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公開番号2025046035
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023154180
出願日2023-09-21
発明の名称マグネットイヤリングおよびその補助部材
出願人株式会社ELEGANCE
代理人個人
主分類A44C 7/00 20060101AFI20250326BHJP(小間物;貴金属宝石類)
要約【課題】マグネットイヤリングを着用する個々の利用者に生じる不具合の程度に応じて、耳たぶにかかる押圧力のレベルを調整できるようにする。
【解決手段】裏面に磁石40が設けられた装飾体4と、非磁性の樹脂成形体の内部に永久磁石10,20が埋め込まれた構成の支持部材1,2と、非磁性で可撓性および柔軟性を有するシート状の補助部材3とを基本構成とする。支持部材1,2の磁石10,20の着磁方向は当該支持部材の厚み方向に合わせられており、支持部材1は装飾体4に連結されて、その連結体が耳たぶ8の表側に配置され、支持部材2が耳たぶ8の裏側に配置される。支持部材1の背面となった主面11および当該主面11に吸着可能な支持部材2の主面21の少なくとも一方に補助部材3が装着され,補助部材3と耳たぶ8とを挟んで支持部材1,2が向き合う状態が、双方の磁石10,20が引き合う力によって維持される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
後方部分に磁性体が含まれる装飾部材と、厚み方向に着磁された永久磁石を含む支持部材とを備え、前記装飾部材の磁性体の背面と当該背面に吸着可能な前記永久磁石の着磁面とがそれぞれ非磁性の樹脂により被覆されると共に、それらの被覆樹脂によって利用者の耳たぶに向けられる面が形成され、
前記磁性体を被覆した樹脂および前記永久磁石を被覆した樹脂の少なくとも一方の表面に、非磁性で可撓性および柔軟性を有するシート状の補助部材が着脱可能に装着され、当該補助部材と利用者の耳たぶとを挟んで前記装飾部材と支持部材とが向き合う状態が、前記磁性体と前記永久磁石とが引き合う力によって維持される、
マグネットイヤリング。
続きを表示（約 840 文字）【請求項２】
後方部分に磁性体が含まれる装飾体と、厚み方向に着磁された永久磁石を含む一対の支持部材とを備え、
前記一対の支持部材は、所定厚みの非磁性の樹脂成形体の内部に前記永久磁石をその厚み方向を当該樹脂成形体の厚み方向に合わせて埋め込んだ構成のものであり、いずれか一方の支持部材のＮ極側またはＳ極側の面が前記装飾体の裏面に吸着されることによって当該支持部材と当該装飾体とが着脱可能に連結され、
前記装飾体に連結された支持部材の背面となった面および当該背面に吸着可能な他方の支持部材の面の少なくとも一方に、非磁性で可撓性および柔軟性を有するシート状の補助部材が着脱可能に装着され、当該補助部材と利用者の耳たぶとを挟んで前記装飾体に連結された支持部材と前記補助部材が装着された支持部材とが向き合う状態が、双方の支持部材の永久磁石が引き合う力によって維持される、
マグネットイヤリング。
【請求項３】
前記補助部材の厚みは、当該部材が装着される支持部材の全体の厚みよりも薄いが、当該支持部材の前記補助部材が装着される面から前記永久磁石までの範囲の厚み以上となる、請求項２に記載されたマグネットイヤリング。
【請求項４】
後方部分に磁性体が含まれる装飾部材と、厚み方向に着磁された永久磁石を含む支持部材とを備え、前記装飾部材の磁性体の背面と当該背面に吸着可能な前記永久磁石の着磁面とがそれぞれ非磁性の樹脂により被覆されると共に、それらの被覆樹脂によって利用者の耳たぶに向けられる面が形成されて成るマグネットイヤリングに導入される補助部材であって、
非磁性で可撓性および柔軟性を有するシート状の部材であって、２つの主面の一方が前記装飾部材の前記磁性体を被覆した樹脂の表面または前記永久磁石を被覆した樹脂の表面に着脱可能に装着され、他方の主面が利用者の耳たぶに接触させる面となる、
マグネットイヤリングの補助部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、永久磁石の磁力を利用して装飾体が耳たぶの表面に保持されるようにしたマグネットイヤリング、および当該マグネットイヤリングの長時間の着用を容易にするために使用される補助部材に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
