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公開番号2025102402
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219831
出願日2023-12-26
発明の名称5’非翻訳領域の改変方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 15/113 20100101AFI20250701BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】微生物による目的物質生産における生産性の向上。
【解決手段】
改変プロモーターを含むDNA分子であって、該改変プロモーターは、リボソーム結合部位が置換又は挿入されており、該リボソーム結合部位は、該改変プロモーターの転写開始点から10~100ヌクレオチド下流に位置する、DNA分子。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
改変プロモーターを含むDNA分子であって、
該改変プロモーターは、リボソーム結合部位が置換又は挿入されており、
該リボソーム結合部位は、該改変プロモーターの転写開始点から10~100ヌクレオチド下流に位置する、
DNA分子。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記リボソーム結合部位が配列番号1又は配列番号2のヌクレオチド配列を含む、請求項1記載のDNA分子。
【請求項3】
前記改変プロモーターは、5’UTRに前記リボソーム結合部位を置換又は挿入されたバチルス属菌セルラーゼ遺伝子由来のプロモーターである、請求項1又は2記載のDNA分子。
【請求項4】
前記リボソーム結合部位を置換又は挿入される前のバチルス属菌セルラーゼ遺伝子由来のプロモーターが、配列番号54又は55のヌクレオチド配列又は当該配列と少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列からなる、請求項3記載のDNA分子。
【請求項5】
前記改変プロモーターは、5’UTRに、1つ以上の別のリボソーム結合部位がさらに置換又は挿入されている、請求項1~4のいずれか1項記載のDNA分子。
【請求項6】
前記1つ以上の別のリボソーム結合部位が、各々、配列番号1又は配列番号2のヌクレオチド配列を含む、請求項5記載のDNA分子。
【請求項7】
前記1つ以上の別のリボソーム結合部位は、前記改変プロモーターの転写開始点から10~150ヌクレオチド下流に位置する、請求項5又は6記載のDNA分子。
【請求項8】
前記改変プロモーターが本来のリボソーム結合部位を含む、請求項1~7のいずれか1項記載のDNA分子。
【請求項9】
目的物質又はその合成に関わる酵素をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項記載のDNA分子。
【請求項10】
発現カセット又は発現ベクターである、請求項9記載のDNA分子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、5’非翻訳領域の改変方法、改変した5’非翻訳領域又はそれを含むプロモーターを含有するDNA分子、及びそれらを用いた目的物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
微生物による物質の工業生産において、生産性の向上は重要な課題である。目的遺伝子の発現向上のための、プロモーター等の発現制御領域の改変に関する数多くの研究が以前より行なわれている。
【0003】
特許文献1には、バチルス・エスピー(Bacillus sp.)KSM-S237株(FERM BP-7875)及びKSM-64株(FERM BP-2886)のアルカリセルラーゼ遺伝子由来の、catabolite responsive element(cre)様配列を変異させた改変プロモーターが、目的遺伝子の発現を向上させることが記載されている。特許文献2には、KSM-64株のアルカリセルラーゼ遺伝子プロモーター領域のヌクレオチド配列の326位から330位の間に塩基挿入した改変プロモーターが目的遺伝子の発現を向上させることが記載されている。特許文献3、4には、枯草菌(Bacillus subtilis)aprE遺伝子から得られる5’非翻訳領域(5’UTR)配列を異種遺伝子と作動可能に連結して、該遺伝子の発現を向上させることが記載されている。特許文献5には目的遺伝子のプロモーター領域の下流かつリボソーム結合部位の上流に、Shine-Dalgarno配列を追加した改変mRNAプロセシング/安定化配列(mRNA processing/stabilizing sequence)を連結し、該目的遺伝子の発現を向上させることが記載されている。特許文献6には、ステムループを形成する特定のDNA配列を、目的物質の合成に関する遺伝子の転写開始部位より7ヌクレオチド以上下流に導入することによって、該目的物質の産生を増大する方法が記載されている。非特許文献1には、枯草菌においてsacBのリプレッサー遺伝子sacRの5’UTRにShine-Dalgarno様配列を導入することで、sacBの発現を制御したこと、導入数及び導入位置により発現が増加または減少したことが記載されている。非特許文献2には、バチルス属において目的遺伝子の5’UTR領域にリボソーム結合部位と開始コドンを含む配列を複数個導入することにより、目的遺伝子の発現が向上したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-103875号公報
特開2000-078981号公報
特表2018-505686号公報
特表2020-534821号公報
国際公開公報第2008/140615号
特表2009-518019号公報
【非特許文献】
【0005】
Lett Appl Microbiol, 2005, 41(2):221-6
Nucleic Acids Research, 2022, 50(20):11979-11990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
微生物による目的物質生産における生産性の向上が望まれる。本発明は、遺伝子の発現促進をもたらす5’UTRの改変方法、該方法で作製した改変5’UTR又はそれを含むプロモーターを含有するDNA分子、及び該DNA分子を用いた目的物質の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、微生物中の目的遺伝子のプロモーターに含まれる5’UTRの特定の位置に、追加のリボソーム結合部位(RBS)を置換又は挿入することで、当該目的遺伝子の発現が顕著に促進されることを見出した。
【0008】
したがって、一実施形態において、本発明は、改変プロモーターを含むDNA分子であって、
該改変プロモーターは、リボソーム結合部位が置換又は挿入されており、
該リボソーム結合部位は、該改変プロモーターの転写開始点から10~100ヌクレオチド下流に位置する、
DNA分子、
を提供する。
別の一実施形態において、本発明は前記DNA分子を含有する形質転換体を提供する。
さらに別の一実施形態において、本発明は、前記形質転換体を培養することを含む、目的物質の製造方法を提供する。
さらに別の一実施形態において、本発明は、改変プロモーターの製造方法であって、
該方法は、親プロモーターに含まれる5’UTRを改変することを含み、
該5’UTRの改変は、該5’UTRにリボソーム結合部位を置換又は挿入することを含み、
該リボソーム結合部位は、該改変プロモーターの転写開始点から10~100ヌクレオチド下流に位置し、
該親プロモーターは、リボソーム結合部位を置換又は挿入されていない5’UTRを含むプロモーターである、
方法、
を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、微生物による目的物質の生産性を顕著に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1で構築した追加RBSを含む改変プロモーター。黒色バーは追加RBSを表し、ドットバーは本来のRBSを表す。
prsA過剰発現株の作製方法。
追加RBSを含む改変プロモーターによるプロテアーゼ生産性向上。
改変プロモーターへのRBS挿入位置によるプロテアーゼ生産性への影響。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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