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公開番号2025123556
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2025107214,2023571922
出願日2025-06-25,2021-05-27
発明の名称高級脂肪酸ポリオールエステル、特に脂肪酸グリセロールエステルの製造方法
出願人アイオーアイ オレオ ゲーエムベーハー
代理人弁理士法人有我国際特許事務所
主分類C07C 67/62 20060101AFI20250815BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、脂肪酸のトリグリセリド(すなわち脂肪酸グリセロールトリエステル)を、特に高純度で製造するための効率的な方法を提供する。
【解決手段】本発明は、(i)反応生成物中に存在するハロゲン化物ベースの不純物の選択的誘導体化及び/又は反応生成物を少なくとも1つの求核剤で処理又は接触させること、(ii)180℃を超えない温度でエステル化を行うこと、(iii)出発物質として、グリセロールを使用すること、塩素化種を含まないこと、(iv)金属系触媒の不存在下でエステル化を行うこと、の少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを適用して、高純度を有する脂肪酸のトリグリセリドを製造することにある。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ハロゲン化物ベースの不純物を含む脂肪酸のトリグリセリドの精製方法であって、
該方法は、少なくとも1つの求核剤で処理することにより、精製される脂肪酸のトリグリセリド中に存在するハロゲン化物ベースの不純物を選択的に除去及び誘導体化する段階の少なくとも1つを含むこと、
前記求核剤は、亜硫酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸水素塩、チオ硫酸塩、亜リン酸水素塩、亜リン酸塩及びホスフィン並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする精製方法。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
前記ハロゲン化物ベースの不純物は、モノクロロプロパンジオールの脂肪酸エステル、脂肪酸のグリシドールエステルおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の精製方法。
【請求項3】
任意の前処理及び後処理段階を含む全体的方法は、180℃を超えない温度で実施されること;及び、
任意の前処理及び後処理段階を含む全体的方法は、金属系触媒の非存在下で実施されることを特徴とする請求項1又は2記載の精製方法。
【請求項4】
少なくとも1つのエステル化段階は、溶媒の非存在下で実施されること;及び
少なくとも1つのエステル化段階は、触媒の非存在下で、又はそれに代えて、少なくとも部分的に触媒としての酵素の存在下で実施されることを特徴とする請求項1又は2記載の精製方法。
【請求項5】
精製される前記脂肪酸のトリグリセリドは、


-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドが、一般式(II)
CH

[O-C(O)R

]-CH[O-C(O)R

]-CH

[O-C(O)R

] (II)
で表されること;
一般式(II)において、ラジカルR

、R

、及びR

が、それぞれ互いに独立して、直鎖状又は分枝状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族C

-C
11
-アルキルラジカルを表すこと;


-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドが、それらの組み合わせにおいて下記する特性(1)~(5)を示すものであること、及び、
(1)欧州薬局方2.5.1(欧州薬局方10.0)によって測定される酸価:≦0.5mgKOH/g;及び
(2)欧州薬局方2.5.3(欧州薬局方10.0)によって測定される水酸価:≦0.5mgKOH/g;及び
(3)欧州薬局方2.5.28(欧州薬局方10.0)によって測定されるトリグリセリド含有量:≧99%;及び
(4)DGF C-VI 18(10)法(ドイツ脂肪学会標準法)によって測定されるMCPD脂肪酸エステル(モノクロロプロパンジオールの脂肪酸エステル)の総含有量:≦C5-C12-脂肪酸のトリグリセリドに基づいた≦0.5ppm;及び
(5)DGF C-VI 18(10)法(ドイツ脂肪学会標準法)によって測定される脂肪酸のグリシドールエステルの総含有量:C

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドに基づいた≦0.5ppm;
という製品仕様を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載の精製方法。
【請求項6】
前記C

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドが、一般式(II)
CH

[O-C(O)R

]-CH[O-C(O)R

]-CH

[O-C(O)R

] (II)
で表されること;
一般式(II)において、ラジカルR

、R

、及びR

が、それぞれ互いに独立して、直鎖状又は分枝状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族C

-C
11
-アルキルラジカルを表すこと;


-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドが、それらの組み合わせにおいて下記する特性(1)~(5)を示すものであること、及び、
(1)欧州薬局方2.5.1(欧州薬局方10.0)によって測定される酸価:≦0.2mgKOH/g;及び
(2)欧州薬局方2.5.3(欧州薬局方10.0)によって測定される水酸価:≦0.2mgKOH/g;及び
(3)欧州薬局方2.5.28(欧州薬局方10.0)によって測定されるトリグリセリド含有量:≧99.2%;及び
(4)DGF C-VI18(10)法(ドイツ脂肪学会標準法)によって測定されるMCPD脂肪酸エステル(モノクロロプロパンジオールの脂肪酸エステル)の総含有量:≦C

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドに基づいた≦0.2ppm;及び
(5)DGF C-VI18(10)法(ドイツ脂肪学会標準法)によって測定される脂肪酸のグリシドールエステルの総含有量:C

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドに基づいた≦0.2ppm;
という製品仕様を満たすことを特徴とする請求項5記載の精製方法。
【請求項7】
前記C

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドが、一般式(II)
CH

[O-C(O)R

]-CH[O-C(O)R

]-CH

[O-C(O)R

] (II)
で表されること;
一般式(II)において、ラジカルR

、R

、及びR

が、それぞれ互いに独立して、直鎖状又は分枝状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族C

-C
11
-アルキルラジカルを表すこと;