従前より知られるマグネットイヤリングは、後方部分に磁性体（永久磁石またはその他の強磁性の金属）が含まれる装飾部材と永久磁石を含む支持部材とを有し、装飾部材を利用者の耳たぶの前面に接触させ、支持部材を耳たぶの背面に接触させることにより磁性体と永久磁石とが引き合う力を生じさせ、その力によって両部材が耳たぶを挟んで対向する状態を維持するものである。
【０００３】
装飾部材や支持部材に含まれる永久磁石（以下、単に「磁石」という場合がある。）や金属が利用者の肌に触れないように、それらによる部材の耳たぶの側を向く面が非磁性の樹脂により被覆されたマグネットイヤリングも知られている。その構成例として、以下の特許文献１，２に開示されている内容を簡単に説明する。
【０００４】
特許文献１には、装飾体の裏面に磁性を有する金属が連結された構成の表側部材（装飾部材に相当する。）と、永久磁石より成る裏側磁石体（支持部材に相当する。）とを備え、表側部材の金属部分や裏側磁石体がフッ素樹脂やシリコン樹脂などの合成樹脂により被覆された構成のマグネットイヤリングが開示されている。
【０００５】
特許文献２には、磁石が収納される一対の金属製の取付部の一方に装飾体を連結した構成のマグネットイヤリングが開示されている。各取付部は、一面が開口されており、その開口端面と磁石の磁力が作用する端面とが略面一になるように磁石が取付部の内部に固着された構成のもので、さらに取付部の開口部分に、開口面全体を覆うようにシリコン樹脂製のカバーが取り付けられている。
【０００６】
上記特許文献１，２に記載されたマグネットイヤリングは、金属アレルギーを有する人でも着用可能なイヤリングを提供することを目的とするものであるが、金属へのアレルギーがない人でも磁石の強い磁力の作用を受けることによって、耳に痛みやかゆみ等の不具合が生じることがある。
【０００７】
金属アレルギー以外の原因で耳に生じる不具合に関して、特許文献３には、マグネットイヤリングの着用後の時間経過に従って耳たぶの厚みが変化して吸着力が増加することによって痛感が生じ、血流の流れが阻害されることによってかゆみが生じると記載されている。さらに特許文献３には、希土類コバルト磁石を含む耳飾り本体および耳たぶの裏側に配置する対向磁石の各々の耳たぶに接触させる部分の表面をエポキシ系樹脂により被覆する曲面処理によって、痛み等の不快感を防ぐことができるという想定のもと、曲面処理が施された耳飾り本体、曲面処理が施されていない耳飾り本体、曲面処理が施された対向磁石、曲面処理が施されていない対向磁石を用いた４通りの組み合わせを対象に、長時間の着用をした場合の症状を比較する実験を行った結果が記載されている。
【０００８】
この実験結果によれば、耳飾り本体および対向磁石のいずれにも曲面処理が施されていないイヤリングを着用した場合には、多数の被験者に痛みやかゆみが発生したのに対し、いずれか一方に曲面処理が施されているイヤリングでは、不具合を報告した被験者の数は大幅に減少している。特に、耳飾り本体、対向磁石の双方に曲面加工が施されたイヤリングを着用した実験では、３種類のサイズのイヤリングの全てについて、９０％以上の被験者が不具合なく着用でき、痛みを感じた人は０人であった、という結果が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
特開２０１２－５５４２５号公報
実用新案登録第３１８２０００号公報
実願昭５２－０７５９９８号（実開昭５４－００４７９３号）のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
特許文献３の曲面加工が施されていない耳飾り本体や対向磁石を用いた実験でも、金属アレルギーによって不具合が生じた被験者がいる可能性があるが、１００名もの被験者により各実験を実施していることから、アレルギー以外の原因により痛みやかゆみが生じた人も相当数いたはずである。
したがって、特許文献３の実験結果には、後者の原因による不具合が解消されたと言えるだけの効果が示されていると解釈することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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