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公開番号2025091053
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206021
出願日2023-12-06
発明の名称指紋検出用液、指紋検出方法
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A61B 5/1172 20160101AFI20250611BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】フッ素溶媒以外の溶媒を多く使用することなく簡便に製造でき、所定時間保管後も使用可能な、指紋検出用液の提供。
【解決手段】ニンヒドリン、ニンヒドリン誘導体、1,8-ジアザフルオレン-9-オン、1,2-インダンジオン及びヒドリンダンチンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、沸点が40~90℃のハイドロクロロフルオロオレフィンを含む溶媒と、を含む、指紋検出用液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ニンヒドリン、ニンヒドリン誘導体、1,8-ジアザフルオレン-9-オン、1,2-インダンジオン及びヒドリンダンチンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、
沸点が40~90℃のハイドロクロロフルオロオレフィンを含む溶媒と、
を含む、指紋検出用液。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記溶媒が、引火点を有さない、請求項1に記載の指紋検出用液。
【請求項3】
前記ハイドロクロロフルオロオレフィンの25℃における飽和水分濃度が、1000質量ppm以上である、請求項1又は2に記載の指紋検出用液。
【請求項4】
前記ハイドロクロロフルオロオレフィンが、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、又は、1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロペンテンである、請求項1又は2に記載の指紋検出用液。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の指紋検出用液と被検体とを接触させる接触工程を含む、指紋検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、指紋検出用液及び指紋検出方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
鑑識技術分野において、指紋を含む被検体から指紋を検出する方法としては、例えば、下記(1)~(3)の方法が挙げられ、近年では、それらを組合せた方法及び分析機器を用いて精度を上げる方法も知られている。
(1)粉末法:アルミニウム粉、カーボンブラック及び蛍光粉等の極微細の粉末を付着させて指紋を検出する方法
(2)液体法:ニンヒドリン、1,8-ジアザフルオレン-9-オン、1,2-インダンジオン、ヒドリンダンチン及び硝酸銀等と、指紋に含まれるアミノ酸等とを呈色反応させて指紋を検出する方法
(3)気体法:気化させたヨウ素及びシアノアクリレート等と、被検体と接触させて指紋を検出する方法
液体法について、例えば、特許文献1には、ニンヒドリン等と特定のハイドロフルオロカーボンを含む指紋検出用液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2011-516236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らが特許文献1に記載の指紋検出用液について検討したところ、ハイドロフルオロカーボン単独では、ニンヒドリン等を溶解できず、ハイドロフルオロカーボン以外の溶媒の使用が必要な場合があった。
ニンヒドリン等を溶解可能な、ハイドロフルオロカーボン以外の溶媒としては、アルコール等の極性溶媒が挙げられるが、これらの溶媒は比較的引火点が低いため、溶媒としてアルコールを単独使用した指紋検出用液を用いた際に引火するおそれがあった。そのような場合には、ニンヒドリン等を極性溶媒で溶解した後に、更に引火点を有さないフッ素溶媒等で希釈して指紋検出用液を調製する方法が考えられるが、調製作業が煩雑化し、簡便に指紋検出用液を製造できないことが判明した。
また、指紋検出用液を所定時間保管後に指紋検出用液の性状が変化してしまい指紋検出用液として使用できない場合があることも知見した。
【0005】
本発明は、フッ素溶媒以外の溶媒を多く使用することなく簡便に製造でき、所定時間保管後も使用可能な、指紋検出用液の提供を課題とする。
また、本発明は、上記に関する指紋検出方法の提供も課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
〔1〕
ニンヒドリン、ニンヒドリン誘導体、1,8-ジアザフルオレン-9-オン、1,2-インダンジオン及びヒドリンダンチンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、
沸点が40~90℃のハイドロクロロフルオロオレフィンを含む溶媒と、
を含む、指紋検出用液。
〔2〕
上記溶媒が、引火点を有さない、〔1〕に記載の指紋検出用液。
〔3〕
上記ハイドロクロロフルオロオレフィンの25℃における飽和水分濃度が、1000質量ppm以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の指紋検出用液。
〔4〕
上記ハイドロクロロフルオロオレフィンが、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、又は、1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロペンテンである、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の指紋検出用液。
〔5〕
〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の指紋検出用液と被検体とを接触させる接触工程を含む、指紋検出方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フッ素溶媒以外の溶媒を多く使用することなく簡便に製造でき、所定時間保管後も使用可能な、指紋検出用液を提供できる。
また、本発明は、上記に関する指紋検出方法も提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明における用語の意味は、以下のとおりである。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りがない限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
【0009】
〔指紋検出用液〕
指紋検出用液は、ニンヒドリン、ニンヒドリン誘導体、1,8-ジアザフルオレン-9-オン、1,2-インダンジオン及びヒドリンダンチンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)と、
沸点が40~90℃のハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)を含む溶媒(以下、「特定溶媒」ともいう。)と、を含む。
【0010】
本発明の指紋検出用液であれば、フッ素溶媒以外の溶媒を多く使用することなく簡便に製造でき、所定時間保管後も使用可能である。本発明の指紋検出用液の特徴点としては、溶媒として沸点が40~90℃のHCFOを含む点が挙げられる。
沸点が40~90℃のHCFOは、特定化合物を十分に溶解可能な溶媒であり、沸点が40~90℃のHCFO以外の溶媒を多く使用することなく、簡便に指紋検出用液を調製できる。また、一般的に指紋検出用液は、約25℃(室温)環境下で保存される場合が多く、そのような環境下であっても沸点が40~90℃のHCFOが揮発しにくく、指紋検出用液の性状及び組成等に変化を抑制できるため、本発明の指紋検出用液は所定時間保管後も使用できると推察される。
(【0011】以降は省略されています)

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