外側チップの先端面であって互いに分離されている2つの第2端面と、前記内側チップの先端面であって前記2つの第2端面の間に配置される第1端面とを有する、筆記具。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記第1顔料の平均粒径が前記第2顔料の平均粒径よりも大きくなっており、
前記内側チップが、前記外側チップで覆われた非露出側面と、前記非露出側面よりも前記インク収容部側で露出された露出側面とを有する、請求項1に記載の筆記具。
【請求項3】
前記インクが水溶性有機溶剤を含み、前記水溶性有機溶剤が、分岐した疎水性基を有さない、請求項1又は2に記載の筆記具。
【請求項4】
前記インクが水溶性有機溶剤を含み、前記水溶性有機溶剤の沸点が200℃以上である、請求項1又は2に記載の筆記具。
【請求項5】
前記インクが界面活性剤を含み、前記界面活性剤が、非リン酸エステル系界面活性剤で構成される、請求項1又は2に記載の筆記具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、筆記具に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
筆記具として、二重発色筆記線を筆記することが可能な筆記具が知られている。例えば下記特許文献1には、金属粉顔料、水、水溶性有機溶剤、着色剤及びリン酸エステル系界面活性剤を含む二重発色インキを、マーキングペンなどの筆記具に用い得ることが記載されている。下記特許文献1では、この筆記具を用いて紙に対して筆記を行うと、着色剤及び水溶性有機溶剤が紙に浸透拡散し、その上の一部を金属粉顔料が覆うことで、金属粉顔料の色による内側筆記線の両側に、着色剤による色の外側筆記線(縁取り線)が形成され、その結果、二重発色筆記線が得られることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-060666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の筆記具は、以下に示す課題を有していた。
すなわち、上記筆記具では、着色剤及び水溶性有機溶剤が紙に浸透拡散することによって内側筆記線の両側に外側筆記線が形成されるが、その場合でも、外側筆記線の外側の輪郭を明瞭にすることができず、二重発色筆記線の外側の輪郭の明瞭性の点で改善の余地があった。
また、筆記線には、三重発色筆記線などに対するニーズも考えられる。さらには、色だけでなく、模様や表面状態などの外観が異なる筆記線を含む多重外観筆記線に対するニーズも考えられる。
【0005】
本開示は、多重外観筆記線を筆記でき、かつ多重外観筆記線の外側の輪郭の明瞭性を向上できる筆記具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る筆記具は、インクと、インクを収容し、排出させる筆記具本体とを備え、筆記具本体が、インクを収容するインク収容部と、インク収容部から延在し、インク収容部から供給されるインクを通過させて吐出させるインク吐出面を有するチップとを有し、インクが、顔料を含む着色剤を含有し、顔料が、第1顔料と、第1顔料の平均粒径と異なる平均粒径を有する第2顔料とを含み、チップは、内側チップと、内側チップを取り囲むように設けられた外側チップとを有し、内側チップは、第1顔料を含む内側インクを通過させる第1流路を有し、外側チップは、第2顔料を含み、内側インクの外観とは異なる外観を示す外側インクを通過させる第2流路を有し、チップのインク吐出面は、内側チップの先端面であって互いに分離されている2つの第1端面と、外側チップの先端面であって2つの第1端面の間に配置される第2端面とを有する。
【0007】
上記筆記具によれば、筆記具本体のインク収容部からインクがチップに供給されると、インクはチップを通過する。このとき、インクの着色剤中の顔料に含まれる第1顔料を含むインクは内側インクとしてチップの内側チップの第1流路を通過し、内側チップの第1端面から吐出される。一方、インクの着色剤中の顔料に含まれる第2顔料を含むインクは外側インクとしてチップの外側チップの第2流路を通過し、外側チップの第2端面から吐出される。ここで、第1端面から吐出される内側インクの外観と第2端面から吐出される外側インクの外観とは互いに異なる。このため、筆記具を用い、チップのインク吐出面を紙面に押し当てながら内側チップの2つの第1端面及び外側チップの第2端面を通る方向に直交する方向に筆記を行うと、内側インクによる内側筆記線の両側に、外側インクによる外側筆記線が形成され、多重外観筆記線を筆記することが可能となる。また、このとき、着色剤中の顔料が第1顔料及び第2顔料を含んでおり、これらの顔料は、染料などの着色剤に比べて紙に浸透しにくい。このため、外側筆記線の外側の輪郭が明瞭となる。その結果、多重外観筆記線の外側の輪郭の明瞭性を向上できる。
【0008】
上記の筆記具では、第1顔料の平均粒径が第2顔料の平均粒径よりも大きくなっており、内側チップが、外側チップで覆われた非露出側面と、非露出側面よりもインク収容部側で露出された露出側面とを有することが好ましい。
この場合、インクを、内側チップの露出側面から供給することが可能となり、インクとの接触面積を大きくすることができる。このため、第2顔料よりも平均粒径の大きい第1顔料を内側チップに効率よく供給することができる。
【0009】
上記の筆記具では、インクが水溶性有機溶剤を含み、水溶性有機溶剤が、分岐した疎水性基を有さないことが好ましい。
この場合、インクが紙に浸透しにくくなり、上記筆記具による内側筆記線及び外側筆記線が滲み難くなる。その結果、多重外観筆記線の外側の輪郭の明瞭性がより向上する。また、内側筆記線と外側筆記線との間の境界の明瞭性もより向上する。さらに、多重外観筆記線が筆記された紙における多重外観筆記線の裏移りがより十分に抑制される。
【0010】
上記の筆記具では、インクが水溶性有機溶剤を含み、水溶性有機溶剤の沸点が200℃以上であることが好ましい。
この場合、内側筆記線と外側筆記線との間の境界の明瞭性がより向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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