-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドが、それらの組み合わせにおいて下記する特性(1)~(5)を示すものであること、及び、
(1)欧州薬局方2.5.1(欧州薬局方10.0)によって測定される酸価:≦0.1mgKOH/g;及び
(2)欧州薬局方2.5.3(欧州薬局方10.0)によって測定される水酸価:≦0.1mgKOH/g;及び
(3)欧州薬局方2.5.28(欧州薬局方10.0)によって測定されるトリグリセリド含有量:≧99.5%;及び
(4)DGF C-VI18(10)法(ドイツ脂肪学会標準法)によって測定されるMCPD脂肪酸エステル(モノクロロプロパンジオールの脂肪酸エステル)の総含有量:≦C

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドに基づいた≦0.1ppm;及び
(5)DGF C-VI18(10)法(ドイツ脂肪学会標準法)によって測定される脂肪酸のグリシドールエステルの総含有量:C

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドに基づいた≦0.1ppm;
という製品仕様を満たすことを特徴とする請求項5記載の精製方法。
【請求項8】
一般式(II)において、すべてのラジカルR

、R

及びR

は同一であることを特徴とする請求項5記載の精製方法。
【請求項9】
一般式(II)において、ラジカルR

、R

及びR

の少なくとも2つがお互いに異なることを特徴とする請求項5記載の精製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸ポリオールエステル、特に脂肪酸グリセリンエステルの技術分野と、関連する代謝及び関連疾患の医学的治療概念に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【0002】
特に、本発明は、高級脂肪酸ポリオールエステル、特に脂肪酸グリセロールエステル(すなわち、脂肪酸のグリセリド)を製造するための方法に関すると共に、これによって得られるか又はこれによって調製される本発明反応生成物(すなわち、脂肪酸ポリオールエステル、特に脂肪酸グリセロールエステル)に関し、且つ、それらそれぞれの使用及び適用に関し、特に薬剤若しくは医薬品のような医薬組成物における、又は、食品における、食品組成物若しくは栄養組成物における、食品生成物における及び/又は医療用食品におけるそれぞれの使用及び適用、並びにそれらのさらなる用又は使用に関する。
【0003】
さらに、本発明は、通常生理学的に許容される賦形剤とともに、本発明プロセスに従って得られるか又は製造される本発明反応生成物(すなわち脂肪酸ポリオールエステル、特に脂肪酸グリセリンエステル)を含む医薬組成物、特に薬物又は医薬品、並びにそれらのそれぞれの用途又は使用に関する。
【0004】
さらに、本発明は、本発明の方法によって得られるか製造される本発明の反応生成物(すなわち脂肪酸ポリオールエステル、特に脂肪酸グリセロールエステル)を含む食品、栄養組成物又は食品組成物、食品及び/又は医療用食品、特に食品サプリメント、機能性食品、新規食品、食品添加物、ダイエット食品、パワースナック、食欲抑制剤及び筋力及び/又は持久力のあるスポーツサプリメントに関すると共に、それらの用途又は使用に関する。
【0005】
さらに、本発明は、医薬組成物、特に薬物又は医薬品における、食品、栄養剤又は食品組成物、食品生成物及び/又は医療用食品における、同じく化粧品組成物における、添加剤又は助剤としての、特に担体又は賦形剤、可溶化剤、放出剤、表面処理剤、輸送剤、滑剤、疎水化剤、皮膜形成剤又は保護剤、及び、粘度調整剤としての、好ましくは担体又は賦形剤としての、本発明反応生成物(すなわち、脂肪酸ポリオールエステル、特に脂肪酸グリセリンエステル)の使用に関する。
【0006】
最後に、本発明はまた、脂肪酸のトリグリセリド、特にC

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリド、特にC

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドを精製するための、及び/又は、有機物質において、特に脂肪酸のトリグリセリドにおいて、特にC

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリド、特にC

-C
12
-脂肪酸のトリグリセリドに存在するハロゲン化物ベースの不純物を好ましくは選択的に除去又は誘導体化するための求核剤の使用に関する。
【背景技術】
【0007】
人間のエネルギー代謝において、グルコースは短期的に利用可能なエネルギーキャリアであり、ミトコンドリア内で水と二酸化炭素を放出することでエネルギーに代謝される。肝臓のグリコーゲン貯蔵量は、夜間の睡眠時間中にすでに空っぽになっている。しかし、特に人間の中枢神経系(CNS)と心臓は永続的なエネルギー供給を必要とする。
【0008】
グルコースに代わる生理的な物質で、主に中枢神経系に供給されるのは、いわゆるケトン体(同義語でケト体とも呼ばれる)である。
【0009】
ケトン体という用語は、特に3つの化合物の総称であり、主に異化代謝状態(空腹時、減量食、低炭水化物食など)で生成され、ケトーシスを引き起こす可能性がある。ケトン体という用語は、特にアセトアセテート(アセト酢酸)(同義語としてアセタステートとも呼ばれる)及びアセトン並びに3-ヒドロキシ酪酸(以下、同義語としてβ-ヒドロキシ酪酸又はBHB若しくは3-BHBとも呼ばれる)又はその塩(すなわち3-ヒドロキシ酪酸又はβ-ヒドロキシ酪酸)を含み、後者は前述の3つの化合物の中で最も重要である。3-ヒドロキシ酪酸又はその塩は、(R)エナンチオマーとして、すなわち(R)-3-ヒドロキシ酪酸(3位におけるキラリティの中心を強調するため、同義語として(3R)-3-ヒドロキシ酪酸とも呼ばれる)又はその塩として生理学的に生じる。
【0010】
これらのケトン体は、空腹時や飢餓時に脂肪分解によって体内に蓄積された脂質からも生理的に大量に供給され、エネルギー源であるブドウ糖にほぼ完全に置き換わる。
(【0011】以降は省略されています)

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