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公開番号2025044089
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2023173918
出願日2023-09-19
発明の名称金属画像形成方法
出願人株式会社電気印刷研究所
代理人
主分類B41M 3/12 20060101AFI20250325BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】サブトラクティブ法において、レジストパターン形成工程にかかるコストおよび時間を削減する目的で、感光体上に形成したトナー画像をレジストパターンとして利用する方法が提案されている。しかし、この方法でも依然としてコストと時間がかかるエッチング工程は必要である。レジストパターン形成工程に加えてエッチング工程も必要としない新たな金属画像形成方法が求められている。
【解決手段】トナー画像をエッチング工程のレジストパターンとして利用するのではなく、公知のリフトオフ法における金属画像形成のためのレジストパターンとして利用する。感光体を用いないで、直接基板S上に静電気パターンを形成し現像することによりトナー画像を形成する。基板S上のトナー画像を任意の基板T上に転写する。基板Tのトナー画像転写面を、物理的作製法により金属層で被覆後、トナー画像をトナー画像上の金属層とともに除去することにより、金属画像を得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(1) 離型層、絶縁層、導電層とからなる基板Sの離型層上に静電気パターンを形成する工程(静電気パターン形成工程)、
(2) 前記静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像し、前記基板Sの離型層上にトナー画像を形成する工程(現像工程)、
(3) 前記トナー画像を基板T上に転写する工程(トナー転写工程)、
(4) 前記基板Tの前記トナー画像を転写した面を物理的作製法により金属層で被覆する工程(金属層被覆工程)、
(5) 前記トナー画像をトナー画像上の金属層とともに除去する工程(トナー除去工程)よりなることを特徴とする金属画像形成方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンが形成されている版層と第1電極とを備える原版と、離型層、絶縁層と第2電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記原版の版層と前記基板Sの離型層を密着させ、前記原版の第1電極と前記基板Sの第2電極との間に前記版層のパターンと前記離型層との空隙を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記基板Sの離型層上に前記版層のパターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の金属画像形成方法。
【請求項3】
導電性材料のみの成型体または絶縁性材料と導電性材料の積層体からなり、かつ所定のイオン透過性開口部を備えるマスクシートと、離型層、絶縁層と背面電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記マスクシートと前記基板Sの離型層を密着させ、マスクシート越しにイオン照射を行った後、前記マスクシートを前記基板Sから剥離することにより、前記基板Sの離型層上に前記マスクシートのイオン透過性開口部とイオン遮蔽部に対応した静電気パターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の金属画像形成方法。
【請求項4】
イオン照射手段がコロナ放電によるイオン照射方式であることを特徴とする請求項3に記載の金属画像形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は金属画像形成方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
金属画像を形成する方法としてサブトラクティブ法が広く用いられている。
サブトラクティブ法の工程の概要は、以下のとおりである。すなわち絶縁性の基材上に金属層を設けた対象物の金属層上に感光性およびエッチング耐性を有するレジストを積層する工程(レジスト積層工程)、フォトマスクを介してレジスト層を露光後、現像し、金属層上にレジストパターンを形成する工程(レジストパターン形成工程)、レジスト層に被覆されていない金属層をエッチングにより除去後、洗浄する工程(エッチング工程)、レジスト層を金属層から除去後、洗浄し、金属画像を得る工程(レジスト除去工程)を経て、金属画像が形成される。
【0003】
上記サブトラクティブ法は、レジストパターン形成工程で、大掛かりな露光設備と現像設備が必要であり、またフォトマスクの製造および保管にコストがかかる。これらの課題を解決するため、感光体上に形成したトナー画像をレジストパターンとして利用する方法が提案されている(特許文献1参照)。すなわち、エッチング耐性を有する湿式トナーを用いて感光体上に形成したトナー画像を、静電転写により対象物の導電層(銅箔、ITO膜)上に転写し、定着させることにより導電層上にレジストパターンを形成する。レジストパターン形成後、エッチング工程、レジスト除去工程を経て、導電層画像が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008―270398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記、感光体上に形成したトナー画像をレジストパターンとして利用する方法は、レジストパターン形成工程にかかる設備コスト、製造コストおよび製造時間を削減できる。しかし、依然としてエッチング工程は必要である。エッチング工程でも大掛かりな設備が必要であり、製造コストと製造時間がかかる。
レジストパターン形成工程に加えてエッチング工程も必要としない新たな金属画像形成方法が求められている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための金属画像形成方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、トナー画像をエッチング工程のレジストパターンとして利用するのではなく、発想を変えて、トナー画像を公知のリフトオフ法における金属画像形成のためのレジストパターンとして利用することを検討した。その結果、感光体を用いないで、離型層、絶縁層、導電層とからなる基板Sの離型層上に直接静電気パターンを形成し、この静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像することにより離型層上にトナー画像を形成すれば、このトナー画像を任意の基板T上に転写できること、および基板Tのトナー画像を転写した面を、物理的作製法により金属層で被覆後、トナー画像をトナー画像上の金属層とともに除去することにより、基板T上に金属画像が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
本発明により上記課題を解決した金属画像形成方法が提供される。
(I)
(1)離型層、絶縁層、導電層とからなる基板Sの離型層上に静電気パターンを形成する工程(静電気パターン形成工程)、
(2)前記静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像し、前記基板Sの離型層上にトナー画像を形成する工程(現像工程)、
(3)前記トナー画像を基板T上に転写する工程(トナー転写工程)、
(4)前記基板Tの前記トナー画像を転写した面を物理的作製法により金属層で被覆する工程(金属層被覆工程)、
(5)前記トナー画像をトナー画像上の金属層とともに除去する工程(トナー除去工程)よりなることを特徴とする金属画像形成方法。
(II)凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンが形成されている版層と第1電極とを備える原版と、離型層、絶縁層と第2電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記原版の版層と前記基板Sの離型層を密着させ、前記原版の第1電極と前記基板Sの第2電極との間に前記版層のパターンと前記離型層との空隙を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記基板Sの離型層上に前記版層のパターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする前記1項に記載の金属画像形成方法。
(III)導電性材料のみの成型体または絶縁性材料と導電性材料の積層体からなり、かつ所定のイオン透過性開口部を備えるマスクシートと、離型層、絶縁層と背面電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記マスクシートと前記基板Sの離型層を密着させ、マスクシート越しにイオン照射を行った後、前記マスクシートを前記基板Sから剥離することにより、前記基板Sの離型層上に前記マスクシートのイオン透過性開口部とイオン遮蔽部に対応した静電気パターンを形成することを特徴とする前記1項に記載の金属画像形成方法。
(IV)イオン照射手段がコロナ放電によるイオン照射方式であることを特徴とする前記3項に記載の金属画像形成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法は、従来技術のようにレジストパターン形成工程、エッチング工程がないので、これらの工程に関わる設備が不要になり、またこれらの工程にかかる製造コストおよび製造時間を削減できる。しかも任意の基板上へのトナー画像の転写、トナー画像転写面の金属層による被覆、トナー画像とトナー画像上の金属層の同時除去を繰り返し行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
静電気パターン形成工程
現像工程
トナー転写工程
金属層被覆工程
トナー除去工程
静電気パターン形成工程の一例
静電気パターン形成工程の他の一例
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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